蓼科高原日記

音楽・本・映画・釣り竿・オーディオ/デジタル機器、そしてもちろん自然に囲まれた、ささやかな山暮らしの日常

SONY MU-A301の外観修繕とセッティング

今般、「動作未確認」という状態で入手し、当初出音に支障のあったSONYの業務用パワーアンプMU-A301は、アッテネーターの接点クリーニングだけで幸い機能は復旧したのだが、如何せん、外観に傷や汚れが多く、これを目にしながら音楽を聴くのは気分的によろしくない。

 

さらに、本運用へ入るにはもう一つ、同機をどのように設置するかというセッティングの問題がある。

 


先ずは後者から述べよう。

 

この一年でオーディオ機器が一気に増えてしまい、既に空きスペースはほとんどなかったことから、このセッティングに関しても事前に検討し、一応の解を得ていた。

 

と言っても勿論、ラックを調達して――などという贅沢なものではなく、和室の床、畳の上にブロックを立て、そこへ載せるというシンプルかつチープな形態を採ることにしたのである。

 

ただ、さすがに畳とブロック、およびアンプ本体とブロックを直に接触させるのは気が引けるので、前者の間にはボード(板)を、後者においてはフェルト製のコースターを使うことにし、これら資材も事前に入手しておいた。

 

20220703-SONY MU-A301(7)



 

なお、このMU-A301に関する最初の記事にも書いた通り、同機は一部の脚が欠品しており、本来ならそれを補填すべきで、代用品としてこちらに目を付けていたのだけれど、上の設置形態ではブロックの穴に脚が沈み込む可能性もあることから、補填とは逆に脚をすべて撤去することにした。

 


さて、残すはアンプ本体の外観の修繕=塗装である。

 

これも前もって実施を想定していたことゆえ、そのために必要な資材である塗料は、先日ダイソーでレンチを購入した際に併せて購入しておいた。

 

「ラッカースプレー マットブラック 油性 ツヤなし」(100ml入り・税抜き100円)がそれである。

 

アンプ本来の色合いからすると、「ツヤあり」の方がマッチするようにも思ったのだが、このモデルの面構えにはマットブラックの方が個人的に好ましく感じ、またツヤありでは塗りムラが出そうな気もしたことを鑑み、ツヤなしを選択した。

 

このスプレーで塗装すべき部位は、天板・フロントパネルおよびハンドルだけなので、一つで間に合うだろう。

 

 

 

 


塗装作業を実施するには、今一度上記部位を取り外さねばならないが、先日行ったクリーニング後の組み上げを暫定的に軽くしてあったこと、および既に一度経験した手順なので何ら滞りなく完了した。

 

そして、天板とフロントパネルについては、印字部分を手元にあったテープでマスキングした上、表へ出てスプレーを噴射した。

 

今日はあいにくの雨模様だったものの、反面風はなく、塗装面積も小さいことから作業は問題なく完了。

 

乾燥を待って今度はしっかりと組み上げて見たところ、以前とは見違えるような精悍な面貌となった。

 

思った通り、マスキングした部分の本来の色とは若干の相違が出てしまったが、これもまた味わいと考えたい。

 


なお、ヒートシンク部分に、塗装の剥がれて地の銀色の出ている所が見られたが、ここまでスプレーをかけるとなるとマスキングが大ごととなるし、それだけの塗料も残っていないようだったので、今回は余ったスプレーを紙皿に噴射し、その塗料を絵筆で塗ることで収めた。

 


こうして外貌を整えたMU-A301を、ブロックの設置台に乗せてみると、単なる苦肉の策の積み重ねではあるものの、手前味噌ながらなかなか様になっているように思う。

 

20220703-SONY MU-A301(8)

 


音質については、ここに先のJBL Control 1Xtremeを繋いでしばらく鳴らし込んだ上、併せてご紹介しようと思う。

 

 

 

 

SONY MU-A301の修理(メンテナンス)―続き

昨日、外出したついでにダイソーを覗くと、SONY MU-A301のハンドル外しに使えそうなレンチがあったので購入してきた。

 

20220702-SONY MU-A301(4)

 

帰宅して早速ナットに嵌めてみたところ、無論サイズは確認しておいたので問題なく、また本体との干渉も生じず無事回すことができた。

 

因みに、当たって駄目だったレンチは次のもの、縁の幅が仇になってしまったのだ。

 

20220702-SONY MU-A301(5)

 


さて、今日は修理(メンテナンス)の再開である。

 

ハンドルを外せたのはいいとして、接点を磨くためには、それを本体から引き出すことが必要で、それにはアッテネーターのつまみと、フロントパネルおよびアッテネーターの装着されているプラスティック製パネルも外さねばならない。

 

そのつまみは、一見したところねじ穴がないので、はじめはシンプルな嵌め込み式かと思ったが、引っ張ってみてもびくともしないのである。

 


一体、どのように留められているのか、どのように外すのか――としばらく考えたものの埒が明かず、困ったときのネット頼み――と色々なキーワードで検索しているうち、まさにいま自分のしようとしていることを、姉妹機であるMU-A151で行った実例を丁寧に紹介してくれている記事に遭遇した。

 

taka-and-teto.sblo.jp

 

それによると、同モデルでは、何とねじ穴がつまみの突出部分ではなく、アンプ本体の奥に隠れたところに穿たれており、しかも二ヵ所。

 

そして、アンプ下部、本体とフロントパネルの隙間から六角レンチを差し入れてねじを回す仕様というのである。

 

こんなことは、もし上の記事に出会わなければまず見抜くことはできなかったに違いない。

 

これだけでも助かったのに、以後の作業にも多大な恩恵を被った。

 

 

 

 


その作業とはすなわち、アッテネーターつまみに続き、フロントパネル、プラスティック製パネルを取り外し、漸く手前に引き出せたアッテネーターのカバーを外した上、接点復活剤を含ませた綿棒で抵抗体を磨いたのである。

 

20220702-SONY MU-A301(6)

 

思った通り、その綿棒にはかなりの汚れが付着してきた。

 

最後に仕上げとして、接点復活剤を残さぬよう、素の綿棒で乾拭きし、あとは逆の手順で組み上げた。

 


さて、果たしてこれできちんと音が出るかどうか、いつものように期待と不安を胸に抱きながらの確認である。

 

再度iPod touchとスピーカーを接続し、アンプ本体も電源に繋いでスイッチを入れると、パイロットランプが点り、プロテクトも解除。

 

そしてアッテネーターを絞った状態で音楽を再生し、徐々に開いていくと、右のスピーカーは滑らかに音量が上がっていった。

 

一方の、先に全く無音だった左チャンネルは、はじめはがさごそとノイズ交じりに鳴り出し、徐々に音楽が浮き上がってきたものの、つまみを動かすごとに若干のノイズが生じる。

 

さらなるクリーニングが必要か――とも思ったが、取り敢えずまたアッテネーターをぐりぐりと回してみたところ、次第に症状が軽減し、最終的には右とほとんど差のないところまで辿り着いた。

 

これなら、本運用のリスニングに十分耐え得るし、それを続けていくことでさらに良好な状態になりそうである。

 


ただ……

 

同機に関する最初の記事にも書いたが、外貌が余りに痛々しく、これを目にしながら音楽を聴く気にはならないのである。

 


従って、その前に見て呉れを良くする修繕だ。