「時間封鎖」「無限記憶」「連環宇宙」からなる時間封鎖三部作で知られるカナダのSF作家、R.C.ウィルスン(Robert Charles Wilson)の、これらに先立つ2001年に発表された長編SF小説。
といっても、個人的には同三部作は本棚に並んでいるものの未読で、この作家のものとしては初めて読んだ作品だ。
ウィルスンは1953年生まれ、bibliographyによるとそれほど多作ではなく、特に近年はほとんど新作を出していないようだが、これにはかなりの長編を主として書いていることも影響しているのだろう。
「クロノリス─時の碑─」のストーリー概略は画像の裏表紙をご参照頂くとして、個人的な感想を述べると、読み始めてしばらくは、SF小説としては家族とのエピソードの描写がくどすぎるように感じた。
しかしながら、本作も文庫版で500ページに垂んとする大作、時間的にも数十年に亘る物語であり、その家族関係がある意味骨格となっていることに気付いて、なるほどと納得。
終盤に至ると、落としどころは薄々予想されては来るものの、全体の緻密な構成と、その種である斬新な発想が輝き続け、最後まで飽きることはなかった。
現在のような社会情勢の下、しかも梅雨の最中、無理に外へ出ずに家の中で本を読んだり、音楽を聴いたりして過ごすのは実によい。
今日は雨の一日。
気温が12℃までしか上がらず、少し肌寒さを覚えたので、セーターを一枚重ねた。
紀州へら竿のブログへ、「瑞雲 闇からす 高野竹 11.6尺 口巻 綿糸握り」を投稿。
charmedbybamboorod.blogspot.com
外の景色にマッチした、しっとりした風情のアルバムを二枚聴いた。
Helen Merrill「The Nearness Of You」
01. Bye Bye Blackbird
02. When the Sun Comes Out
03. I Remember You
04. Softly, as in a Morning Sunrise
05. Dearly Beloved
06. Summertime
07. All of You
08. I See Your Face Before Me
09. Let Me Love You
10. The Nearness of You
11. This Time the Dream's on Me
12. Just Imagine
Kenny Dorham「Quiet Kenny」
01. Lotus Blossom
02. My Ideal
03. Blue Friday
04. Alone Together
05. Blue Spring Shuffle
06. I Had the Craziest Dream
07. Old Folks
08. Mack the Knife