蓼科高原日記|ささやかな山暮らし

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ダイヤトーンDS-66EXのサウンド・インプレッション

破れを補修した後で二度目の軟化剤塗布を行ったダイヤトーンのスピーカー、DS-66EXのウーファー・エッジは、さらに少し硬化が和らいだようだ。

 

これなら本格的に鳴らしても問題ないだろうと考え、本運用のセッティングを実施した。

 


従来のスピーカーは和室の地袋上に設置しているが、既にスペースに空きはなく、それに何より、1本17kgのDS-66EXを天板に載せるのは流石に躊躇われるので、洋室の床へ置く形である。

 

もっとも、共鳴の問題や高さの関係上、直置きは避けたく、まずはスタンドについて検討し、例によって取り敢えず手元にあるものの中から、レンガを選択。

 

フローリング材はかなり硬質ではあるものの、養生と微妙な位置調整の便宜を考えてフェルト製のパッドを併用することにした。

 

これはダイソーで調達した30枚入りのもので、レンガ底面には四隅と中央、計5枚、スピーカーを載せる上面には両端にそれぞれ1枚ずつ貼った。

 

20210730-DS-66EXスタンド

 

高さ的には、画像の状態から横へ90°回転させた置き方を採りたかったのだけれど、初めこの形にしてみたところ、安定性に不安を禁じ得なかったことから断念。

 

あとはこの簡易スタンドへDS-66EXを載せて、設置は概ね完了である。

 

20210730-DS-66EXセッティング

 

細かな向きの調整は、追って音楽を聴きながら徐々に行うつもりだが、暫定処置として、両スピーカーを若干内側に向けた。

 

フェルトパッドを挟んだのは正解で、スピーカーを少し持ち上げるように力を加えながらずらすことで、微妙な調整ができる。

 

 


以下、ダイヤトーンDS-66EXのざっくりとしたサウンド・インプレッションをご紹介するが、これはあくまで、当方の音楽再生環境および聴覚に基づくものであることを予めお断りしておく。

 

再生システムはシンプルで、次の通り。

 

PC→(ラインケーブル)→プリメインアンプVictor A-X900→(スピーカーケーブル)→DS-66EX

 

そして音源としては、CDからPCへ取り込んだ以下を用いた。

 

Miles Davis「In Person Friday And Saturday Nights At The Blackhawk, Disc 3」
01.If I Were a Bell
02.So What
03.No Blues
04.On Green Dolphin Street
05.Walkin'
06.'Round Midnight
07.Well, You Needn't
08.The Theme

 

20210730-In Person Friday And Saturday Night At The Blackhawk

 

モーツァルト「交響曲 第31番 ニ長調 K.297(300A) "パリ"」
Neville Marriner(cond), Academy Of St. Martin In The Fields
第1楽章 Allegro assi
第2楽章 Andante
第3楽章 Allegro

 


さて、まずジャズを聴いての一番大きな印象は、再生音の分解能の高さである。

 

従来気付かなかった音が自然と認識され、これほどの情報が詰まっていたのかと少なからず驚かされた。

 

ただ、これと関係するのかもしれないが、高域、特に金管楽器の音色が、ややきつく感じる。

 

トランペットの強いブローなども、歪みなくしっかり再現してくれるのだけれど、大音量ではトーンコントロールで少し響きを抑えたいと思う瞬間がある。

 

一方、他のスピーカーではくすみがちなモブレーのテナーが、実に艶やかなのは大きな発見だった(笑)。

 

中域の充実度は、さすがダイヤトーンと言ったところだろう。

 

そして、しばしば「弱い」と評される低域については、確かに、こちらへ迫ってくるような、押しの強い音ではない。

 

しかし、その実の詰まった、伸びやかでクリアな音は、聴いていて実に快い。

 

私の保有する他のスピーカーはいずれもバスレフ型で、今回DS-66EXを選定するに際し、これが密閉型で、その音色がどのようなものかを聴いてみたいという興味もあったのだが、低域における上の特質は、恐らくその一つであろうと思う。

 

試みにトーンコントロールでbassを2dB上げると、まずまず十分と言える量感に達し、+4dBまで回すしたところ、バスレフ型並みの音圧が得られる一方、やや輪郭がぼやけてしまい、密閉型の良さが失してしまう印象だ。

 

昨日、空に轟き渡った雷鳴の再現には、密閉型の方が優れているように思う。

 

この辺りの印象は、エッジがさらなる軟らかさを得ればまた変化するであろうから、それを聴くのが今から愉しみだ。

 

いずれにせよ、27cmウーファーを要するDS-66EXの低音は、質において、私の保有する他の小型スピーカーとは明らかに一線を画している。

 

また、このモデルは、背面の端子板を外してポートの空いた状態にすると、音のバランスは保持されたまま低域の迫力が激変するとの情報も目にしたので、これも機会を俟って試してみたいと思う。

 

そうそう、レンガのスピーカースタンドも、なかなかよく働いてくれていることを記しておこう。

 

 


以上はジャズを聴いての印象だが、一方のクラシックはというと、正直、適性が合っているとは言い難い。

 

特に、今回聴いたようなオーケストラ編成の音源ではそれが顕著であるようだ。

 

これはある意味当然で、そもそもこのDS-66EX、延いてはダイヤトーンの同系列スピーカーの特質は、各楽器の奏でる一音一音を、リスナーにできるだけ鮮明に伝えようとする点にあると思うが、これは数多の楽器による総合的音場の具現を目指すオーケストラ作品とは、方向性を異にするものだからである。

 

クインテット程度の室内楽ならかなり良い音像・音場を聴かせてくれそうだが、弦の柔らかな響きの再現性は果たしてどうだろうか。

 

やはり、輪郭のはっきりした音で構成された楽曲にこそ、真価を発揮するモデルと言うべきかと思う。

 


もう一つ、これは音楽ジャンルに限らず気付いた点として、音量を各楽器本来のレベルに近づけるに従い、それぞれ音像もまた、実際のサイズに向かって大きくなることがある。

 

当方の聴取環境は、両スピーカーの間隔がほぼ3.5m、それらの中間点からリスニングポジションまでは4mであり、生の楽器が奏でるであろう音量では、些か窮屈となってしまう。

 

しかし、これは決してマイナスポイントではない。

 

DS-66EX(およびVictor A-X900)の真価は、余裕のある空間において、ある程度大きな音で聴いてこそ、十全に発揮されるということなのだ。