ダイソー300円スピーカーの改造については、既に多くの方がさまざまなことを実践され、その情報がネット上に公開されている。
たとえば、ティッシュの箱や段ボール、さらにはより本格的に板材でエンクロージャーを作成したり、電気系統の強化として導線やコンデンサーなどを高品質・高機能なものに替えたり、内蔵のアンプを撤去してパッシブ・スピーカーに変更する……等々。
そのような状況下で、さて自分は何をしようかとなると、些か逡巡の気持ちを覚える。
もちろん、色々と参考にさせて頂きたいとは思うけれど、全く同じことをするのも芸がない。
そこで、本当に音質の向上が得られるかどうかは一先ず措き、自分で「良いだろう」と思う対処を施してみることにした。
仮に結果が思わしくなくとも、それを公開すれば「非成功例」として多少なりと世の役に立つはずだ。
もう一つの思いとして、いたずらにあれもこれもと手を付けて収拾のつかなくなる事態を避けるため、基本的な方針として、「極力費用をかけない」ことにした。
また、このことからの必然的帰結でもあるが、「元々製品が具えている部材・機能はそのまま利用」する形をとる。
では、具体的に何をなすべきか――
先に「ダイソー(DAISO) 300円スピーカー」に書いた通り、このスピーカーの音質上の主な問題点は次の二点である。
・高音が燥ぐ
・低音が貧弱
従って、単純に考えるに、これらを改善するための処置を行えば良いわけで、それは一体?――と来ると、私の頭に浮かんだのはそれぞれ次のものである。
・エンクロージャーの質量を増すとともに、吸音材を入れる
・バスレフ・ポートからの音を増幅するホーンを付加する
前者については、これも先の記事で述べたように、スピーカーを上から軽く押さえつけると、無駄な振動が抑制されて高音が落ち着いた経験に基づくもので、後者に関しては、いくつかの低音増強策をネット上で目にして、その応用――というか変形――として思いついた。
そして、さらに具体化を進めた結果、材料としては次を用いることにした。
・質量増加材:粘土、吸音材:わた
・ホーン材:ペットボトル
これらの内、私にとって改めて購入を要したのは「わた」だけであり、基本方針にしっかり則っていることを断っておこう。
実のところ、吸音材としては古布を用いることも可能と考えたのだけれど、何故か、「それは絶対にわたにすべきだ、」という心の声が頭に響いてきて消えないため、敢えて新規に調達することにしたのである。
これもダイソーさんにて100円(税抜き)で購入。
これで準備は整った。
実行編は次回に送る。