蓼科高原日記

音楽・本・映画・釣り竿・オーディオ/デジタル機器、そしてもちろん自然に囲まれた、ささやかな山暮らしの日常

SONY SS-G333ES―開梱時の失敗

出先のリサイクルショップで購入し、発送してもらった往年のスピーカー、SONY SS-G333ESが届いたものの、先の記事に書いたように、まだ玄関までのアプローチは雪に覆われており滑りやすく、この大物を抱えて辿るのは危険なため、大事を取って配達してくれた業者を手伝って一緒に運び下ろした。

 

そして玄関ドア及び内扉(?)を全開にした上、今度は30kg超の段ボール箱を一人で持ち上げて室内へ搬入した。

 

しかし、やれやれと思ったのも束の間、さてどうやって中身を取り出すかが問題である。

 


最も安全なのは、中のスピーカーを傷付けないよう注意しながら、段ボールをカッターで切り開いてしまうことだろう。

 

が、先日読んだ「箱男」になろうと思った――わけではないけれども、このサイズの段ボールはなかなかないし、残しておけば何か役に立つこともありそうだ――という変な貧乏根性が頭を擡げてきて、原型を留めたまま中身を取り出したくなった。

 

lifeintateshina.hatenablog.com

 

と言っても、30kgを超えるそれを引っ張り上げる筋力など到底持ち合わせておらず、では他に手はないかと考えて思い至ったのは、何のことはない、上ではなく横に引き出せばよかろう、ということで、箱を静かに横向きに倒して天側を開け、エアキャップ(いわゆるプチプチ)に包まれたスピーカーをそのまま徐々引っ張り出した。

 


これを行うにも少なからず手古摺ったけれど、ともあれ全体が現れて一段落、かと思いきや、小さな破片がエアキャップの隙間からぽろぽろとこぼれている。

 

一体何だろう、と手に取ってよく見ると、劣化したエッジの残骸である。

 

はッとしてスピーカーの向きを確認したところ、ユニットの装着された前面を下にして引き出してしまったことが判明。

 

その重量を受けながら横にずらされたため、エッジがほぼ完全に破壊されてしまったのである。

 

以下に画像を再掲するが、これがその時の姿、決して意図的にエッジを除去した訳ではない。

 

SONY SS-G333ES

 


その無残な姿を目にして心が痛んだものの、悔やんでもどうにもならないし、元々、既にほぼ機能は失われたエッジ、張り替えを前提としていたことでもあるので、気を取り直してエアキャップを脱がした。

 

すると、エッジの破片にしては大きく、かつ立体的なプラスティック塊がいくつか交じっている。

 

これは何か?と思いながらスピーカー本体に目を向けると、サランネットが傾いており、何気なく手を触れると、カタリと外れてしまった。

 

そう、本体との接合のためサランネットのフレームに設えられている「だぼ」も破損してしまったのである。

 

 

 

 


このSS-G333ES、デザイン・機能両面での向上の意図から、前面バッフルの左右両端がテーパー状になっており、そこにサランネットフレームの接合部が位置しているため、「だぼ」もかなり大きい。

 

それがサランネットフレームから割れて外れたのだから、フレーム自体も折れ、辛うじて網(サランネット)によってその外観を保っている状態に陥っていた。

 


しかし不思議なもので、ここまで被害が大きくなると、サランネットなどなくてもいいではないかと、開き直りというか、諦観が自然と生じ、却って気持ちがさっぱりした。

 

そして折れた部分を調べた結果、その部分は細かく粉砕されてはおらず、当ててみると結構かっちりと嵌る。

 

これなら元の完全な強度はさておき、外観および一般的用をなす程度の復元は、ボンドで接着することで果たされそうである。

 


そこでまず、手元にあったお馴染みの黄色い接着剤「コニシ ボンドG17」を用いてこれを実施したところ、幸い、思った通りの結果が得られた。

 

接着を終えたフレームに恐る恐る力を加えてみたが、特に変形するようなことはなく、本体との接合にも何ら支障は感じられない。

 


ちょっとした欲をだしたことから、思わぬ手間暇の発生となってしまったが、ともあれその問題は潰すことができた。

 

が、このスピーカーで落ち着いて音楽を聴くまでには、まだ一山二山ありそうだ。

 

いや、そもそもそんな日が来るのか、些か心許ない。