蓼科高原日記

音楽・本・映画・釣り竿・オーディオ/デジタル機器、そしてもちろん自然に囲まれた、ささやかな山暮らしの日常

蟻の侵入

午後、一週間ぶりに日が差した。

 

長く暗い景色に閉ざされていたので、目を愉しませようと障子を開けて外を眺めていると、視野の下縁に何か黒いものが動いている。

 

そこで目を下へ向けたところ、敷居の上を蟻がぞろぞろと這い回っていた。

 


何分山の中の家なので、蟻はもちろん、さまざまな虫が入り込むことは別に珍しくもないのだけれど、これほどまとまって(数十匹程度)出現したのは初めてのことである。

 

ともかくこいつらを排除せねば――と思ったものの、無益な殺生をするのも些か気が引けたので、先ずは窓を開けて息で外へ吹き出そうとしたのだが、何の未練があるのか、踏ん張ってなかなか飛んでいかない。

 

頭もくらくらしてきて、これでは埒が明かないため、不本意ながらガムテープで一網打尽に押し潰した。

 


ところが、やれやれと思ったのも束の間、目を他へ向けてまた戻すと、再び前の状況が復元しているではないか。

 

どこか隙間があって、そこから湧いてくることは間違いなく、目を凝らしたところ、柱の根本にちょっと見ではわからないほどの僅かな間隙を発見した。

 

実は昨日、ある用途のため木工用ボンドを購入した後で、より良い接着剤が見つかったことから、無駄な買い物をしてしまったと少々悔やんでいたのだが、これが思わぬことに役立ってくれたわけだ。

 


しかし、これで一件落着とはいかず、しばらくすると、先ほどに比べれば数はずっと少ないものの、またもやちらほらと蟻が出てきた。

 

そこでさらに入念に調べると、窓枠とサッシの間にも隙間があり、ここへもボンドを充填して塞いだ(盛り過ぎかも……)。

 

20210710-隙間塞ぎ

 

どうやら、木材が痩せて生じてしまったらしい。

 

強風の吹いている時、障子紙がカサコソと音を立てることがあり、これは窓ガラスの振動により空気が動かされるためと考えていたのだが、実際は、今般見つけた隙間から風の一端が流れ込んできていたのかもしれない。

 

今後もし障子が鳴らないようなら、まずそれに間違いないだろう。

 


Keith Jarrett「Somewhere」
01.Deep Space/Solar
02.Stars Fell on Alabama
03.Between the Devil and the Deep Blue Sea
04.Somewhere/Everywhere
05.Tonight
06.I Thought About You

 

20210710-Somewhere

 

Billy Holiday「Songs For Distingue Lovers」
01.Day In, Day Out
02.A Foggy Day
03.Stars Fell on Alabama
04.One For My Baby (And One More For The Road)
05.Just One of Those Things
06.I Didn't Know What Time It Was

 

20210710-Songs For Distingue Lovers