蓼科高原日記

音楽・本・映画・釣り竿・オーディオ/デジタル機器、そしてもちろん自然に囲まれた、ささやかな山暮らしの日常

鹿港老街・摸乳巷を訪ね、台中へ

日月潭で目を覚ますと、台湾滞在も残り二日である。

 

咽喉の痛みはほとんど気にならなくなったものの、心身の怠さはまだ消えない。

 

それを紛らわそうとの思いもあり、早朝に起きて散歩がてらまた日月潭の畔へ行き、その光景を暫し眺めて心に留めた。

 


今日は台中を目指して移動する。

 

前日は遊覧船で湖を渡ったが、この日はまず湖岸を辿るバスで対岸へ戻り、続いてそこのターミナルから出る台湾高速鉄道(高鐵)台中駅行のバスに乗車した。

 

ともに観光色の濃く感じられるバスながら、地元の人の足としても大きな役割を果たしているらしく、途中の停留所での乗り降りも少なくなかった。

 


九時過ぎ発のバスに乗車して十時頃に埔里に到着。

 

できれば下車して町を歩いてみたかったものの、またの機会にと今回は見合わせて乗り続け、十一時少し前に高鐵台中駅に着いた。

 

この日の、そしてこの旅行最後の宿は台鉄台中駅近くにあり、バスはそこまで行くのだけれど、古い町並みを残しているという鹿港を訪れたく、それにはここ高鐵台中駅で別のバスに乗り継ぐ方が効率がよい。

 

 

 

 


主要駅のバスターミナルとあってそれなりに広く、自力で鹿港へ行くバス探すのは大変そうだったので、素直に駅構内の案内カウンターで乗り場を尋ね、15分ほど待った後、またバスに乗車した。

 

その際、EasyCardがエラーを吐いたが、運転手が親切にカウンターへ持って行ってリセットしてくれ事なきを得た。

 

先のバスの降車時、改札機に二度かざしてしまったためだろう。

 


このバスにも一時間半強揺られ、目的地に近づくとまたGoogleマップを眺めながら降車場所に悩んだが、今回は老街へアクセスするのに適当な停留所を上手く選ぶことができた。

 

時刻は午後一時、相変わらず食欲はあまりなかったが、何か少し腹に入れておいた方が良いだろうと、その老街の入り口にある店で「鹿港ケーキ」2個約100円を購入。

 

20250726-(1)鹿港1

 

それに先立ち、誰もいない時に店の前に立ってどのように作るのかを眺めていると、数人がやってきてこっちを押しのけるように注文され、仕方なしにその後ろについたところ、少し間隔を空けていたいたらそこへまた何人かが割り込もうとして来た。

 

このままではいつ順番が回って来るかわからない気がしたため、それを許さず無事買えたのだけれど、向こうには別段悪気があったわけではないらしい。

 

というのは、代金を払うときに誤って小銭をいくつか落としてしまったのを、拾って笑顔で渡してくれたからである。

 

しかしながら、やはり漢民族というべきか実に図々しい輩にも何度か遭遇、それらはいずれも私より一世代上の、戦後大陸から渡って来たと思われる連中だった。

 

因みに、鹿港ケーキは具のない今川焼きといった感じのもので、素朴で良い味だった。

 


鹿港老街は500mほどのメインストリートとそれに並行するもう一本の路からなっていると思われ、その両方をゆっくり歩いても30分を要しなかった。

 

平日だったせいもあろうか、十分や九分、奮起湖のように人が溢れてはおらず、立ち並ぶ店も幾分寂しさを漂わせていた。

 

しかし個人的にはこの方が好もしく、心の琴線に触れるもの少なくなかった。

 

20250726-(2)鹿港2

20250726-(3)鹿港3

 


次いで、この地での目当てとしていたもう一つの場所、摸乳巷へ向かった。

 

途中、バイクだったかスクーターだったかの後ろに客車を引いたドライバーに声を掛けられたが、大した距離ではないし歩いて町並みを眺めたかったので手を振って断った。

 

「摸」はさわるという意味らしく、摸乳巷とはその名の通り、すれ違う時に乳に触れてしまうほど狭い小路である。

 

これは本当なのだろうか――との期待から(?)自ずと早くなりがちな足を運ぶと、目も冴えていたのかその入り口を示す表示板がすぐ見つかった。

 

向こう側を透かして見ると、なるほどという感じである。

 

20250726-(4)摸乳巷

 

逸る気に急かされて早速足を踏み入れ、果たして向こうからやって来るのはどんな……と想像(妄想)を膨らませたのだが、わずか50mほどの短い小路、誰も現れないうちに反対側に出てしまった。

 

見回してもこちらから入ろうとする人影はなく、未練がましく今来た方を振り返り、暫し佇んでみたものの、これも空頼み。

 

ここは人出の多い時に訪ねたかったかもしれない。

 


宿のある台鉄台中駅行きのバスにはどこから乗ればいいのかはっきりしなかったが、スマートフォンに入れた「地球の歩き方・台湾」の地図にバスターミナルが見えたので、ともかくここへ行ってみることにし、その途中の九曲巷という路地も折角なので通ってみた。

 

上の判断は正解で、無事バスの乗客となることができ、またしても短くない時間揺られて台中駅に着いたことは着いたのだけれど、そこは高鐵の台中駅だった。

 

しかし両駅は鉄路で結ばれており、この間を列車で移動して目的地に至ったのも悪くなかった。