以下の記事において、プリメインアンプOTTO DCA-A15の右チャンネルの出力不良(無音)が解消したと思ったら、同じ右側からのバリバリバリという酷いノイズが再発してしまったことをご紹介した。
lifeintateshina.hatenablog.com
そもそも、今般の変化は、ラウドネススイッチへ接点復活剤を噴射したことにより起こったわけだし、また、ラウドネスを何度か切り替えているうち、右出力は保ったままノイズの消えることもあることから、このスイッチの内部に問題の原因が潜んでいる可能性が考えられる。
そこで意を決して、ラウドネススイッチを分解・清掃することにした。
そのためには、まずこれを基板およびフレームから取り外す必要がある。
が、それには前面パネルを外さねばならず、それにはボリュームなどのつまみをすべて……ということで、第一段階としてこれに取り掛かった。
もっとも、つまみ類は単なる挿し込み式なので、引き抜くだけ、簡単簡単、と思いながら左から順に外していったのはいいが、これで最後という入力セレクタでハタと止まってしまった。
外れないのである。
握り・抜き双方、徐々に力を強めていき、これが限度というところまで上げても、ビクともしない。
どうやら、以前の所有者が、緩みやぐらつきが生じたのだろうか、接着剤で固めてしまったらしい。
となるとこれを溶剤で剥がす必要があるわけで、前面パネルが下になるように筐体を置き直し、手元にあったペイント薄め液をシリンジに入れた上、つまみの装着軸に沿って溶剤がその内部へ届くよう、隙間から少しずつ注入。
そしてしばらく待った上で再度つまみを引き抜こうとしたものの、相変わらずうんともすんとも言わなかった。
より溶解力の強いラッカー薄め液を試そうかとも思ったが、こちらは生憎手元にないため新規購入となる上、必ずし奏功するとも限らず、さらに廉価なアンプゆえつまみはプラスティック製で、これが犯されてしまう恐れもある。
別途つまみを用意した上、外れないものをペンチなどで破壊して除去するという、更なる荒技も頭に浮かんだけれど、これらは当面見合わせることにした。
こうして、ラウドネススイッチの分解清掃は頓挫という結果に終わってしまったのである。
しかしながら、このノイズのある状態では到底音楽再生には耐えない、何か他に手はないだろうか――と考えて思い付いたのは、柳の下の二匹目の泥鰌狙いである。
すなわち、現象論的には以前と同様な事態となっているのだから、先に顕著な効果を示し当該問題の解決に至った、基板のクリーニングを今一度実施してみることにしたのである。
と言っても、あまり大っぴらに四角錐ポンチで基板を引っ掻くのもどうかという気がしたことから、今回の主眼は油じみた汚れの除去である。
これについては、数倍に希釈したマジックリンの類を噴射し、今度は水でそれを行った後、エアーガンで水分を飛ばしてしっかり乾燥させる――という荒技もあることを知り、そこまで行かずとも似たことを行うことにした。
ちょうど家にマジックリンはあったので、まずはそれを紙皿に少量とり、水で希釈。
これに古歯ブラシを浸け、皿の縁で軽く扱いた上で、基板のハンダ側を丁寧にブラッシングした。
続いて水でこれを行い、あとはウェスで拭いた上、何分寒い環境に暮らしているため、そのまま置くだけでは乾燥が覚束ないことから、適当な距離をとったファンヒーターからの温風を暫く当てた。
そして諸々のケーブルを接続しての確認である。
が、二匹目の泥鰌は獲られなかった。
この追いかけっこはどこまで続くのだろう……
(T.B.C.)