蓼科高原日記

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SONY SS-G333ESのエッジ修理(張り替え)

先日Amazonにて購入した、SONY SS-G333ESの張り替え用エッジが思いの外早く届いた。

 

開梱して検品したところ、半年前にDIATONE DS-66EXのために入手したエッジに比べ、厚みがあってしっかりしている印象である。

 

 

中国からの発送、例によって無造作に折られビニール袋に入れられた状態で輸送されてきたため、エッジには折り目がついてしまっていたものの、今回は比較的軽微で、一晩置いたらほぼ解消したことから、早速修理作業を行った。

 


今般の作業では、先に以下の記事に書いたように、一回り大きなエッジをいくつかに分割し、のりしろを少し取って再接着することによりサイズを落とした上で使用する。

 

lifeintateshina.hatenablog.com

 

ここで先ず問題となるのは、ではいくつに切り分けるのが適当か――ということだ。

 

感覚的にはできるだけ多くの部分に分けるべきと思うが、重ね合わせの部分があまり多くなるのも好ましくないだろうし、そもそも、のりしろを取らねばならないことを考えると自ずとその数は抑えられる。

 

こう考えた末、シンプルに4分割することとし、この場合に取るべきのりしろの幅を、エッジの元のサイズとウーファーユニットおよびフレームのサイズとから計算して、ほぼ10mmという値を得た。

 

もっとも、エッジの内外の縁に合わせて接合したのでは当然ループとして閉じなくなってしまうので、わずかにずらした上で張り合わせる必要があり、そのガイドとして接合後の内径をもつ円を紙に描き、これからのずれが極力小さくなるよう、感覚的ながら調整した。

 

 

また、このような加工を施したエッジは、後でフレームおよびコーンと接着させる際、どうしても浮きが生じることになるわけで、最終的にそこはボンドで埋めるつもりだけれど、その浮きを均等化するため、エッジ切片同士の張り合わせは「ペンローズの階段」状に、下へ下へと位置させていき、最後だけ上に乗せる形にし、ここでは接着力の強さと硬化後の柔軟性から、手元にあった「コニシ ボンド G17」を使用した。

 

下の画像が、こうして得られた物である。

 

 


この下準備に結構手間を取られてしまったが、あとは通常の手順に従うことができる。

 

その第一は当然ユニットの取り外しで、本機の場合、それをエンクロージャーに留めている8本の木ねじをドライバーで外すと簡単に浮かすことができた(無論、それなりに重い)ので、あとはファストン端子をラジオペンチで引き抜いてリード線の束縛を解くことで、ユニットは完全に箱から分離された。

 

 


次いで古いエッジの除去。

 

フレーム側はゴム製リング(フリンジ)とフレームの間にマイナスドライバーをねじ込んで少しずつ剥がしていったのだが、後で見るとフリンジの下には紙製のリングが接着されており、これはもしかしたらガスケットかもしれない。

 

一台目はそれに気付かず、無頓着に作業を行ったため、その紙製リングをぼろぼろにしてしまった。

 

失敗と言えば失敗である。

 

もっとも、ガスケットにしては薄いようだし、これがなくてもフレームとエッジをしっかりと接着し、さらにフリンジを圧着すれば空隙はできないだろうから、敢えて気にしないことにした。

 

ただ、二台目については、フリンジと紙製リングの間にドライバーが入るよう注意した。

 

 

 

 


そしてフレームおよびコーン裏に若干残っていたエッジの残滓を、これもマイナスドライバーで綺麗に削ぎ落とし、いよいよ接着である。

 

この用途には「コニシ ボンド G17」を避け、予め用意しておいた水性の「アルテコ パワーエース 速乾アクリアStick」を使用した。

 

これは、G17では接着力が強すぎて位置直し等の微調整がし難いこと、および万一量が多すぎてはみ出てしまった場合、見た目がかなり損なわれるためだ。

 

またスティックタイプを選んだのは、先に述べたコーンとの接着面に生じる浮きの埋め、および接合後にコーンとエッジの境界全周に亘って盛るのに、細いノズルが利くだろうと考えたからである。

 


接着も定石通り、先ずはコーン側から着手し、元と同じ裏張り、すなわちコーンの裏側にエッジを張る形としたが、パワーエースは水性の弱さもあってかなかなか接着せず、全周に沿って接合部を指で圧していくことを延々と繰り返した末、漸くのことで目的を達することができた。

 

フレーム側への接着や細かな仕上げは、この十分な乾燥を待った上で行うべきだろうと考えたので、次にはもう一台について同じくコーン側の接着作業に取り掛かった。

 


が、ここで先のエッジ切片の張り合わせに失敗のあったことが判明し、大きな頓挫を蒙ってしまったのである。

 

これについては新たに稿を起こしてご紹介したい。