真空管アンプ用の代替球をいくつかeBayで購入し、それらが届き始めているのだけれど、そのうちの一件でトラブルが生じてしまった。
とは言っても、eBayの問題ではなく、販売者の落ち度であることを初めに述べておく。
注文したのは整流管5C4Sの古い型、ST管の形状を具えたもの二つのセットで、受領した荷物を開梱して一見、間違いはなさそうだったのだが、先ずは念のため接点復活剤でピンをクリーニングしようと手に取ると、チリンと微かな音が聞こえた。
そこで軽く振ってみたところ、確かに何かが内部で遊んでいる。
もう一つについても確認した結果、こちらにも同様の症状が出ていた。
さらに、ともかくピンのクリーニングを済ませてしまおうとしたら、二本の内一つが、本来4本ピンであるべきなのに、6本も突き出している。
気を静めて清掃を済ませた後、PCを立ち上げネットで調べてみると、異音に関しては、原因によって使用できることもできないこともあるという。
一方、ピン数の異常については、同じモデルでも製造年などにより変化の生じる可能性はゼロではないものの、かなり考えにくいケースらしかった。
不良品や規格の異なった球をアンプに装着してご本尊を傷めてしまうことは避けたかったので、まずはピン数の異常を販売者へ伝え、商品に間違いがないか問い合わせた。
すると、やはり商品の誤りで、使用できないことが判明。
もう一つの真空管は、本来想定したものながら、異音のする点はやはり気にかかる。
とはいっても試験機など持ち合わせてはおらず、使用の可否は実際にアンプに挿してみるほかない。
仮に不良品だとしても、電源を入れた瞬間に回路が飛ぶようなケースはごく稀だろう――と自らに言い聞かせ、腹を決めて試すことにした。
が、その結果には落胆。
電源を入れると、プリ管とパワー管は通常通りじんわりとフィラメントを点し始めたのに、差し替えた整流管は暗いままで、ボリュームを回しても、本来ならわずかに聞こえるハムノイズもない。
さらに音楽を再生してみたが、やはりスピーカーは鳴らなかったため、これ以上の試行は無用――と、速やかに電源を切った。
さて、こうして全く用をなさない品を手に取らされたので、当然のことながら販売者に対して返金を要求した。
まず、6本ピンの物があると連絡した際は、「では商品代金の半額を返しましょう、」となかなか機嫌良さそうな反応。
なるほど、商品代金より送料の方が高いのだから、その安い方の半額を返して落着すれば大した痛みはないだろう――と苦笑しながら、追ってもう一品も不良ゆえ全額を返金願いたい――と希望すると、途端に文面に不機嫌が滲み出した。
この辺はどこの国、どの時代も同じようなもの、ということだ。
最終的に、eBayに加え、支払いに利用したPayPalもかなり強力な購入者保護制度を設けていることもあってだろう、渋々ながら販売者から全額の払い戻しを得た。
ただ、この買い物については、単に時間と労力を無駄にしただけということになったわけで、少々気疲れしたことは否めない。
ちょっとした社会勉強と割り切り、アンプに目立ったダメージのなかったことを幸いとすべきだろう。
今日は暗い空が昼過ぎに雨を落とし出し、今もまだ降り続いている。
気温が上がらなかった反面、夜に入ってもさほど下がらない。
「ジャズの名曲・名演―マイ・ロマンス(My Romance)」を投稿。
「Stan Getz And The Oscar Peterson Trio」
01. I Want to Be Happy
02. Pennies from Heaven
03. Ballad Medley
04. I'm Glad There Is You
05. Tour's End
06. I Was Doing All Right
07. Bronx Blues
W.A.モーツァルト「交響曲第41番 ハ長調 K.551 "ジュピター"」
Neville Marriner(cond): Academy Of St. Martin In The Fields
第1楽章 Allegro vivace
第2楽章 Andante Cantabile
第3楽章 Menuetto: Allegretto, Trio
第4楽章 Finale: Molto Allegro