蓼科高原日記

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石油ストーブの点火不調とから焼き

この秋から、薪ストーブに代わって石油ストーブを主暖房装置としているが、うまく点火しない事象に度々見舞われるようになった。

 

当方で使用しているコロナRX-2221Yの点火は電池式(わざわざ断るまでもなく、現在ほとんどの機種がそうだろうけれど)で、操作はボタンを押すだけでいいはずなのに、芯になかなか火が乗らないのである。

 


はじめはこのようなことはなく、速やかに点火したのだが、それがそういかなくなり、次第に症状が悪化してマッチを使うことも多くなってしまった。

 

一体原因は何だろう――と、電池を抜いた上で燃焼筒を外し、点火ボタンを押して芯を上げたところ、ヒーターの当たる部分が大きく欠けてしまっているではないか――と一瞬思ったものの、欠損にしては縁の形がきちんとしているので取扱説明書を確認すると、これは元々そのような仕様であることがわかった。

 

20221210-石油ストーブの点火不良

 


その確認の際、芯に煤などが付着すると点火しにくくなることがある――との文言があったので、今一度芯に目を向けると、なるほど煤らしい黒いものが見えた。

 

とはいっても、ほんのゴマ粒ほどのごく小さなもので、本当にこれが原因なのだろうかと思いながらも一応取り除き、燃焼筒と電池をセットして半信半疑で点火ボタンを押したところ、あっさりと火が起こった。

 


少々呆れながらも、ともあれ問題は解決して一件落着と思いきや、それも束の間、確かに一旦は芯に火が乗ったものの、それが一周ぐるりと全体に回った途端にふッと消えてしまったのである。

 

何度かボタンを押し直してみたが結果は同じで、この時はマッチに切り替えてもなかなか点かなかった。

 

 

 

 


そこで今一度取扱説明書を眺めたところ、変質したり不純物を含んだりした不良灯油を使用すると、カーボンやタールが芯に付着して点火や燃焼に不調を来たすことがあるという。

 

そのような灯油を使った覚えはないものの、症状としてはまさにこれなので、では対処法は――と見ると、灯油タンクを空にした状態で燃焼させ、消えるまでそのまま置く――と記載されており、これを「から焼き(空焼き?)」というそうだ。

 

つまり、燃えにくい不良灯油を強制的に燃焼させてこれを除去するのだろう。

 


そこで、いつもは残量計を見て灯油の残っている内に給油しているのだが、これを見送ってそのまま鎮火するまで放置してみた。

 

その結果、今までの苦労は何だったのだろうと思うほど簡単に点火し、しかもその火が実にスムーズに大きくなった。

 


ということは、やはり原因は不良灯油だったらしい。

 

ただ、先にも書いた通りそんなものは使った覚えはなく、ではどうしてだろう――と考えているうち、一つの可能性に思い至った。

 

去る五月の終わりにこのストーブを収納する際、タンク内の灯油をきちんと抜き取ったことは以下の記事に述べた通りだが、芯に含まれていたものがそのまま残って劣化し、この冬の事象を惹き起こしたのではないかということである。

 

lifeintateshina.hatenablog.com

 


しかし、以前石油ストーブを使用していた時にはから焼きなど意識したこともなく、それでも何ら問題は生じなかったことが不思議となる。

 

こちらについては、もう数十年前のことなので記憶があやふやなのだが、もしかしたら時折給油を忘れて灯油が切れてしまい、意識せずにから焼きを行っていたのかもしれない。

 

もう一つ考えられるのは、当時は平地に住んで夏季はかなり暑かったため、収納している間に芯に残った灯油は気化して飛んでいた可能性もある。

 

その時に比べ、ここではストーブを仕舞うのは遅く使い始めるのは早い――すなわち収納期間はごく短く、気温もずっと低いので、芯に残った灯油が不良化して今般の事象を惹起したのではなかろうか。

 


実際のところどうなのかははっきりしないが、ともあれ問題は解決したので良しとしよう。