蓼科高原日記

音楽・本・映画・釣り竿・オーディオ/デジタル機器、そしてもちろん自然に囲まれた、ささやかな山暮らしの日常

春の足踏み

予報通り、気温の上がらない日が続いている。

 

今朝、水栓を捻ると水道管からがりがりという異音が聞こえ、後で確認したところ未明に氷点下4℃台まで下がっていた。

 

今日の最高気温も辛うじて5℃を越えただけで、夜八時現在、既にマイナス5℃まで冷え込んでいる。

 

これから明朝にかけてが寒さの底らしく、今夜は凍結防止帯の使用が必須だ。

 


こんな風に、今週は若干春の足踏みとなったけれども、季節は少しずつ進んでおり、山も少し緑を帯びてきた感じがする。

 

20210409-蓼科山

 

昨秋に葉を落とした木々の芽吹きはまだ見られないものの、常緑樹の葉が鮮やかになるとともに、その下では雪を払いのけた熊笹も色を添えているはずだ。

 

鶯の歌声も次第に盛んになってきた。

 


北国ではこの時季、桃・梅・桜が一斉に咲き、非常に華やかな情景を見せてくれることが多いが、この辺りにはいずれの木もほとんど見られないため、春はごく地味な姿でやってくる。

 

それでもやはり、その訪れは人の心を弾ませるものだ。

 

 

 

 


「Sonny Rollins with the Modern Jazz Quartet」
01. The Stopper
02. Almost Like Being in Love
03. No Moe
04. In a Sentimental Mood
05. Scoops
06. With a Song in My Heart
07. Newk's Fadeaway
08. Time on My Hands
09. This Love of Mine
10. Shadrack
11. On a Slow Boat to China
12. Mambo Bounce
13. I Know

 

20210409-Sonny Rollins With The Modern Jazz Quartet

 

W.A.Mozart「交響曲第40番 ト短調 K.550」
Neville Marriner(cond): Academy Of St. Martin In The Fields
第1楽章 Molto Allegro
第2楽章 Andante
第3楽章 Menuetto: Allegretto, Trio
第4楽章 Finale: Allegro Assai

 

DAC(D/Aコンバーター、FX-AUDIO製FX-00J)

また一つ、オーディオ・ガジェットを購入してしまった。

 

DAC(Digital Analog Converter=D/Aコンバーター)、すなわちデジタルの音楽信号をアナログ波へ変換する装置である。

 

無論、PCやスマートフォンにはこれが搭載されているが、あくまでもオンボードに簡易的(?)なものが載っているだけなので、音楽を高音質で聴くには、その処理をより精密に行うべく独立したデバイスとしてのDACの導入が望ましい――

 

こんな謳い文句を目にすると、「なるほどそうだ」と鵜呑みにする気はないものの、「本当に音質が上がるのだろうか」という疑念、というか好奇心は生じ、あれこれ思い悩んでも消えないこの困った奴を鎮めるべく、入手することにしたのである。

 

 

購入品は、FX-AUDIOというブランドの「FX-00J」。

 

amzn.to

 

FX-AUDIOは、真空管アンプ・ブームの一翼を担った(ている)ブランドの一つで、NFJ(North Flat Japan=ノースフラットジャパン)なる日本のメーカーのものだ。

 

同ブランドはDACもいくつか出しているが、FX-00Jはそれらの中でもっともシンプルかつ安価な製品らしい。

 

入力端子はUSB-TypeBで、電源もここからバスパワーの形で取り、出力もRCA端子(×2)のみ。

 

しかしながら、最大24bit/96kHzのPCMに対応しており、一応、ハイレゾ音源の純正再生も可能となっている。

 

実は、ほぼ同等の製品として、「Signstek Audio」という中国製のものがあり、こちらは音声信号をデジタルのまま抽出してoptical(光)およびcoaxial(同軸)端子から出力できる一方、ハイレゾには非対応で、どちらが良いかと悩んだのだが、SignstekのDACがAmazonで在庫切れとなってしまったため、自動的にFX-00Jに落着した。

 

本格的なDACには価格が数百万円に達する製品もあるが、私の当面の目的にはこれで十分である。 

 

 

 


封筒に入って届いた商品を開封すると、無地の段ボール箱が現れた。

 

製品の仕様同様、梱包も簡素だな――と思いながらこれを開くと、しっかりとパックされたエアキャップの中に、ビニールに密封された形で本体が収められていた。

 

簡素ではあるけれど、養生は必要十分、そして粗雑な感はまったくない。

 

同封品は、簡単な取扱説明書と、ごく短い接続ケーブルである。

 


基本的にPCと接続するだけで機能するが、場合によってはちょっとした処置が必要――というプラグアンドプレイ製品で、当方の環境ではどうかとPCに繋いでみたところ、幸いすぐに認識された。

 

20210408-fx00j

 

続いて音出しの確認。

 

今回の買い物は、PCと真空管パワーアンプの間に置くことを想定したものだが、万一おかしな信号が送られて真空管アンプにダメージを与えては大変――と、まずデジタルアンプと接続してみることにした。

  

因みに、スピーカーは先日購入したビクター製である。

 

テスト音は問題なく流れたので、続いて音楽を再生したところ、ちょっとした衝撃を受けた。

 

先の記事でご紹介したように、これらアンプとスピーカーの組み合わせからの再生音は、少なからず耳に障るとともに低音域の貧弱さを覚えるものだったが、今般DACを挟んでの音はそれとまったく別物、耳に刺さる煌めく音の欠片は消え、低音も二回りほど太く・強く鳴り響いたのである。

 

続いて、本来の想定用途である真空管パワーアンプへ信号を出力して再生。

 

こちらでまず気付いたのは、音量が数段上がり、従来のボリューム位置では回しすぎとなる点。

 

DAC内部で信号増幅を行っているなら、デジタルアンプとの接続でもこれが生じるはずだが、明確な相違は感じられなかった。

 

逆に、音質に関しては、デジタルアンプの場合ほどの顕著な向上は見られず。

 

ただ、音の余韻、音場感といったものが若干強く出る印象はある。

 

 

以上、個人的には、何とも不思議な効果を音に及ぼす製品――というのが正直な感想だ。

 

いずれも良い方向への効果であるから、何ら問題はないものの、なぜそれらが生じるのか、その理由が分からないため些か釈然としないので、自分なりに少し考えてみようと思っている。