この春は暖かいのはいいとして、雨の多いのには些か閉口している。
先週も、空模様は安定しなかったものの、気温・湿度とも高めで梅雨時のような体感だったが、曇り空で陽射しのない昨日今日は肌寒く、一時的ながら石油ストーブを焚いた。
そろそろ薪ストーブの清掃をと考えていたのだけれど、気分的に乗らず、これは暫く先延ばしとなりそうだ。
それでも季節は漸次進んでおり、ベランダ前の落葉松もうっすらと緑を身に纏った。
そのひんやりした大気の下、今日も辺りを歩いていると、突然、大雨時の排水のための側溝からガサゴソと物音。
そッと近寄り、格子状の蓋(グレーチングというらしい)を透かして覗くと、思った通り狸だった。
こんな隠れ方では自ら窮地へ落ち込むようなもので、しかも、じっとしていればいいものを音を立ててわざわざ存在を主張するのだから、可笑しくなってしまう。
冬季、除雪された雪が路肩に壁を作っている状況で出会うと、鹿や狐などのようにそこへ飛び上がって逃げることができずに、暫く追いかける形となってしまうこともある。
この春は、その狸の姿をよく目にする。