今朝目が覚めた時、何となく辺りにひっそりとした気配が満ちていた。
ああ、またか――と思いながらカーテンを開けると、やはり景色は雪化粧していた。
まだ白一色に包まれるほどではないけれども、山の様子を見ても、三日前よりはやや厚く装った印象だ。
長らくコロナ過で旅行を見合わせてきた人たちが、感染の減少を待って一挙に出かけるようになったためだろう、この秋、向かいの山腹の道を走る車が例年に比べずっと多かったが、それもさすがにほとんど見られない。
今日の最高気温は、おそらく正午に打った氷点下2.8℃。
現在すでにマイナス5.6℃まで落ち込んでおり、今冬初めての真冬日となるだろう。
しかし一方、昨日まで吹き荒れていた風は完全に凪いだことから、体感的な寒さはそれほどでもない。
一般に、風速が1m/s増すごとに体感温度は1℃下がると言われるが、仮に家の中にいて風を身に受けずとも、ひゅーひゅーという音を耳にするだけで、その効果の半分ほどは生じるように思う。