東南アジア6ヵ国を巡ってきた。
期間は40日あまり、個人的にこれまでで最長の旅となった。
去年一年、そして今年の冬と日本国内を北から西まで歩いたことが序奏(助走)となり、この五月に台湾を訪れたことで弾みがついた感じである。
もっとも、その台湾行きを計画している時、既に今回の旅行も頭の片隅にあり、航空券だけは予約しておいた。
旅の眼目に据えたのは、例によって東南アジアをぐるりと周ることである。
初めはこの方面のビギナーらしく、タイのバンコクを起終点にしようと考えたのだが、これだとマレーシアを訪れるのにマレー半島を往復することとなり、日程を筆頭にいろいろ負荷がかかり過ぎる。
そこで、大まかなルートを検討した末、フライトはシンガポールへ入ってハノイから出るというオープンジョーとした。
利用した航空会社は、行きがZIPAIR、帰りはVietjet Air(ベトジェットエア)である。
前者についてはZIPAIRのウェブサイトから直接予約したが、ベトジェットの方はサイトの作りが何とも安っぽく信頼感に欠け、カード決済ができなかったといったトラブル情報も散見されたことから、Trip.comを通して予約を行った。
こちらはこちらで中国の企業という一抹の不安はあったのだけれど、日本で旅行業者としての登録もされているし、レビューなどを眺めてみても評判は悪くないので大丈夫だろうと判断。
追ってご紹介するが、ここを通じて購入したSIMカードで問題が起こった際にも概ね満足できる対応を受けることができたので、この判断は誤りでなかったように思う。
計画の次のステップは、向こうでの交通手段と宿泊地の選定である。
国内旅行と同じく、当初は基本的に陸路を辿ろうと考えたのだが、これだと一泊だけしてすぐ移動の繰り返しとなり、四十日の長丁場は気力体力ともに持ちそうもなかったことから、適宜空路も取り入れることに方針を変え、上にも書いた東南アジアを一周するという旅の眼目と日本からの着発地を念頭に置いた上、心を惹かれる土地を取捨選択した結果、次の行程を案出した。
そこからタイへ飛び、やはり北へと縦断する形でチェンラーイへ至り、ラオスへ入国。
ラオスではファイサーイからスローボートでメコン河を下りルアンパバーン、そこからヴィエンチャンへ。
一旦バンコクへ戻ってカンボジアのシェムリアップを目指し、プノンペンへはバスで国土を横断。
続いてバスで陸路ベトナムのホーチミンへ入り、そこからは二つのフライトでハノイへと至るが、一部区間にはバスと列車を使う。
宿泊の予約についてはかなり迷った。
はじめは序盤の数日分だけ確保しておき、あとは向こうへ渡ってからとも考えたのだが、何分初めて訪れる土地、果して宿は豊富にあるのか、料金はどれくらいなのかといった不安疑問から調べてみたところ、これならというものがぽつぽつと目に入り、取り敢えず抑えておこうと予約、では次の予定地はどうだろう……と繰り返しているうち、結局全日の予約を済ませてしまった。
些か窮屈な感じは否めなかったが、フライトはもちろん、列車やバスの予約を考えると、自然日程の確定が必要となるわけで、これはこれで仕方なかろうと自分に言い含めた。
もう一つ悩んだのが保険である。
海外旅行、しかも今回はそれなりに長い旅なので、無保険では不安を禁じ得ない。
しかし40日を超える行程をカバーしてくれる保険はほとんどなく、辛うじて見つけたものもその料金を考えるとすぐに申し込むのは躊躇われた。
何かいい手はないか―と思い巡らし、クレジットカードの付帯保険はどうかと確認したのだが、年会費無料のカードではやはり心許ない補償内容だった。
では年会費を要するものなら―と、先ずは既に一般のものは保有している楽天カードについて調べてみたところ、ゴールドの上のプレミアムカードには個人的に十分と思われる旅行保険が付いており、しかもプライオリティパスを通じて空港ラウンジを一年に5回利用できることを知った。
これらを考えれば、11000円という年会費は十分以上に見合うだろうと判断、既存のカードを切り替える形で申し込みを行った。
そんなこんなで旅がだいぶ現実味を帯びてきた矢先に飛び込んできたのが、タイとカンボジアの間で紛争が勃発したとのニュースである。
初めの衝突では国境の開門時間が短縮されるに留まったものの、その後紛争が拡大して陸路国境がすべて閉ざされてしまった。
この事態でタイのアランヤプラテートからカンボジアのポイペトへ抜けようとの計画は頓挫し、さらなる事態の悪化となれば両国へ入ることも難しくなるのではないかという懸念も生じて来たのだが、アメリカの仲裁により幸いそのようなことにはならずに済んだ。
これに関してはトランプに感謝である。