蓼科高原日記|ささやかな山暮らし

音楽・本・映画・釣り竿・デジタル機器、そしてもちろん自然に囲まれた山暮らしの日常

曙光350C―真空管アンプの代替球(1)

寒さが戻り、昨日の未明には氷点下8℃まで落ち込んだものの、今日はそれを反転したような陽気で、最高気温は11℃台を記録した。

 

もう完全に春が優勢という感じで、朝方、今年初めて鶯の声を聞いた。

 

とは言っても、例の調子を付けた囀りではなく、ただぴッぴッという声を繰り返しているだけ。

 

本格的に歌う前の喉慣らし・発声練習なのだろう。

 

 

 

先日手に入れた真空管パワーアンプ用の代替球としていくつか注文したものの内の一つ、「曙光350C」が届いた。

 

先に以下の記事に書いた通り、当該のアンプに元々付属していた球は、整流管が5Z4P、プリ管・パワー管がそれぞれ6N1、6P3Pであり、今回手にした350Cは6P3Pの代替球である。

 

lifeintateshina.hatenablog.com

 

6P3Pなる真空管は、有名な6L6ファミリーの一つ6L6-GCに準拠(というか、模倣・コピした)球で、同ファミリーの他の成員、6L6-Gや6L6-WGC、その高信頼管5881、さらにはKT66などと差し替え可能ということなので、ネット上でそれらの特色などを眺めていたところ、「6L6-Gは骨太のサウンド」との記載に惹かれ、まずはこいつを手に入れようと思い立った。

 

そこで次にオークションなどでの物色を始めたのだが、この6L6-Gは出品が少なく、仮に出ても結構値が上がってしまうことが判明。

 

無論、ネットショップなどで付けられている価格も同様で、ちょっと手が出せず諦めかけた。

 

ただ、その過程で、350Cなる球が6L6-G相当との情報を目にし、ほとんど知られていない球のようだったが、GT管ながらST管の優美なフォルムを具えているし、手頃な価格でAmazonにも出ていたことから、博打半分のつもりで注文したのである。

 

 


納品まで一ヵ月ほどかかる可能性あり――と記載されていたものの、実際に要したのはほぼ二週間。

 

ただ、問題は梱包だった。

 

壊れ物の典型ともいうべき品にもかかわらず、エアキャップをざッと巻いて付属の厚紙の箱に収められ、内部に薄い緩衝材の貼られた「封筒」に入れられただけで、はるばる海を越えて到来したのである。

 

実際、外皮たる封筒こそ破れてはいなかったものの、箱はくずれてもう原型をとどめておらず、本体を包んでいたエアキャップもほとんど外れてしまっていた。

 

今思えば、その写真を撮っておくべきだったかもしれないが、当時は一刻も早くその惨状を視界から除けたく、さッさッと取り出して襤褸はすぐゴミ箱へ捨てた。

 

これでもし傷や欠陥があったら、当然すぐ返品というところだが、幸か不幸か製品自体は無傷で、既存の球と差し替えてスイッチを入れるとフィラメントが点り、音も出た。

 

20210324-350C

 


事前に目にしていた情報とその堂々とした体躯から、ジャズのホーンなどは朗々と響き渡るのだろう――と予想≒期待していたのだけれど、実際に表出された音を聴いた瞬間、正直拍子抜けした。

 

確かにガッシリとした風情はなくはない。

 

しかしその音色は豊かな広がりを具えたものではなく、どちらかといえば、反対にかっちりとした纏まりを印象させるものだった。

 

もっとも、この点は、単に自分の期待と異なるというだけで別段欠点ではない。

 

しかしながら、高音のささくれ立つような荒れはどう考えても問題である。

 

ちょうど、立派な体格の人物が耳障りなキーキーした声で話しているような感じと言えばよいだろうか。

 

落ち着いて聞けば、決してそんな大仰な荒れではないのだが、そのアンバランス感ゆえ一層目立ち、気になるのも確かで、一旦気になるとそれをなかなか追い払えないのが人情というもの。

 

そんなことを考えながら、ともかくこのアルバムの終わりまでは――とぼんやりと聞いていたのだが、ある瞬間、ふと、先ほどまでの耳への刺激が少なくなっていることに気づいた。

 

それと同時に、音が外へ向けて広がってきた感もあるではないか。

 

 

 

音楽を再生するに先立ち、30分ほど電源を入れてウォーミングアップはしていたのだけれど、これではまだまだ十分でなかったのかもしれない。

 

体が大きい真空管だけに、より入念な準備を要する――と思えば、なるほど、そう思えなくもない。

 

ともあれ、これなら大きな不満を覚えずに聴ける音になった。

 


あとは、より長期的に見た時、これからエージングによりどれだけこなれてくるか、どんな変貌を遂げるか、それも大きな愉しみである。

 


といい気分でぼんやり点る真空管を眺めやると、おや?背丈が違う。

 

そんな馬鹿な、目の錯覚だろう――と近くへ寄って確かめると、いや、間違いなく高さに差があるのだ。

 

そこで、上から各部のプロポーションを調べたところ、ガラス部およびプラスティックのベース部の作り・形状はそれぞれ同じながら、それらの接合部、嵌り具合に若干差のあることがわかった。

 

これも気になると言えば気になるのだけれど、緩んでぐらついたりしているわけではなし、機能的な不具合もなさそうなので、上の愉しみと秤に掛け、このまま持ち続けることにした。

 

 

 

Bill Evans「Everybody Digs Bill Evans」
01. Minority
02. Young and Foolish
03. Lucky to Be Me
04. Night and Day
05. Tenderly
06. Peace Piece
07. What Is There to Say?
08. Oleo
09. Epilogue
10. Some Other Time

 

20210324-Everybody Digs Bill Evans

 

Art Pepper「Art Pepper Plus Eleven」
01. Move
02. Groovin' High
03. Opus De Funk
04. 'Round Midnight
05. Four Brothers
06. Shawnuff
07. Bernie's Tune
08. Walkin' Shoes
09. Anthropology
10. Airegin
11. Walkin'
12. Donna Lee

 

20210324-ArtPepperPlusEleven