蓼科高原日記

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ラジカセ SANYO U4-W26(K)

CDラジカセ「SONY CFD-700 DoDeCaHORN CD」カセットデッキ部の修理に挫折した後、テープを再生するための適当な機器はないものかと改めて物色を始めたが、当然と言えば当然ながら、同じDoDeCaHORNシリーズはその複雑なメカニズムが災いしてかデッキ部の生きているものは非常に少なく、あるといずれも結構な値が付されている。

 

これは、先にもう一つ候補に挙げたPanasonicコブラトップを具えたモデルについても言えることで、こちらはさらにスピーカーのエッジも経年劣化で駄目になっている例がほとんどのようだ。

 

今般のCFD-700でもサブウーファーの交換用エッジは調達したが、Panasonicモデルで駄目になるのはメインユニット二つのエッジなので、これをリペアするための部材費まで考慮すると、やはり手頃な価格では入手できそうもない。

 

そもそも、また同じ轍を踏むのではないかとの懸念からどうしても及び腰となってしまう。

 


そんなわけで、「音質をある程度重視したモデル」という当初の設定指標は一先ず取り下げ、代わりに「デッキ機能の生きている」中古品を捜してみることにした。

 

条件をこのように変えると、必然的に製造されてから年数の経っていないものが前面に出てきて、新古品も少なからず交じるわけだが、想い出のテープを再生したいという個人的な目的からすると、コストダウンを最優先した近年の製品は些か受け入れがたいため外すことにして、ネット上のオークションやリサイクルサイト、さらに余り機会は多くないながら、外出した際にはリサイクルショップを覗いたりしてきた。

 

 

 

 


そうこうしているうちに知った製品の一つが、「おしゃれなテレコ」の愛称を持つ三洋電機のラジカセ、MR-Uシリーズである。

 

いや、知った――というのは正確ではなく、実際はこの名称に接して、「そういえばそんなラジカセがあったなあ、」と、記憶の深層から浮かび上がって来たのだ。

 

その懐かしさもあって、これがいいかもしれないと食指が動いたのだけれど、何分1970年代末に初代の出た機種ゆえ、上の条件を満たしているものは皆無に近く、さらに私と同年代の人士が懐旧の情から多くこれを求めるのか、将又より若い世代が現代の流行とは一味違った意匠の魅力に惹かれるのか、相当の人気モデルとなっており、えッ?と思うような値で取引されている。

 


しかし、その過程で、"U4-W26"というダブルカセットのモデルが目に付き、そのほとんどがデッキ部の機能を保持していることに気付いたのである。

 

そこでネットで調べてみたもののほとんど情報がなく、辛うじて、サラウンド再生を一つの売りにした1990年頃の製品であることだけがわかった。

 

年代的にはかなり古いものなのだが、上のSONYPanasonicのモデルのように機能に拘らず、一般向け普及品を志向したモデルだからだろうか、作りのシンプルさが幸いして発売から30年以上経過した現在でもしっかり働いているようだ。

 


もう一つ特筆すべきは、同じU4を冠しているものの、このU4-W26は「おしゃれなテレコ」とはデザインの趣も大きく異なり、その一員とは認知はされていないらしく、その反動のせいか極めて安価に取引されていることだ。

 

という認識を得た際、ちょうど終了間際のオークションで、一通りの機能確認がなされて特に問題なし、しかもほとんど送料のみの価格でありながら入札のないものが目に留まり、その時の勢いもあって入札したところ、競合なくそのまま落札となった。

 


それが届いたので、早速開梱してざッと一拭きした。

 

その姿をご披露して一旦稿を閉じよう。

 

状態および機能の確認、音質などについては、いつものように追ってご紹介したいと思う。

 

20221031-ラジカセ SANYO U4-W26(K)