蓼科高原日記

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Technics(テクニクス) SU-8055のクリーニング(水洗い)

※以下にご紹介する「アンプの水洗い」は、前記事にも書いた通り、対象となる機器は固より、周りの事物、さらにはそれを実施する人体にまで危害を及ぼす危険性を孕んだ方策であり、筆者としてはこれを人に勧める意図は毛頭なく、仮に本稿の内容に倣ったことを実施されて不利益を蒙ったとしても、如何なる責も負いかねることを改めて明に注記しておく。

 


アンプの水洗いという荒業を行うに当たっては、本来なら安全のためコンデンサの放電はしておくべきで、そのためのツールを作ろうかとも思ったのだが、容量的にさほど大きいものではないようだし、それに一旦実行を決意すると早くやってみたい気持ちが湧いたことから、電源コンセントを抜いて数日おいた後、実行に踏み切った。

 

ただ、やはり不安は残ることから、危険性を減ずるため電源部のトランスとのコンデンサにはビニール袋を被せ、水が直接かかることのないようにした。

 


使用する洗剤については、3倍程度に希釈したマジックリン様のもの、もしくはガラスクリーナーの使われることが多いようだ。

 

これは、強過ぎる洗剤ではボリュームなどの内部に塗られているグリスまで落としてしまい、つまみを回す際のあのマットな感触を損なう恐れがあるので、敢えて幾分弱いものの方が望ましいという理由からだろう。

 

私は例によってダイソーで購入して手元にあったものを使用。

 


そして、濯ぎは水ではなく、乾燥が速やかに進むようにお湯、それも温度が高過ぎて素子を傷めないよう、37℃のもので行うことにした。

 

 

 

 


さて、当然のことながら、洗浄後は水分を完全に乾燥させることが必須である。

 

そのため、水が部品内の迷宮の奥へ入り込んでしまわないよう、洗剤や水をかけるのは基本的に水平面に対して上方からのみとし、また機体を横にしたりひっくり返したりしないように、また、濯ぎの水流も抑えめにした。

 

洗った後の水切りも、機体を天地逆にひっくり返すことはもちろん、必要以上に傾けないよう注意したのも同じ理由からである。

 

もう一点、ボリュームなどの稼働部品については、洗剤や水をかけた際、つまみを操作してそれらが接触部にしっかり行き渡るようにすることも大切である。

 


心掛けたことは以上の通りで、手順としては至極単純、洗剤を噴射し、お湯で濯ぎ、タオルで水分を拭き取った後、十分に乾燥させる――というものだ。

 

元々の計画では、洗剤を噴射した後、それを馴染ませるためにも筆で刷こうと考えていたのだが、当方の使用した希釈洗剤では全く泡が立たず、馴染ませる必要もまた意味もなさそうだったことから省いた。

 


こうしてアンプの水洗いを実際に行ってみた結果だが、くすんでぼやけた感じだった基板は素子を含めてくっきりと焦点の合った見た目となり、ボリュームをはじめとする各種つまみとボタンの操作感も、元々幾分あった引っ掛かりなどが解消して至極滑らかになった。

 

20230203-Technics(テクニクス) SU-8055のクリーニング(水洗い)

 

実際、機体から流れ出た洗剤やお湯はかなりの汚れを含んでおり、これを見ただけでもどれだけ綺麗になったかが類推された。

 


そしてより重要な、ガリなどの解消、機能の正常化が果たして実現したかという点については、水分の残った状態で通電してショートなどの致命傷となっては元も子もないので、数日間、乾燥の時間を十分においた上で確認した上、結果如何に関わらずご紹介しよう。