蓼科高原日記

音楽・本・映画・釣り竿・オーディオ/デジタル機器、そしてもちろん自然に囲まれた、ささやかな山暮らしの日常

スピーカー BOSE 121WB(WestBorough)―機種選定から入手まで

ちょうど一年前、最廉価モデルながらJBLのスピーカーを新品で購入した。

 

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これが大きな一因となってかつてのオーディオ熱が再燃し、その四ヶ月ほど後にはタンノイ(TANNOY)のRevealというニアフィールド・モニターを、こちらは中古で入手した。

 

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こうして米欧の二大ブランドの製品が我が物となり、少なからぬ幸福感に包まれたことは確かなのだが、同時に心の片隅には、ここまで来たのだから、これらJBL, TANNOYに比肩、あるいは肉薄する名を冠したスピーカーも聴いてみたい――という思いがずっと蟠っていた。

 


個人的なことを言うと、私のオーディオに関する知識は、はじめてこの世界に興味を覚えた1980年前後の状況が基本となっており、そこから出てくる、上に該当するスピーカーブランドの名前は、アルテック(ALTEC)、エレクトロボイス(Electro-Voice)、そしてボーズ(BOSE)といったところだ。

 

ここでヨーロッパのブランドを一先ず措いたのは、既に手元に、TANNOYに加えてALR Jordanがあるため、どうせならアメリカ製をもう一つ、と考えたからである。

 

しかし、購入できるのはB級・ジャンク品に限られる現在の当方の暮らし向きでは、アルテックエレクトロボイスなどは到底高嶺(高値)の花で、物色の対象となるのは自ずとボーズに絞られる。

 

そこで同社の手頃なモデルの情報を集めたのだけれど、正直なところ強く惹かれるものは見当たらなかった。

 


強いて挙げれば、私が一旦オーディオから離れた後で一世を風靡した(らしい)「101MM」が目に付いたものの、この製品に対しては極めて高い評価がある一方、「音が粗雑」「味付けが強い」「PA(Public Address)・SR(Sound Reinforcement)用」、といった見解も目立ち、私の音楽への接し方からすると、どうもネガティブ派に入るように思われた。

 

そして外観も無骨過ぎて、食指が動かなかった。

 

いや、実を言うと、何度か購入しようと思ったことはあるのだが、いつも最後の踏ん切りがつかず取り止めてしまったのである。

 


また、よりコンシューマー寄りの101IT(Italiano)は、外観的には好ましく思ったものの、何となく中途半端な感じを禁じ得ず、中古市場における価格も高めであることから、やはり購入には至らずに経過した。

 

いっそのこと少し奢って201, 301を、いやしかし、BOSEと言えばやはり11.5cmのフルレンジだろう……と逡巡の挙句、これらも立ち消えてしまった。

 

 

 

 


そんなこんなを繰り返している時、ふと思い出したことがある。

 

そもそも、かつて私的オーディオ黎明期に目にしたBOSEのスピーカーは、確か11.5cmフルレンジユニットを9つ搭載した901だった。

 

BOSE 901は同ブランドの代表モデルとして、その後も長く改良されながら世代を重ねたわけだが、その系統に属するかそこから派生したダウンサイジングモデルで、趣き・佇まいの似ているものはどうだろう――

 

と、この視座から改めて歴代の製品を見直して知ったのが、120, 121, 125の存在だった。

 

ただ、ここでも120はコーンに施された星形の機構が好みに合わず、残りの二つが最終的な候補として浮上した。

 


そしていつもの通り、手頃なものが出たら――と思いながら中古品市場を見始めたところ、すぐに「これなら」と思えるものに邂逅し、このタイミングの良さもあって遂に最後の一線を越えることとなったのである。

 


今般手にした「BOSE 121WB(WestBorough)」の購入価格は、送料を含めて5千円ほど。

 

本機種は結構値に幅が出るようだが、その中でもかなりの破格であろう。

 

これには理由があって、先のソニー同様「機能未確認」品なのだ。

 

20220406-BOSE 121WB

 

しかし、この機種をはじめ、BOSEのスピーカーは「高耐久性」が大きな売りの一つと言われるし、実際、中古品でも「音が出ない」と注記されたものはほとんど見かけないので、まず大丈夫だろうと踏んで購入したのである。

 


と言っても、やはり実際に出音を確認するまでの不安は否定しようがない。

 

その確認結果については追ってご紹介しよう。