先に記したように、今般SONYのCDラジカセ「CFD-700(DoDeCaHORN CD)」を購入したのは、昔録ったカセットテープの再生を目当てとしてなのだが、実のところ、当該中古品はチューナー・CDの再生のみ確認済み、他の機能は未確認、という状態のものだった。
それに敢えて手を出したのは、これも既に書いた通り直観的に惹かれたことに加え、事前に、カセットデッキ部を含む同機の修理動画をyoutubeで目にしており、相当な手間暇はかかりそうなものの、手順ははっきりしているので、万一ここに機能不全があっても何と使えるようにできるだろう――と踏んだためである。
しかしもちろん、正常に働いているに越したことはないわけで、これを期待しながら、先ずデッキ機能の確認を実施した。
が、遺憾ながら僥倖は舞い降りず、やはり対応作業が必要となったのである。
もっとも、これはほぼ覚悟していたことでもあるので、気を取り直して他の機能の確認へと移った。
その結果、チューナーについては、当方山間のため電波状況が悪く明確な判断はできないものの、AM/FMともそれぞれ1局ずつの受信はできた一方、再生可能と謳ってあったCDをかけたところ、認識されず液晶パネルに"no disk"の表示。
そこで販売店に問い合わせると、レンズを拭いたり、何枚かのCDをかけたりしたら、再生できる場合もあった……との返答である。
おいおい、それを「CD再生可」というのはちょっと違うだろう――と、一瞬返品を考えたが、その前に物は試しと、専用のクリーニング液を綿棒に含ませ、ピックアップレンズを入念に拭いた上、改めてCDをセットしたところ、無事認識され再生も問題なくできたことから、そのまま手元に置くことにした。
その他、4+1バンドのグラフィックイコライザーは利いているものの、+1に当たるバンドでサブウーファアー帯域「DODECA ZONE」を増幅すると顕著な音割れが生じる。
これに関しては、同機に搭載されたサブウーファーのエッジはほとんど経年劣化を被っている、との情報に接していたので、おそらくそのためだろうとグリルを外してみたところ、案の定硬化して弾力が失われており、軽く指で押しただけで割れ欠けてしまった。
そこで早速サイズを計測し、適当な交換用エッジを選定して注文。
海外からの発送で届くまで一月ほどかかるということゆえ、この交換作業については、部材が届いて実施した後でご紹介したいと思っている。
もう一つ、このサブウーファー、ずっと日光に晒されてでもいたのか、元々は黒いはずの紙製のコーンが脱色して白っぽくなってしまっているので、これも何とかするつもりだ。
こうして一通り機能確認を終え、次はクリーニングである。
youtubeに投稿された上の動画では徹底的に分解してクリーニングがなされているが、そこまでの技術も根気もない当方としては、これから修理に取り組むカセットデッキ部を取り出すに必要なところまでバラし、その状態でできる清掃に留めることとし、サブウーファーのグリルに加え、デッキの窓、本体の天板および前面パネルを外してデッキ部を分離した上、手の届くところを一通りウェスなどで拭いた。
その後、天板はそのままでもデッキ部の分離はできることに気付いたが、これを外したことでクリーニングの成果は大きく上がったので、これはこれでよかった。
また、スピーカーユニットとデッキ部のテープをセットするスペースにも少なからぬ埃の堆積が見られたため、前者はねじ留めを外して払い、後者は二液からなるクリーニングキットを購入して修理の前にまず除去しておいた。
もう一つ、上面のCDトレイの窓(蓋)の外れることに気付き、これは少量の接着剤で留めたことも付記しておこう。
このようにして長年に亘って蓄積された汚れを落としたところ、上部のハンドル(持ち手)にはやや擦り傷が目立つものの、全体的には見違えるほど綺麗になり、これを1800円で購入できたのは儲けもの、という気分に暫し浸ることができたのだが、次に手掛けたデッキ部の修理に、底なしの泥沼が口を開けていたのだ。