蓼科高原日記

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時刻表収集―点から線へ

近年の鉄道時刻表を一冊買ったところ、そこに掲載されている路線図のあまりの疎らさに寂しい気持ちになったため、東海道新幹線開業直後、1964年10月号の復刻版を追加購入し、続いて記念すべき時刻表創刊号の復刻版、当時日本の統治下にあった満州・朝鮮・台湾・樺太の鉄道に関する情報も記載されたそれも手に入れたこと、さらにこの時系列に沿っての収集と並行して、ヨーロッパおよび中国、満州朝鮮などの時刻表も入手したことは既述した通りである。

 


これにより、時代や地域を超越した空想旅行とともに、昔実際に行った旅を追想することも一応可能となって一旦は心が落ち着いたのだが、改めて手元に来た日本国内版時刻表の発行年を古い順に並べてみると1925, 1964そして2021、それぞれの間が空き過ぎていることは否めない。

 

特に、私がよく旅に出た時期が欠けているため、果してどこまでかつての追想を忠実に再現できるだろうかとの疑念が胸に蟠ってきた。

 

また、このところ急速に関心の高まってきた、鉄道路線網の発展・充実そして衰退といった流れを捉えることも難しい。

 

これらはどちらも、絶対に解消しなければならない類の欲求ではないものの、一度心に湧いてしまうと例によって次第にその力が増していき、抑えがたいまでになってしまったことから、またもやオークションなどで古書を物色し始めることとなった。

 


例によって、当然希少価値などは眼目とせず――というより、むしろ価格が上がるのでそのような品は避け、個人的に頻繁に旅行した1980年代後半から1990年代初めにかけての、主に価格の安い何冊かのセット商品に注目していたところ、幸いすぐに目ぼしいものに出くわし、ぽつぽつといくつか購入した結果、短期間の内に以下の画像の如きラインナップとなった。

 

20230418-時刻表収集―点から線へ

 

希少性に拘らなかったのは本当なのだが、この中には国鉄の分割民営化後初となる1987年4月号をはじめ、その分割民営化を挟んだ二冊の復刻版、さらにJTB(日本交通公社)の通巻999号と1000号が図らずも入ってきた。

 

また、画像の通り1980年代の時刻表も含まれており、残る1990年代初めのものも既に購入して到着を待っているところなのである。

 


こうして空想旅行に続いて追想旅行の準備も整ってしまうと、残るいま一つの課題(?)である鉄道の発展や衰退の変遷を辿ることにも対応したくなるのが人情というもの。

 

しかしながら、古書市場を眺めた感じでは、1970年代以前のオリジナルものはやはり一気に値が上がるようで、なかなか入手できそうもない。

 


ただ、「戦前・戦中編」「戦後編」といった復刻版セットが過去にいくつか刊行されたものの、既に絶版になっていることを知ったので、これらについても古書市場に出回るのを気長に待ちながら、鉄道黎明期からの栄枯盛衰を辿れるだけの資料を集めたいと思う。