蓼科高原日記

音楽・本・映画・釣り竿・オーディオ/デジタル機器、そしてもちろん自然に囲まれた、ささやかな山暮らしの日常

筑摩世界文学大系23 バルザック

以前記事にした「筑摩世界文学大系19 ゲーテI」と同じ全集に属する第23巻、やはり昭和35(1960)年の発行である。

 

20210516-筑摩世界文学大系23

 

バルザックの作品で読んだとはっきり記憶しているのは「ゴリオ爺さん」くらいで、個人的にはあまり馴染みの深い作家ではないが、この一作を読んだだけでも、その怒涛の如き文体は強烈に印象付けられた。

 

ドストエフスキーに通じる、「言葉の洪水」とも言える文章は、その流れに上手く乗ることができれば一気に読み進められる反面、それに逆らおうとすると忽ち激流に翻弄され、溺れる危険を孕んでおり、ちょうど、「音の洪水」と形容されるジョン・コルトレーンの演奏が連想される。

 

本巻に収録されているのは、長編の「従妹ベット」と以下の5短篇、それにヴィクトル・ユゴーの手になる「バルザック頌」である。

 

知られざる傑作
赤い宿屋
ゴプセック
沙漠の情熱
恐怖時代の一插話
人間喜劇序

 

記憶にはなかったのだが、これらの内、「沙漠の情熱」は既読の作品であることに途中で気付いた。

 

恐らく何かのアンソロジーに入っていたのだろう。

 

 

 

先日、破損したため改めて入手したロシア製真空管6J1P-EVをプリアンプに装着して音楽を聴いた。

 

この球の印象として、「中音域が自然と前に出て艶やかな音色となる一方、低域は抑え気味」と書いたが、今般の球は、まったく同一の型番ながら、その不足気味だった低音がしっかり出て、音圧が数段高くなった。

 

lifeintateshina.hatenablog.com

 

そして音の艶やかさは健在。

 

どうやら、前のものには元々欠陥があったらしい。

 

「Wynton Kelly!」
01. Come Rain Or Come Shine
02. Make The Man Love Me
03. Autumn Leaves
04. Surrey With The Fringe On Top
05. Joe's Avenue
06. Sassy
07. Love, I've Found You
08. Gone With The Wind
09. Surrey With The Fringe On Top (Take 3)

 

20210516-Wynton Kelly

 

 

予報通り雨に閉ざされた。

 

この先一週間、この空模様が続くのかと思うとやはり少々気が塞ぐ。