蓼科高原日記

音楽・本・映画・釣り竿・オーディオ/デジタル機器、そしてもちろん自然に囲まれた、ささやかな山暮らしの日常

デジタルパワーアンプ(ELEGIANT)

年明け早々、真空管プリアンプを手にしたことが呼び水となり、続いて真空管パワーアンプを購入し、それ以来、約3ヶ月間、ほとんどこれらを通して音楽を聴いている。

 

従来使用していたのはトランジスターのアンプで、いずれにせよアナログ波を増幅するものだ。

 

一方、デジタル音源がほぼ主流となっている現在、これをそのまま拡大するデジタルパワーアンプなるものがあることを知り、例によって少々調べたところ、小型軽量のボディながら100W級の出力を具えた製品が3千円ほどで手に入ることがわかり、こうなるともう、「一体どのようなサウンドが再生されるのだろう」という好奇心が疼き出して抑えることができず、早速注文してしまった。

 

 

私が購入したのは「ELEGIANT」なるブランドのものだが、Amazonにはこれと実質的に同一と思われる製品がいくつかの冠を被って出ているので、恐らく一つのOEMメーカーから出ているに違いない。

 

 

 

 

届いたおなじみのAmazon段ボール箱を開けると、製品はきちんとした化粧箱に収まっていた。

 

同梱品は、ACアダプター、ピンプラグ―ミニプラグケーブル、ミニプラグ―ミニプラグケーブル、そして簡単な説明書である。

 

不備はなさそうだったので、早速、音源たるPCとの接続。

 

20210402-デジタルパワーアンプ

 

といっても、このデジタルアンプはbluetoothインタフェースを具えているので、ケーブルは使用せずペアリングを試行すると、問題なく接続された。

 


さて、もっとも興味のあったその再生音だが、決して悪いものではない。

 

が、真空管の音に耳が慣れていることもあってか、聴覚がかなりの刺激を感じ、これを長時間聴き続けるのは、正直なところ遠慮したい気持ちである。

 

特に、私のリスニング・ターゲットであるジャズ、クラシック(というほど広くなく、ほとんどモーツァルト、そして時折バッハ)の再現には、あまり向いていない印象を否めない。

 

反面、電子楽器の音には適性があるような気がする。

 

無論、未確認ゆえ、あくまで推測に過ぎないが……

 

従って、本デジタルアンプの今後の使用は、気分を変えてちょっと感じの違う音を聴いてみたいとか、「この演奏には合うかもしれない――」といった音源に出会った時、一時的に電源を入れる形になりそうだ。

 

こう書くと、無駄な買い物に終わったようだけれど、そもそも初めに述べたように、その最大の目的は好奇心の満足だったわけで、これは十分に満たされた。

 

 

 

 


もう一つ、音質とともに、アンプの出力(音量)にも関心があった。

 

本デジタルアンプは、最大出力50W+50Wと謳っているが、これは24V-DCのアダプタを使用した場合らしく、製品付属の12Vのものではぐっと落ちるはずである。

 

しかしながら、いつも聴いている音量を得るのに、PC側の出力一定の下で、真空管パワーアンプではボリュームを2時の位置まで、トランジスターアンプでは12時まで回すのに対し、デジタルアンプは11時ほどの所で十分。

 

これを見る限り、スペックの数値は決して偽りではなさそうだし、付属品を考えても(それらの品質は一先ず措くとして)、コストパフォーマンスは相当高いと言えると思う。

 

 

一点、本体が軽すぎて安定感に欠けるのは少々いただけない。

 

上の画像では遠近の関係で本来のサイズが出ておらず、実際のところ、本体の体積はACアダプタの約1/3に過ぎず、自重についても然りなのである。

 

ボディはアルミ合金ということだが、前面パネルはプラスティック製なので、ここも金属にして質量を増やす手もありそうだけれど、これは若干の価格アップに繋がるだろうし、また総メタルボディはbluetoothでのインタフェースを阻害するため、アンテナの追加が必要となる。

 

ACアダプターと一体化する手も――と思ったものの、こちらもノイズ対策などの要素もあり、やはり分離するのが望ましいのだろう。

 

もう一つ、製品の癖として、ボリューム位置が九時頃まではほとんど音が出ず、それより回すと一気に大きくなるので、他製品の感覚で扱うと思わぬ轟音に耳やスピーカーを驚かしかねない。

 

ともあれ、面白い一品ではある。

 

 

 

 

 

紀州へら竿のブログに「櫓聲 破傘 青春 15.8尺 口巻 籐握り」を投稿。

 

以前にも書いたが、真空管オーディオと竹製の釣り竿には、実に共通する味わいがある。

 

charmedbybamboorod.blogspot.com

 

 

Keith Jarrett「Standards Live」
01. Stella by Starlight
02. The Wrong Blues
03. Falling in Love with Love
04. Too Young to Go Steady
05. The Way You Look Tonight
06. The Old Country

 

20210402-Standards Live

 

Sonny Rollins「Saxophone Colossus」
01. St. Thomas
02. You Don't Know What Love Is
03. Strode Rode
04. Moritat
05. Blue Seven

 

20210402-Saxophone Colossus

 

筑摩現代文学大系5 徳富蘆花・木下尚江・岩野泡鳴集

この全集も、何世代かの版がある。

 

私の書庫にある一揃いは1960年代の発行で、恐らくその内一番古いものと思われる。

 

20210331-筑摩現代文学大系5

 

その後、1975年から79年にかけて、新たに世に出た作家の作品を収録した巻を増補した形で再出版され、さらに80年代にもまた刊行されたらしい。

 

これらは主としてフィクション作品を集めたものだが、また一方、評論や思想系の文章をも含む、より広範な全集として「現代日本文学大系」があり、こちらもいくつか世代を重ね、近年その最新版が出たということだ。

 

www.chikumashobo.co.jp

 

いずれにせよ、極めて大部な全集ゆえ、一気呵成に読むとすれば、他のことを顧みることなく、腰を据え全精神を集中して取り組む必要があるだろう。

 

無論、必ずしもそのような読み方をせねばならぬ訳ではなく、気になる作家の良さそうな作品を拾い読みするのも、決して悪いことではなかろうと思う。

 

私の読み方はそれらの中間で、一応巻を追って読み進めてはいるものの、他の書籍をあれこれ間に挟むひどく断続的なもので、さらに既読の作品は飛ばしたり――と、こう言えばまあ、中間というより後者に近いというのが正しいに違いない。

 

 

 

 


この第5巻についても、蘆花の「不如帰」は既読だったこともあり措いて、恥ずかしながらこれまで接する機会のなかった他の二作家の文章を読んだ。

 

初見の作家の作品では、その文体に慣れるまで若干の時間を要するのが通例だけれど、本書に収められたものには至極速やかに馴染めた。

 

この二作家に限らず、他の諸々の事柄を考え合わせても、私の琴線にはこの時代の文章の波長が合うようだ。

 

木下尚江の「墓場」は特に良かった。

 

 

 

今日も最高気温は15℃近くまで上がった。

 

夜11時現在、既に2℃台に下がり、もしかすると今後氷点下まで落ちるかもしれないが、日中の暖かさが広く行き渡っているような感じで寒さはほとんど覚えない。

 

 

 

モーツァルトの「交響曲第41番 ハ長調 K.551 "ジュピター"」の紹介記事を投稿。

 

mozart-cafe.hatenablog.com

 

 

 

 

 

今日は趣の異なるピアノ・トリオを二枚。

 

「Thelonious Monk Trio」
01. Blue Monk
02. Just a Gigolo
03. Bemsha Swing
04. Reflections
05. Little Rootie Tootie
06. Sweet and Lovely
07. Bye-Ya
08. Monk's Dream
09. Trinkle, Tinkle
10. These Foolish Things

 

20210331-Thelonious Monk Trio

 

Red Garland「When There Are Grey Skies」
01. Sonny Boy
02. My Honey's Lovin' Arms
03. St. James Infirmary
04. I Ain't Got Nobody
05. Baby Won't You Please Come Home
06. Nobody Knows the Trouble I See
07. My Blue Heaven

 

20210331-When There Are Grey Skies