蓼科高原日記

音楽・本・映画・釣り竿・オーディオ/デジタル機器、そしてもちろん自然に囲まれた、ささやかな山暮らしの日常

唇にオロナイン?

注意――本稿は、個人的な実体験をあくまで一例としてご紹介するもので、記述した内容をお勧めする意図は全くなく、仮にそれを実行されて何らかの問題が生じたとしても、当方ではその責を負えないことを予めお断りしておく。

 


2ヶ月ほど前、特にはっきりした契機があったわけでもないのに、下唇の外側、口角より少し中央に寄ったところが縦に1cmほど切れて――というより裂けてしまった。

 

今思い返すと、丁度1回目のコロナウィルスワクチン接種を受けた頃で、その副反応で少し体調の崩れていた際に生じたような気もしないではない。

 

と言っても、出血が止まらない・始終激痛に苛まれるといった重い症状ではなかったので、当初はさほど気にしなかったのだが、部位的によく動く箇所らしく、食事時はもちろん、笑ったり欠伸をしたりといった口を開く機会に、ちょっとした加減でぴしッという痛みが走り、その度にせっかく塞がりかけた傷口がまた悪化する、という繰り返しでずるずると日を経てきた。

 


途中、薬用のリップクリームを塗ってもみたのだけれど、改善の兆候は見られず、却って腫れぼったくなった感があったため、これは数回だけで取り止め、その後は自然治癒を期待しながら過ごしたものの、なかなかそれも実現しなかった。

 

その傷が今般、オロナインH軟膏を塗布するという、ふと思いついた処置により、急速に改善したのである。

 


ここは山の上で、冬場は寒さとともに空気の乾燥も激しく、よく手にひびが生じるため、その対処策の一つとして常にオロナインを置いている。

 

20211008-オロナイン

 

したがって、思い付いたらすぐ塗ることもできたわけだが、その時、「果たしてこれを、唇に生じた傷に塗布してもいいものだろうか?」という懸念が頭を過った。

 

そこで注意書きを確認したところ、まず、効果・効能に「キズ」があるのでこの点は問題ないにしても、塗布してよい、あるいは悪い部位についての説明はなく、一般的皮膚(?)に比べるとややデリケートと思われる唇に塗って大丈夫なのかという疑念は依然として残ってしまった。

 

もっとも、真に危険のあることについては明記されるであろうから、あまり神経質になる必要はなさそうなことは分かった。

 

念のため、続いてネットでも検索してみたのだが、やはりグレーな見解しか見出せず、一つだけ、「オロナインの有効成分であるクロルヘキシジングルコン酸塩は口に入れてはならない」との少し具体的な情報があったので、取り敢えずこの点に注意して使ってみることにした。

 

 

 

 


すなわち、睡眠中に口中へ入ることはまずないであろうと考え、床に就く前にごく少量を塗ってみたのである。

 

すると翌朝、それまでの患部のつっぱり感が消えており、傷も幾分細く浅くなっているように見えたことから、日中も塗布することに。

 

この際は、食事の前には一旦洗い落とし、食後再び塗ることで、口へ入らないよう留意した。

 

そしてこれを三日ほど続けたところ、あれだけ長い期間悩まされた傷が、ほぼ完治したのである。

 


オロナインに含まれるクロルヘキシジングルコン酸の消毒作用と、同じく成分の一つであるオリーブ油の保湿作用が上手く働いてくれた感じだが、怪我や病気というものは、良くならない時は何をやっても奏功せず、かと思うと、突然急速に改善し始めることが珍しくないので、今回も、その回復期とオロナインの塗布とが偶々一致した面があったのかもしれない。

 

しかし、何はともあれ、口を開くたびにびくびくする必要のなくなったのはありがたい。