蓼科高原日記|ささやかな山暮らし

音楽・本・映画・釣り竿・デジタル機器、そしてもちろん自然に囲まれた山暮らしの日常

JBL STAGE A120 音の印象

先の記事「スピーカー(JBL STAGE A120)」において、このスピーカーの外回りについては書いたので、今回はより本質的かつ重要な、サウンド・インプレッション、再生音の印象をご紹介しようと思う。

 

20210505-JBL STAGE A120

 

 

まず、機器の構成と試聴楽曲を挙げておこう。

 

機器構成
PC---DAC---真空管パワーアンプ---JBL STAGE A120

 

試聴楽曲(1)
Miles Davis「In Person Friday Night At The Blackhawk, Complete [Disc 1]」
01. Oleo
02. No Blues
03. Bye Bye (Theme)
04. If I Were a Bell
05. Fran-Dance
06. On Green Dolphin Street
07. The Theme

 

試聴楽曲(2)
モーツァルト「弦楽五重奏曲 第4番 ト短調 K.516」
Grumiaux Trio & Max Lesueur, Arpad Gerecz
第1楽章 Allegro
第2楽章 Menuetto
第3楽章 Adagio ma non troppo
第4楽章 Adagio-Allegro

 

 


さて、このシステムから再生された音を耳にしての、最も大きな印象は、その透明感だ。

 

これは、直接的には中高音によってもたらされることは間違いないが、それらの土台となる低音もまた、これに多大な影響を与えているように思われる。

 

小型スピーカーによく聴かれる、低域を無理に鳴らそうとして生じがちな外連味が全くなく、極めてふくよかな響きを奏でてくれるのだ。

 

ウーファーの径が11.4cmなので、無論「重」低音というわけにはいかないけれども、必要な量感はしっかり具えており、これが艶やかな中域と、浅いながらホーン形状を具えたツイーターの囀る、棘のない滑らか高域を支えることで、宛ら俄か雨を浴びた後の青葉のような、瑞々しい音色を現出している印象だ。

 

「物理的に、余計な振動を生じさせることなく駆動できるスピーカーユニットの最大径は4.5(≒11.4cm)である」といった文言をどこかで目にしたような記憶があるが、これは結構当を得たものかもしれない――と、STAGE A120を聴いてふと思った。

 


もう一点、挙げぬわけにはいかないのは、音像の見事な定位である。

 

聴いた盤がともにクインテットなのは単なる偶然で、特にこの能力を確認しようとしたわけではない。

 

両盤とも録音が古めのため、その時点でのステレオ技術の成熟度も定かでないが、これまでに聴いた他システムの再生音と比較すると、明らかに5つの楽器の位置を明確に把握でき、その目の前に見えるかの如き再現力に驚かされた。

 

 


と、肯定的なことばかり書いては些か信憑性を疑われるので少しは欠点も――という訳ではないけれども、一つ気になったこともある。

 

私には、弦楽室内楽曲を聴く際、ヴィオラを中心に据える習慣――というか癖があり、そのため気になるのかもしれないが、この楽器の魅力の一つである、軋むような渋い響きがやや硬く、些か味わいに欠ける感が否めないのだ。

 

もっともこれは、まだ鳴らし始めたばかりであることに起因する現象である可能性が高く、さらにアンプの真空管もエージング不足であることも確かなので、最終的判断はしばらく鳴らし込んだ後にしたいと思う。

 

なお、先の記事で触れた、接地面のちょっとしたカタつきは、幸い音響には影響ないようだ。

  


Amazonのページにもある通り、この「STAGE A120」は、センタースピーカーやサブウーファーとともにホームシアターの音響システムを構成する製品として位置付けられている。

 

このことは事前に承知しており、果たしてその一部だけで良好な音が得られるだろうか――という不安があったのだが、実際に聴いてみて、その懸念は雲散霧消した。

 

他のスピーカー群を加えることで、音場の豊かさ、臨場感が一層向上するのかもしれないけれど、「オーディオ」としては、却ってこの二本から生み出されるクリアな音像の方が好もしいとも言え、少なくとも個人的にはそう感じる。

 


総額数百万円に及ぶようなシステムに敢えて加えるべき製品でないことは論を待たないものの、一般的視聴環境においては素晴らしいコストパフォ-マンスを見せてくれることは間違いない。