先月、台湾へ旅行してきた。
思い返すと、海外へ出たのは2001年にモルディブへ行って以来なので、実に四半世紀ぶりのことになる。
去年の春の東北を皮切りに今春の北海道まで、日本国内をあちこち回った流れを受け、次は九州か沖縄かと当初は考えていたのだが、諸外国の我が国に対する評価といったものを鑑みるに、遺憾ながら右肩下がりとなることは不可避と思わざるを得ず、またどの国も都市を中心に均質化が進んでどこへ行っても変わらないような状況が一層顕著になり、個人的には旅の面白みが急速に薄れそうなことから、一つ今のうちに行っておこうと思い立ったのである。
この一年間にした旅行は概ね周遊、すなわち一ヵ所に留まったり、何処かや何かをじっくり観るのではなく、移動に多くの時間を費やす形態だった。
もちろんこれはこれで面白いものではあったけれど、さすがに些か食傷を感じ始めていたので、今般は少し滞在と観光の比重を増やすことにした。
とは言え、できるだけ多くの所を訪れてみたいという気持ちが消えるわけではなく、都合が良いのか悪いのか、今回の旅行先とした台湾は外縁をぐるりと一周する鉄道を持っている。
そんなことから、今回も例によってその路線を辿りながら各地を訪れる、しかし移動の時間は過度にならないよう抑える――という方針を立て、これに基づいて旅程を組むことにした。
さて、台湾では現在、上に書いた通り在来線が全島を一周している他、日本の新幹線に当たる高速鉄道が西部を貫き、台北―高雄を最速一時間半ほどで結んでいる。
その在来線を走っている列車には特急の自強号、急行のキョ(草かんむりに呂)光号、さらに普通列車の区間車とその快速版である区間快車があるとのこと。
当方、鉄道マニアではないけれども、こう分かるとどうせならそれらすべてに乗車してみたい。
ただ、それに拘ると基本方針にそぐわないことになりかねないので、まあできれば――といった程度に思いながら旅程を組んだのだが、上手い具合に微調整を加えただけでこれを叶える案ができた。
宿泊地としたのは、台北、九分(にんべんに「分」)、花蓮、台東、台南、嘉義、日月潭そして台中である。
それぞれに一泊しながら次へと移動を重ねるものの、上に書いたように移動時間はあまり長くならないようにした。
しかし旅行を実施した結果から言うと、それでもかなりきついものとなってしまった。
これには台湾へ入るまでの道程が長くなって疲労を来たしたことに加え、彼の地の風土病ではないかと思われる風邪にやられたことも大きく影響したことは間違いない。
その辺りの事情も含め、今般の旅についてもつらつらと記していきたい。