蓼科高原日記

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ホームタンク・ストレーナーのフィルター交換

今年の夏頃、屋外に設置してあるオイルタンクのストレーナー――灯油を濾過して異物を除去する装置――のカップに湿りが見られ、その直下の地面も周囲と色が相違していることに気付いた。

 

季節が季節だけに、当初はカップ表面に結露が生じ、それが地面へ滴ったものと思っていたのだが、それ以来、折に触れて見る度、常にその状況のままで、乾いている時がないのである。

 

20211120-ストレーナー(1)

 


先日、遅れ馳せながらカップの表面を指で撫で、鼻に近づけたところ、この液体は水ではなく灯油であることがわかった。

 

そこで試みにストレーナーの真下に容器を置いて観察したところ、数日経過しても溜まる液体はごくわずかで、今のところ大きな問題ではなさそうだったが、自然と改善することは期待できず、症状に変化を来たすとすれば悪化の方向しかないわけで、さらにまた、内部のフィルターも大分汚れているらしいことから、本格的な冬を迎える前に対処することにした。

 


それを行うに先立ち、部品について調べた結果、現在は各社統一の規格があるらしく、ホームタンクに用いられるのは主に径が38か45(mm)のものであることを知った。

 

当家のオイルタンクはかなり古い物ゆえ、現行の規格が合うかどうかという懸念を抱きながら、ともかくサイズを確定しようとしたものの、生憎ノギスが手元になく、糸を巻きつけて周長を測り、そこから径を算出――という手も少々大袈裟に思えた。

 

そもそも、2種の内どちらに当たるかがわかればいいだけである。

 

それなら定規を近づけての目測で十分だろう――とこれを行ったのはいいが、カップと定規、定規と目の位置関係により、値がかなり変動するのである。

 

38mmより少し大きいようだが、どう見ても45mmには届かない、これなら恐らく一番小さなものでいいだろう――と、ノーリツの製品楽天市場で購入した。

 


それが届いたので、早速開梱した瞬間、「失敗した!」とわかった。

 

明らかにカップのサイズが既存のものより一回り小さいのである。

 

念のため外へ持ち出しての比較も、選択の誤りを確認しただけだった。

 

返品可能ならそうしたところだが、生憎それができない商品なので、さてどうしたものとしばし途方に暮れた末、おそらくフィルターだけは装着できるだろうことに思い至り、その交換作業を開始することにした。

 

 

 

 


ところが、最初から頓挫。

 

事前に、カップ固定用のナットが相当固く締め付けられていることは確認してあったので、KURE556をネジの隙間に噴射してしばらく時間を置き、灯油がタンクから流れ出さないようバルブをしっかりと閉じた上、いざ手でナットを緩めようとしたのだが、ビクともしない。

 

今一度556を噴射してみても駄目で、ここで再び、さてどうしたものか――である。

 

ウォーターレンチの購入も頭に浮かんだが、折角手掛けたこの作業には一応のけりを付けてしまいものだと思っていたところ、折しも近所の人が通りかかったので、もし工具をお持ちなら借用したい旨伝えたところ、幸い適当なものを借りることができ、これを使用したらあっさりとナットを緩め外すことができた。

 

なお、予め、ストレーナー下の地面に灯油受けとして新聞紙を丸め詰めた段ボール箱を設置しておいたことは言うまでもない。

 


ところで、本作業を企図した理由の一つは、冒頭にも書いた通り、フィルターが相当汚れているように見えたためだが、カップを外して露わになったものを見ると、さほど汚れは感じられず、実際、撫でてみても指に異物が付くことはなかった。

 

一方、カップの内面にはうっすらと煤のようなものが付着しており、これが全体を薄汚く見せていたらしい。

 


それをウェスで拭き取ると、カップの透明感はぐッとアップ――したのはいいが、これまで気付かなかったヒビのようなものが多数走っている。

 

灯油の滲み出しの原因として、このヒビも候補だろうけれど、もう一つ、カップストレーナーの隙間を塞ぐためのゴム製Oリングの劣化、あるいはそこへの異物の付着という可能性もある。

 

仮に前の二つが該当となると、サイズの誤りは実に痛い失敗になるわけだが、最後のものが原因なら、異物を除去してやれば漏れは止まるはず。

 

そこでしっかりとウェスで拭き、外す時とは逆の手順でカップを装着。

 

この際、バルブを少し開き、灯油をカップに満たした状態で装着することが大切で、これを行わないと、ご想像の通り空気が混入して燃焼装置への送油、延いては燃焼そのものに支障を来たすこととなる。

 


次の画像が、フィルター交換、およびカップ清掃後のストレーナーの姿である。

 

20211120-ストレーナー(2)

 

これと比べると、作業前のフィルターが極端に汚く見えるが、これは地色そのものの相違によるものだ。

 


今般の製品選択の失敗により、サイズの目視の危険性を痛感した。

 

これがもし、より高価な、あるいは重大な局面で使用する製品だったら――と考えるとぞッとする。

 

以後、十分に注意したいところだ。

 


さて、夕方、作業を完了してから数時間後に確認したところでは、灯油の滲み出しはまったく見られなかった。

 

この状態が継続してくれるといいのだが。

 

 

追記――

 

翌朝の時点では良好な状態が保たれていたものの、夕方、再度確認したら以前のように表面に湿りを来たしていた。

 

どうやら、適正サイズのカップとOリングを購入してまた交換作業を行うことになりそうだが、それらを手にするまでの応急処置として、ペットボトルを円周に沿ってカッターで切り、さらに鋏で縦に切り込みを入れた上、ストレーナーへ嵌めて見たところ、蛇腹の太くなった部分が固定ナットにぴったりとフィットした。

 

20211120-灯油漏れの応急処置

 

これなら敢えて交換部材を買う必要もないか――というのは恐らく楽観的過ぎる考えだろうけれど、当面の凌ぎには十分間に合いそうだ。

 

それと同時に、漏れの程度も確認できる。