DIATONE DS-66EXのウーファー・エッジに軟化剤を塗布してから24時間が経過した。
およそこの時点で最大効果が出るということだったが、期待した劇的な改善は遺憾ながら見られていない。
恐らく、ビスコロイドの状態が相当悪くなっていたのだろう。
再度軟化剤を塗ってみたいところだが、その前に、より深刻な症状であるエッジの破れを補修することにした。
これもまた、可能なら現在手元にある資材で済ませる方針だ。
当初、1.5cmほどの破れを見つけた時には、そこへ直接、接着剤を補填する形で置けばよいだろうと考えていたのだけれど、音出しにより何か所かに新たに長いものが生じてしまったため、補助剤としてテープのようなものを当てる対処が必要となってしまった。
その資材として初めに頭に浮かんだのは、エッジがクロス(布)製ということもあり、ガーゼだった。
しかし、これでは目が粗すぎる嫌いがあり、他に適当なものはと考えて思い至ったのが、現在、どの家にも必ずあるであろう、マスクの不織布の流用である。
そこでマスクの縁をハサミで切ってみたところ、三枚のシートが得られた。
最初はこれらを接着した上でエッジに当てようかと考えたものの、それでは厚さと重さ、それに接着剤が乾燥した際の剛性が大きくなり過ぎるように思い、逆に外側の薄いものだけでも強度的には十分な様子だったので、これを細く短冊状に切って使用することに決めた。
手元にある接着剤は、セメダインの木工用ボンドとコニシG17の二種。
エッジの役割からして、乾燥後も柔軟性を具えていることが望ましく、この点ではG17が適当なのだが、このボンドは油性でやや扱いにくく、また十分な強度を得るには接着面双方に塗らねばならないことが少々ネックだった。
片や木工用ボンドは、乾燥後にそれなりの硬度を持ってしまうというのがやや気掛かりではあるが、紙に塗って確かめたところでは、確かに弾力性はないものの、曲げに対する軟らかさはもっており、DS-66EXのしっかり目のエッジ破れを補強する材としては問題なさそうだった。
それに何より、水性で取り扱い易く、万一処置に失敗した場合もやり直しができそうだったことから、こちらを使うことにした。
先ず準備として、不織布のカット。
初めにハサミで切ってみたけれど、今一つ切れが良くない。
そこでカッターを使用したところ、こちらはすぱッと爽快にカットできた。
後は特にご説明するまでもないだろう、上で作ったテープに筆で木工用ボンドを塗り、エッジの破れを覆うようにそこへ貼付するだけである。
こうして処置を終えたDS-66EXは以下の通り。
何とも痛ましい姿ではある。
しかし、サランネットを装着すれば隠れてしまうのだから、あまり気にすることもないだろう。
上左部のように、もっとテープを短くした方が、より円弧に沿って若干見栄えが良くなるだろうことは分かっていたのだけれど、テープの重なりを極力抑えた方が機能的には好ましいのではないかと考え、敢えて画像のようにしたのである。
テープの端や重なり部がめくれているように見えるのは画像の上だけで、実際にはしっかり密着している。
このボンドの完全乾燥にも24時間が必要とのことなので、明日まで待ち、視覚・触覚を確認した上で音を出してみるつもりだ。