蓼科高原日記

音楽・本・映画・釣り竿・オーディオ/デジタル機器、そしてもちろん自然に囲まれた、ささやかな山暮らしの日常

万難を排して函館へ

天気予報が的中し、北海道旅行に出る前日の午後から大雪となってしまった。

 

夕方の時点で既にまとまった積雪、このままでは翌早朝に車を出すことは無理と予想されたので、夜に市街地へ下りて一晩を過ごした上で列車に乗ることにした。

 

ただ、鉄道の乱れも大いに懸念され、果たして出発できるかどうかという不安も強く、どこであれ恐らく眠れないだろう。

 

そんな状況で宿を取るのも些か勿体ない気がしたことから、ネットカフェ「快活クラブ」を利用することにして宵に家を出た。

 


別荘地内は固より、公道も完全な雪道と化している中、時速30km以下で慎重に走行。

 

途中、車のフロントガラスが酷く曇り、これを除こうとワイパーを作動させたらこれが裏目に出てまったく見通しが利かなくなってしまったため、ハザードランプを点けて停車させ、後続車などに注意しつつ外へ出ると何と道の真ん中、慌てて車内に戻り路肩へ寄せ、あいにく持ち合わせていなかった雑巾の代わりにハンカチなどでフロントガラスを拭くなどして曇りの治まるのを待ち、どうにか視界を確保した後に再発進した。

 


快活クラブでは鍵付完全個室が空いていたのでそこへ入ったものの、案の定翌日のことが気になってほとんど一睡もできないまま、折に触れて天気予報や鉄道の運行情報などを見ながら時間を遣り過ごした。

 

雪は気温が高く予想されたほど積もらなかったので、これなら大丈夫かもしれないとは思いながらも、念のため時間に大きな余裕をもって駅へ行っておこうと快活クラブを後にしたのだけれど、駅に着いて目にしたのは、無情にも我が列車をはじめ午前中の特急がほぼ運休となったとの掲示だった。

 

原因は湿った雪による線路内への倒竹、前夜に発生して列車を停め、多くの人を車内に閉じ込めたこれがまだ解消されていなかったのである。

 

 

 

 


駅員の話では、上り列車は今後運行されるにしても当面は不通区間を挟んでの折り返し運転となり、東京へ辿り着けるのはいつになるかわからないとのこと。

 

それよりも、反対に長野へ出て北陸新幹線に乗り、大宮で東北新幹線を捕まえるのが得策だろうと親切に時刻表を調べてくれ、その結果、元々予定していたはやてに間に合うことがわかったので、この策を採ることにして下り列車の到着を待った。

 

しかし一部区間不通による上り列車ダイヤの大きな乱れは下りにも影響しないわけはなく、もうこれ以上時間的余裕はないというのに予定時刻を過ぎても列車の姿は見えない。

 

結局十分以上遅れて到着した列車に乗ったのはいいが、悪い時には悪いことが重なるもので、間もなく踏切故障で想定外の停車があり、続いて他線からの乗り換え客待ちも発生。

 

出足からこの調子では、長野で乗るべき新幹線には到底間に合うまい――と正直ほとんど諦め、さて以後の旅行をどうしようかと開き直って考えながら比較的落ち着いた気持ちで乗り続けたところ、不思議と更なるトラブルは生じることなく長野駅に到着した。

 

急いで新幹線乗り場へ向かい、東北新幹線へと橋渡ししてくれるはずのあさま号に飛び乗った。

 

このあさまにも若干の遅れが生じたものの、そこは何と言っても新幹線、大宮に着くまでにはそれも取り戻して、本来は東京から乗るはずだったはやての到着を待ちその乗客となることができた。

 

20250407-東北新幹線はやて(1)

 


それにしても速い。

 

遥か以前のこれも学生時代、ヨーロッパを列車で周った際にフランスのTGVでパリから一気にスイスへ入ったことがあるけれども、当時の営業最高速度は300km/hに達していなかったように思われるので、今回のはやてが私にとっては最速列車だと思う。

 

その感慨は確かに少なからずあったものの、如何せんさほど長続きはせず、やがては一瞬で後方へ飛び去る車窓の景色にも正直飽きが来てしまった。

 

もっともこれには、前日からの心身両面に亘る疲労と睡眠不足も強く影響していたことは間違いない。

 


今般の旅で往路に列車を使った理由の一つ、青函トンネルの通行も同様で、そこへ入ったとの車内アナウンスを耳にし、電光表示板にテロップとして流されるトンネルの説明を眺めている間の気分の高揚は一時的なものだった。

 

20250407-東北新幹線はやて(2)

 

しかしともあれ、新たな経験を積んだことは間違いなく、後日の追想のいい種とはなってくれるだろう。

 


新青森までと、そこから新函館北斗までを変則的に別のきっぷで乗車したため、新函館北斗駅の改札窓口でその旨を伝えて処理してもらうとともに、函館までの乗車券を購入。

 

既に入線していた快速はこだてライナーに乗り込み、午後3時半、色々な意味で長い長い道程だったが、計画通りに初日の目的地である函館へ辿り着いた。