私はPCのストレージ状態のチェックに、定番の「CrystalDiskInfo」を使用させて頂いている。
と言ってもPCの監視マニアではないので、これを起動してチェックを行うのは2週間に一度くらい、不要ファイルの削除やドライブの最適化を実施した際なのだが、メインと位置付けていたHPのマシンにおいて、最近少々気になる数値が目に付き始めてきた。
それは、以下の画像に見られる「C1 ロード/アンロードサイクル回数」である。
そもそも、このロード/アンロードサイクルとは、省電力のためハードディスク(HDD)の回転を停めた際、振動などによって磁気ヘッドがディスク表面を傷つけることのないよう、磁気ヘッドを退避場所へ移動させ、アクセスが生じたらまたディスク表面へ戻す機構らしい。
このようにありがたい機構ではあるものの、HDDも永久に働いてくれるものではないわけで、ロード/アンロードサイクルについてもその回数が耐用上限として設定されており、もちろん製品によって差はあるものの、概ね30万回程度が一般的ということである。
さて、上の画像の数値(生の値:16進表記)からお分かりの通り、私のHPマシンでは、ロード/アンロードサイクルがこれまでに約7万回行われたことになる。
使用時間は、これも画像にある通り2500時間ほどであるから、ロード/アンロードサイクル回数により寿命を来たし、その耐用上限が上の一般的数値だとすると、約10000時間で昇天を迎えるわけだ。
これは特に短い時間ではないかもしれないが、できることならさらに長く使いたい――実際に使用するかどうかは別として――というのが人情だろう。
そこで、このロード/アンロードサイクル回数を抑制する方法はないだろうか、と調べたところ、CrystalDiskInfoでそれが可能らしいことを知り、早速実行してみた。
以下、個人的備忘録を兼ねてその設定方法を記すが、これのできないHDDもあること、および仮に実行される場合はあくまで自己責任でお願いしたい点を注記しておく。
ロード/アンロードサイクル回数抑制のためのCrystalDiskInfo設定
1. CrystalDiskInfoを起動し、メニューから「機能」→「上級者向け機能」→「AAM/APM 設定」を開く。
2. 最上段のプルダウンメニューから、対象HDDを選択。
3. 「電源管理(APM)」を「FEh」に変更し、「有効」ボタンをクリック。
4. メニューから「機能」→「上級者向け機能」→「AAM/APM 設定」→「自動的に AAM/APM 設定を適用する」をチェック(有効化)する。
5. メニューから「機能」→「スタートアップ」をチェック(有効化)する(※手動でCrystalDiskInfoを起動するのであれば、この設定は不要、また、一旦CrystalDiskInfoが起動してしまえば、それを閉じても上の設定は維持される)。
この設定を行った後、数日監視した結果、それまで1時間に数十回程度増加していたロード/アンロードサイクル回数は、ほとんど増えなくなった。
ただ、この設定では恐らくHDDを常時回転させておくことになり、その負荷とロード/アンロードサイクルのそれとのどちらがHDDにとってクリティカルなものなのか分からないのだが、状態を頻繁に変えるよりも、一定に保つ方が機器にとっては望ましいように思われる。
結果の判明はずっと先のことになるはずだ。
万一、近い将来にこれが得られたとしたら、今回の処置が大失敗だったということだ。