蓼科高原日記

音楽・本・映画・釣り竿・オーディオ/デジタル機器、そしてもちろん自然に囲まれた、ささやかな山暮らしの日常

Bluetoothスピーカー harman/kardon Onyx Studio

暫くサイドボードの飾りとなっていたBluetooth接続のワイヤレス・スピーカー「harman/kardon Onyx Studio」を久しぶりに鳴らしてみた。

 

これは元々、某大手キャリアのスマートフォン販促の一つ(?)として、「SHARP AQUOS CRYSTAL」とセットで提供された際に入手したもので、当時、初めの内こそbluetoothインタフェースの珍しさからそれなりに使ってはいたのだが、スマートフォンのストレージ容量が十分でなく、手持ちの音源の一部しか取り込めないなどの理由から、やがてお蔵入り状態になってしまった物である。

 

それを改めて鳴らしたのは、何のことはない、このところ新たにいくつものスピーカーが我が家へやってきて、それぞれ特徴ある響きを聴かせてくれていることに触発され、ふと、「Onyx Studioはどんな音を出していたっけ?」と、その存在に思い至ったからだ。

 


The Benny Goodman Story」を再生してみたところ、何とも良い音に耳が驚かされた。

 

20210809-The Benny Goodman Story.jpg

 

直径30cm弱×奥行16cmのボディゆえ、突き抜けるような高音、地に響く低音などはそもそも望んでいなかったが、各周波数帯域に亘り非常に均整の取れた、実に端正秀麗なサウンドがそのコンパクトな筐体から流れ出てきたのである。

 

そこでマニュアルを確認してみると、主な仕様は次のように記されていた。

 

ウーファー:3インチ×2
ツイーター:3/4インチ×2
パッシブラジエーター(PR):×2
バイアンプ出力:15W×4台
再生周波数帯域:60Hz~20kHz

 

 

 

 


ウーファーおよびツイーターに関しては記憶に残っていた通りだが、PRは背面に一つ見えているものしか意識していなかったので、前面にもあったのか?と、初めてサランネットを外してみることにした。

 

しかし、最下部に指を掛ける窪みはあるものの、そこへ爪を立てる感じで引き開けようとしてもびくともしない。

 

無理をして爪を剥がしたくはないので、マイナスドライバーの先に養生のためティッシュペーパーを被せたものを用意し、それでこじるようにしたところ、漸く外すことができた。

 

すると現れたのは、SF映画の悪役の如きご面相。

 

20210809-Onyx Studio

 

なるほど、確かに前面にもPRがあり、仕様通りであることがわかった。

 

サイズのわりに充実した低音が響くのは、これら二つのPRの働きによるに違いない。

 


仕様を見てのもう一つの気付きは、合わせて4つのウーファーとツイーターが、バイアンプ駆動されているという点である。

 

4つのユニットに対して敢えてバイ(bi-, 2つの)と称していることを、オーディオ界の用語の慣例と併せ鑑みるに、恐らく周波数分割はコイルとコンデンサでなされているのだろうが、ともあれこの個別駆動によって非常に整った音色が得られているように思われる。

 


また、DACも当機が装備していることになるが、これも単品で売られている簡易的なbluetoothオーディオレシーバに比して品質が高いようで、このインタフェースでしばしば起こる、曲の冒頭が潰れるという事象も全く聴かれない。

 


ただ、一点、左右のユニットを一つの筐体に装填しているので当然のことながら、音場感が通常のステレオ音像の広がりによるものとは異なる点は否めない。

 


このスピーカーに対しても、さまざまな改造例があるようだが、その眼目となるのは、左右ユニットの分離による音場再現性の向上ではないかと思う。

 

先にご紹介した「ダイソー300円スピーカー」同様、「harman/kardon Onyx Studio」もまた、一部マニアの間で高い人気を誇っているというのも、宜なるかな――である。

 

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