旅・旅行
宿をチェックアウトする前に、今一度早朝の倉敷美観地区を歩いた。倉敷川から逸れた界隈へ少し入ると阿智神社の急な石段が現れたので、そこを上って参拝。少々苦労して高さを稼いだお陰で、倉敷の町の俯瞰も得ることができた。学生時代に倉敷へ来たときは、…
六日目。朝六時過ぎに宿をチェックアウトし、昨日は高岡通りを辿って来たので、今日は別の殿町・本町・祇園庁の各通りを歩いて駅へ向かった。前日とは逆に朝の些か観光には早い時間帯とはいえ、やはり人の姿が少な過ぎるように感じる。しかし建物の佇まいや…
寝苦しかったわけでもないのに、また朝五時前に目が覚めてしまった。旅の五日目は先ず出雲大社に参拝し、山陰本線を下って益田で少し観光をした後、山口線で津和野まで行きここに泊まる。その山陰本線の列車としては10:21出雲市始発を予定しており、これに乗…
旅の四日目は、四国を離れて本州へ戻り、西日本を縦断――というほど大袈裟なことではないが――して山陽から山陰の出雲市へ出る。前日に続いて観光といえるようなことはなく、移動が主となる一日だ。先ずはJR高徳線高松行に乗るべく、朝6時前に宿をチェックアウ…
7:51発予讃線宇和島行列車に乗るべく、7時過ぎに宿を出、今日も暑くなりそうだと思いながら伊予大洲駅へと向かった。もっとも、この三日目は伊予大洲から徳島を目指してひたすら鉄路を辿り、観光の予定はない。駅構内のベンチに荷物を下ろし、駅舎の写真を撮…
旅の二日目。眠りが浅く、5時前に目が覚めてしまった。この日最初に乗車するのは7時半過ぎの列車、それまで十分な時間があるので、当地でしか食えないうどんを朝食にしようと考えたが、朝型のうどん店が多いとはいえさすがにこの時間に営業を始めるところは…
早朝6時過ぎ、JR茅野駅から中央本線長野行列車に乗り込み、今般の鉄道旅行が始まった。この初日は、四国は香川県高松まで約640km、所要11時間27分(乗車9時間30分)の長旅である。しかしこの乗車は塩尻駅までの三十分弱で、気分的にはここで同じ中央本線の中津…
令和6(2024)年夏の青春18きっぷが発売され、利用期間に入った。かつて多様なものが見られた周遊券がほとんど姿を消してしまった現在、日本を大きく、安価に巡ることのできる数少ない切符の一つなので、これを使っての旅の計画を練ることにした。去る四月に北…
高山には午後二時に到着した。高山駅西駐車場という、名称通り駅の西側にある駐車場に車を停め、駅の自由通路をそこに展示された匠の技に関する品々を眺めながら渡り、線路反対側の観光案内書で観光マップとバス時刻表を入手。時刻表をもらったのは、高山駅…
五箇山(ごかやま)は現在の富山県南砺市にある四十の小集落の総称で、その内の相倉と菅沼の両集落が重要伝統的建造物群保存地区に指定されており、また白川郷とともに世界遺産にも登録されている。その相倉集落の駐車場へは開場(といってもゲートなどがあるわ…
馬籠宿も一時間ほどで一通り観終えてしまい、時刻はまだ四時前、日もまだ高い。元々は高山までの途上にあるいくつかの道の駅の一つで車中泊を――と考えていたのだが、いずれにせよ明るい内に着くはずで、そこでは別にすることもなく長い夜に苦しむような気が…
江戸時代に整備された五街道の一つ、中山道の六十九の宿場の内、贄川・奈良井・藪原・宮ノ越・福島・上松・須原・野尻・三留野・妻籠・馬籠の十一宿が木曽路にある。はじめはこれらすべてに足を停めようかとも考えたが、必要となる時間の点からこれは現実的…
前々から、車中泊には興味があった。こんなことは、やろうと思えばいつでもできるのだが、却ってそのためもあってかいざとなるとなかなか実行できないまま、気が付くと長い年月が経っていた。それがこのところの旅心の沸き立ちに促され、漸く決行の意思が固…
旅の最終日は、どこへも立ち寄ることなく帰路を辿る。しかし、その一部に只見線の全線乗車を組み入れ、これを大きな眼目とした。会津若松駅に5時45分頃着いた時には既に同駅始発只見線の単行列車は入線しており、その顔をさっと撮影して乗り込むと乗客の姿も…
旅も残り二日となったこの日は、酒田から羽越本線、信越本線、磐越西線を辿って喜多方へ至り、そこでちょっとした観光―というほどでもない町歩きをした後、最終宿泊地である会津若松へと向かう。先ずは酒田駅7:02始発の列車に乗り村上へ。この路線沿いにも、…
旅五日目の目当ては、五能線を辿ることである。当初、それには各駅停車の普通列車を利用するつもりだったが、宿泊地を大鰐温泉へと変更したことで一旦弘前へ戻ることが必要となり、時間的にややきつくなったこともあって、「リゾートしらかみ」へと切り替え…
今回の旅では、特に桜を目当てにしたわけではなかったが、計画を立てる際、もしかしたら―というそこはかとない期待は胸に抱いていた。そして、珍しくこれが現実のものとなったことは既述した通りである。当初、旅の四日目は遠野を比較的ゆっくりと発って弘前…
三日目は、遠野観光に当てるべく設けた、今回の旅で唯一移動のない日だ。前夜は入浴してよく眠り、宿での朝食もしっかり摂ったことで心身とも状態は良好である。遠野は訪れたい多くの名所旧跡が広範囲に散在しているので、レンタサイクルを利用して回ろうと…
旅二日目の眼目は、松尾芭蕉が「おくの細道」の旅において、「山形領に立石寺と云山寺あり。慈覚大師の開基にして、殊清閑の地也。一見すべきよし、人々のすゝむるに依て、尾花沢よりとつて返し…」と土地の人から薦められ予定の道程を変更して訪れた宝珠山立…
茅野駅でJR中央本線甲府行きの到着を待つ。個人的には本当に久しぶりの旅行なので、その出足となる列車の顔を写真に収めておきたい気持ちが少しあったのだけれど、時刻は朝7時半、主に高校生の通学客がホームを埋めており、その中でスマートフォンを構えるの…
去年の一月、ちょっとした用事ができてそれを果たすために列車で長岡へ行った。当地蓼科へ移り住んでから初めての遠出、本当に久しぶりのことだった。これにより胸の奥に潜んでいた旅心が刺激されて疼き出し、元々読むのが好きで既に書棚にあった紀行全集に…
宮脇俊三の作品は、今から七年ほど前だったか、「鉄道紀行全集 全6巻」の合冊版電子書籍に、各社このサービスを本格的に展開した時期に当たったのか、破格ともいえるキャンペーン価格が付されているのに遭遇した際に購入して一通り読んだが、今般さらにそこ…
時刻表をはじめ、旅や旅行に関連した書籍を渉猟してそれらが次々と手元へ届いて来る内、以前購入してその後どこかへ仕舞い込んだ本もあったはず――と物置を引っ掻き回した結果、十冊以上を見出すことができた。その中に交じっていたのが、二冊の「地球の歩き…
地図を何冊か購入した。これまでいくつかの記事に述べてきた通り、空想旅行や追想旅行の強力な資料としてさまざまな時代や地域における鉄道の時刻表を現在収集した結果、鉄道の路線が地球上にどの程度張り巡らされている(いた)か、また色々な地点間の移動に…
私が初めて時刻表を買ったのは、大学二年の夏、学友たちと本州西部一周旅行を企てた際のことだった。もっとも、その旅行の音頭取りは他の奴で、私はどちらかと言えばお客さん的位置付けではあったけれども、大まかな経路くらいは把握しておこうと考えたよう…
その名称、およびみどりの窓口に常備されているという事実から、いわゆる「JR時刻表」が公式時刻表だとこれまで思っていた。現在は実際その通りなのだが、この状況になったのは1987(昭和62)年に実施された国鉄の分割民営化以後のことで、それまでは先に取り…
鉄道の黎明期から近年に至るまで、ある程度の連続性をもってその栄枯盛衰を辿れるよう、時代ごとの時刻表を手元に置きたい―と考えて手頃な価格で中古市場に出てきたものをぽつぽつと購入し始めたことは既述した通りである。その鉄道時刻表については、JTB(日…
近年の鉄道時刻表を一冊買ったところ、そこに掲載されている路線図のあまりの疎らさに寂しい気持ちになったため、東海道新幹線開業直後、1964年10月号の復刻版を追加購入し、続いて記念すべき時刻表創刊号の復刻版、当時日本の統治下にあった満州・朝鮮・台…
今年に入って、ひょんなことから漂泊の想いが心に湧き上がって止まなくなり、それに突き動かされて古今東西の時刻表をいくつも漁る羽目となったことは以下の記事などに既述し通りである。その流れに身を任せている内、また一つ欲しいものが目の前に現れ、矢…
長岡市への小旅行が呼び水となり、長らく心の奥底に潜んでいた旅心が頭を擡げてきたこと、およびその疼きを鎮めるために旅行関係の書籍および映像作品を少なからず購入した(してしまった)ことは以下の記事にご紹介(というか白状)したが、その獲物の中に鉄道…