初めに、真空管オーディオシステムの構成を簡単にご紹介しておきたい。
今般入手した真空管パワーアンプは極めてシンプルなもので、入力端子はRCAジャック(ピンジャック)1系統しか具えていない。
ここにBluetoothレシーバからの出力プラグを挿し、PC上のUSBポートに挿したBluetoothトランスミッタとインタフェースをとって、音楽はPC上のiTunesから再生する形である。
スピーカー出力端子は8Ωと4Ωの二種があり、現状、繋ぐのはSONY DHC-MD373に付属する6Ωのスピーカーなので、所謂「ロー出し、ハイ受け」の原則に従い、4Ω端子に接続した。
音出しに当たっては、念のためまずボリュームを抑えめ、10時ほどの位置にして恐る恐る再生。
すると、スピーカーから微かに音楽が流れ出てきた。
そこでボリュームつまみを回していき、適正な音量となる位置を確認したところ、ほぼ従来と同じ所に落ち着いた。
アンプの商品説明に記載されていたスペック(その信頼度は不明)によると、7.5W×2と非力な数値だったことから、もっと大きく回す必要があるのではないかと思っていたので、少々意外だった。
さて、肝心の音の質については、メインで使っている「TEAC TD-X300i」+「AIYIMA TUBE-A3 PRO(真空管プリアンプ)」に比べ、音の「余韻」が若干薄い。
しかしこれは、メインオーディオの設置場所が自然木で囲まれた洋室であるのに対し、新真空管システムは和室に置いての試聴ということが大きく、決定的に影響しているように思う。
そこで、同じ場所に置いてあったSONYオーディオと比較してみると、音が瑞々しくなったというのがもっとも印象的な相違点である。
特に、金管楽器についてその印象が強く、反面、高音弦楽器に関しては音の荒れが若干感じられた。
これはイコライザーをオフにすることでやや改善したものの、完全な霧消とはいかず、今後の調整課題といえよう。
繰り返し使ってエージングが進めば、多少は滑らかになるとは思うけれど。
欲しいと思っていて手に入れた品ゆえ、多少の贔屓はあるのかもしれないが、それを差し引いても、「音が瑞々しくなった」と断定的に言うことに躊躇いを感じないくらい、明らかな差を確かに聴くことができる。
もっとも私の場合、総額〇百万円のピュア・オーディオを使ってきたわけではなく、ごくありきたりなコンシューマー・モデルとの対比であるので、絶対的評価はできず、またするつもりもないが、少なくとも投資に見合う、いやそれ以上の満足を得られたことは間違いない。
今後はまた、代替の球(真空管)について調べ、物色し、それが手に入ったら差し替えて聴き比べたりしていきたいと考えている。
真空管オーディオには、私のもう一つの愛着品である竹製の釣り竿「紀州へら竿」に相通ずる趣き・味わいがある。
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今日は柔らかな夕空だった。
最後に試聴盤を挙げておこう。
Miles Davis「Relaxin'」
01. If I Were A Bell
02. You're My Everything
03. I Could Write a Book
04. Oleo
05. It Could Happen to You
06. Woody'N You
Mozart「弦楽四重奏曲第17番 変ロ長調 K.458 "狩り"」
アルバン・ベルク弦楽四重奏団
第1楽章 Allegro vivace assai
第2楽章 Menuetto: Moderato
第3楽章 Adagio
第4楽章 Allegro assai