蓼科高原日記

音楽・本・映画・釣り竿・オーディオ/デジタル機器、そしてもちろん自然に囲まれた、ささやかな山暮らしの日常

JBL Stage A120での異音

ふらっと立ち寄った中古CDショップで、一枚買った。

 

自分の聴きたい楽曲は既にほとんど所有していると思っているので、CDの入手自体久しぶりのことだが、さらに実店舗での購入となると、この前がいつだったかさえ記憶に残っていない出来事である。

 

今般新たに我がライブラリに加わったのは、ウィントン・ケリー(Wynton Kelly)の「Kelly at midnite」。

 

ここで、"midnite"は当方のスペルミスではなく、アルバムカバーにもこの通り表記されている。

 

もっとも、これには特に深い意味ががあるわけではなく、その段階での単なる誤記らしい。

 

実際、"midnight"と修正されたカバーを持つ盤も出ているようである。

 


さて、帰宅してそれを早速PCへ取り込み、JBL Stage A120で再生したところ、左に配されたポール・チェンバース(Paul Chambers)のベースに、ビリビリと破れたような音が混じっている。

 

初めのうちは、いやに胴鳴りを強調したパフォーマンスだな、と捉えていたのだけれど、それにしては耳障りな音で、しかもいくら何でも強すぎる。

 

使用したスピーカー、JBLのStage A120には、元々底面にちょっとしたカタつきがあることから、初めはそれが原因ではないかと手で軽く押さえつけてみたものの状況は改善せず、その際、ビリビリという響きはエンクロージャー自体が発していることに気付いたため、次にユニットの緩みを疑い、もしそうならそれを締め直そうとサランネットを外したところ、すっかり忘れていたのだが、この機種では画像の通りユニットはビス止めではなく(あるいは内部からの装着のため)、すぐ処置を取ることはできなかった。

 

20211118-JBL Stage A120

 


ほんの数日前にこのStage A120を鳴らした際には今回のような現象はなく、わずかの間に一体どんな変化が生じたのだろうと思いながら、試みに、同じくベースを左に置いたビル・エヴァンス(Bill Evans)・トリオの「Explorations」をかけてみたら、何の問題もなく滑らかな低音が流れ出てきた。

 

こうなるとStage A120に原因のある可能性は弱まり、今度は別のアンプ・スピーカーからなるシステムで再生。

 

するとやはりベースの音に異常が聴かれた。

 

 

 

 


ここまで来れば、問題は音源にあることがほぼ確定で、あとは取り込みにおいて障害があったのか、CDそのものの不具合かの判断を残すのみ。

 

そのためにCDを直接再生してみると、異音は相変わらずだった。

 

盤面に大きな傷や曇りのないことは確認したのに、久しぶりに買ったCDが不良品だったか――と落胆を覚えながら、一応、念のため――とSpotifyから再生してみると、何のことはない、ここでも盛大なビビリ音が聞こえてきた。

 

すなわち、CDに収録されている音そのものが、これだったわけである。

 


以上の経緯で、JBL Stage A120をはじめとする我がオーディオシステムは正常に機能していることがはっきりし、その点では安堵したのだが、「Kelly at midnite」を世に出すに当たり、できれば録音の際、ジャズ演奏の一期一会性からそれが難しければ、せめてマスタリング(?)においてもう少し何とかできなかったものか、という疑問と不満は残ってしまった。

 

演奏自体は実に素晴らしいので、一層強くそう思う。

 


それとも、このアルバムを心地よく再生できるような機器があるのだろうか。

 

もしあるなら、そんな機器からなるシステムでぜひ聴いてみたいものだ。