蓼科高原日記

音楽・本・映画・釣り竿・オーディオ/デジタル機器、そしてもちろん自然に囲まれた、ささやかな山暮らしの日常

スピーカー TANNOY Reveal

つい二週間ほど前にDIATONEのDS-66EXを入手し、そのメンテナンスやセッティングが一段落ついたばかりだというのに、また1セット、スピーカーを購入してしまった。

 

これも最近手に入れたプリメインアンプ、VICTOR A-X900は二系統のスピーカー出力端子を具えており、その一つに上のDS-66EXを繋いでいたのだが、残りが空いているのはもったいないし、ここにもスピーカーを接続すればちょっとつまみを回すだけで切り替えられるわけで、容易な聴き比べができるようになることに大きく惹かれたのである。

 


候補としては、まず、DS-66EXの上に積み置くとの心づもりから、さほど大きくない2wayブックシェルフとし、さらに我が家の他のスピーカーのほとんどが国産品であることを鑑み、できれば海外製品がよかろう――と決めた。

 

それでもまだ、従来気になっていた有名どころは数多あったのだが、そこは何と言ってもB級オーディオのこと、「予算」という絶対的束縛により自ずからその大部分は選択肢から消え、DALI, ALR Jordan, そしてTannoyといったところが残った。

 

前の二つは比較的新進のメーカーで、Tannoy(タンノイ)はこの分野の老舗であることはいまさら言うまでもないだろう。

 

なお、その予算は、今回も1万円程度とした。

 

これらの内、さてどれを――と考えた時、現在家にある唯一の海外スピーカーがJBL(Stage A120だけれど……)で、これにTannoyが加われば恰も一廉のオーディオマニアのようだし、かてて加えて、昔初めてこの世界を垣間見た時から、この名は憧れの一つだったことから、メーカーはTannoyに決定したのである。

 

 

 

 


次はより具体的に、機種の選定だ。

 

そもそも、今回の購入の動機が上に書いた通りなので、特に「これ」というものはなかったものの、やはりTannoyならそれらしいサウンド(といっても、それがどういうものか知らないのだが……)を味わいたい、そうなると――と伝統の同軸2wayユニットが頭に浮かんできて、これを搭載した機種が望ましいのではないか、と考えた。

 

しかし、これに該当するもので価格が手頃なものとしては、TD-100, CPA-5くらいしかなく、しかも前者は、価格の割に高級感もあってかオークションでもそれなりの値が付くようで、後者については、エンクロージャーがプラスティック系で、そのデザインと併せ「タンノイ」のイメージとは少なからぬ乖離を感じたため、遺憾ながらともに断念。

 

そこで一般的2wayに目を向け、まず視界に入ったのは、もちろん「Mercury」シリーズである。

 

「Mercury」はラインナップも多彩だし、高い販売実績を誇ったため中古市場にも豊富に流通しているのだけれど、ふと、「数多く売れたということは、取りも直さず一般受けしたわけだ、」ということに思い至り、さらに「タンノイにしては明るく軽快な音」といった評価も目にして、「できればタンノイらしいサウンドを聴いてみたい、」との希望には合致しないことに気付いて、食指が萎えてしまった。

 

このような偉そうなことを、「予算は1万円程度」との前提であれこれ言っているのだから、実に何とも身勝手、贅沢なものである(笑)。

 


そんなこんなでハタと行き詰まっていた時、ふと出会ったのが、この「Reveal」だった。

 

20210812-TANNOY Reveal

 

これを一見して、先ず、そのカラーとフォルムに目を奪われたが、恐らく多くの人も同じではないかと思う。

 

これらについては好悪の分かれるところだろうけれど、個人的には、イギリスらしさとどっしりとした安定感にポジティブな印象を受けた。

 

商品説明には「機能未確認」と明記されており、これがかなり懸念されたものの、外見的には問題なさそうだし、私にとって重要な要素である価格も、予算に合致するものだった。

 

ところが、浅学ゆえにこれがどのような機種なのか知識がない。

 

そこで調べてみたのだが、機種名や外観からして、恐らく現行のスタジオモニター向けアクティブスピーカー「Reveal x02」(x=4, 5, 8)の先行パッシブ型モデルであろうとの類推はついたものの、「Reveal」自体についてはネット上にもほとんど情報がなく、やがて探索を英語圏まで広げた末、漸くこの製品のものらしいユーザー・マニュアルに辿り着いた。

 

思った通り、そこには「Professional Nearfield Monitors」と記されていた。

 

実は元々、モニター系のスピーカーを聴いてみたいとの気持ちもあり、後継機である「Reveal x02」に関するレビューも概ね好評で、「伝統的タンノイ・サウンド」という文言も見られたことから、万一音が出なかったら修理にトライするのもいいだろう――と、購入に踏み切ったのである。

 


それが届いたので、早速開梱し、先ずは洗礼の儀式(クリーニング)を施し、ケーブルを接続して最大の気掛かりである音出しの確認をしたところ、左右とも無事出音され、先ずはほッと胸を撫で下ろした。

 

が、それも束の間、いくつかの問題が見つかったり発生したりと、その対応に追われる羽目に陥ってしまった……

 

これについては追ってご紹介したい。