予報通り昨夜から気温が下がり、今朝は5℃を割り込んだ。
しかし、例年ならこれくらいの冷え込みは当然ということもあり、漸くこの時季らしくなったと却って安心である。
起床時の室温は14℃。
午後には天気が回復して日も差したものの、外気温はほとんど上がらなかったため、徐々に室内の暖気も逃げて行ってしまった。
この寒さは明日以降も続くようなので、炬燵を用意した。
当家には掘り炬燵の設備があり、今夏はずっと、そこへ炬燵櫓を立て天板を載せてPC作業などをしていた。
つまり、冬場の状態から炬燵布団を取り払った形を維持していたわけだ。
そのため、底の方、特にヒーターを納める窪みにはそれなりに埃が溜まっているだろう――と、先ずはその清掃に取り掛かったのだが、思った通り、いやそれ以上の埃の堆積があり、除去するのに結構手間取ってしまった。
しかし何とかそれを済ませ、櫓と布団を設置して完了。
思わぬ重労働でほんのりと汗をかくほど身体が暖まった。
聞くところによると、江戸時代には炬燵を出す日が決まっていたようで、これを「炬燵開き」と言ったそうだ。
その炬燵開きは、武家では亥(い=いのしし)の月、すなわち旧暦10月=現在の11月の最初の亥の日、庶民の家では同月の二番目の亥の日で、今年(2021年)は、それぞれ11月11日、23日に当たる。
このような亥の月・亥の日に炬燵を出す理由は、当時は熱源として炭火などを利用していたことから火事の危険性を孕んでおり、古代中国の陰陽五行思想において「陰の水」と位置付けられた亥に肖って事故を防ぎたいとの思いかららしい。
11月中旬と言えば、当地では既に降雪を来たしていることも珍しくなく、気温も氷点下に落ちるのが普通。
従って、やはり江戸の歳時記に合わせるのは少々辛いところだ。
今日、炬燵の用意はしたものの、ヒーターの電源を入れるのはもう少し先のことだろう――と考えていたのだけれど、日が沈んでさらに外気温が下がり、早速その恩恵に浴することとなった。
現在既に、わずかながら氷点を割り込んでいる。