蓼科高原日記

音楽・本・映画・釣り竿・オーディオ/デジタル機器、そしてもちろん自然に囲まれた、ささやかな山暮らしの日常

水道の水漏れとシールテープ

炬燵を出した日に、寝室を北側の洋室から南向きの和室に替えた。

 

洋室には本格的な暖房装置がなく、それのあるリビング(LDK)からも離れているため、冬季は寒さで眠れないのに対し、和室の方は、こちらも暖房器具を設置していないのは同様なものの、リビングに隣接してやや暖かいからである。

 


それはそれとして、問題が一つ。

 

例年この時季、水道の圧が上がるのか、蛇口からポタリ・ポタリと軽微な水漏れが起こり、その音が結構気になって眠りを妨げられるのだ。

 

無論、吐水パイプを回して、排水溝に被せた割れゴム蓋の上に水滴が落ちるようにし、極力その音を小さくするのだけれど、一定の間隔で生じるそれは異様に聴覚を刺激する。

 

もっとも、古来、これが強力な拷問方法として用いられてきたという事実を考えれば、気になるのは当然と言えるだろう。

 


その音を消す一つの手段として、タオルを吐水パイプに被せて、その端をシンクの底へ届かせ、水がそれを伝うようにするというものもあるのだが、就寝前にこの手をとるのはいいとして、日中、何か集中した作業を行う際などにも、一々こんなことをするのは何とも面倒である。

 

そこで根本的な処置を講じることにしたのだが、その原因ははっきりしておらず、パッキンの劣化などの場合、新たに代替品の調達が必要となるので、その前にまず、去年排水パイプの水漏れをぴたりと止めることのできたシールテープを使ってみることにした。

 

これなら去年の残りが手元にあり、すぐに作業を開始できる。

 


さて、これを巻くべく、水道の元栓を閉めた上で、まずハンドル、次いでユニバーサルレンチを使ってのスピンドル取り外しである。

 

20211028-シールテープ

 

シールテープはスピンドルのネジ部分に巻く訳だが、スピンドルのネジ部分が狭く、テープがはみ出てしまうことから、定規とカッターで半分の幅にテープをカットした。

 

そしてシールテープを使用する際のいくつかの注意事項を守って巻き上げ、先ほどとは逆にスピンドル、次いでハンドルを装着。

 

さあ、これでもう、あの音に悩まされることもないだろう――と元栓を開けて水を出し、ハンドルをきっちり閉めたのだが……

 

すぐにまた、ポタリ・ポタリ……

 

 

 

 


これは一体どうしたことかと考えた末、もしかしたらテープを巻く回数に問題があったのかもしれない、と思い至った。

 

ネットで検索して頂くとお分かりになるが、この回数については諸説あり、結局はケース・バイ・ケースで最適解を見出すしかないというのが本当らしい。

 

そこでもう一度スピンドルを取り外し、今度は先ほどより若干多く、8回ほどテープを巻いて再び確認したのだけれど、状況は却って悪化したようにも感じられた。

 


これを去年の前例での成功体験と並べると、今回はシールテープが有効に作用しているとは到底思えなかった。

 

そのまましばらく様子を見たのだが、当然、自然に改善するようなことはなく、仕方なしに今一度スピンドル外して、反対にシールテープをきれいさっぱり除去して再装着・再確認。

 

するとどうだろう、完全に止まったわけではないものの、水漏れは作業前よりずっと小さくなっていたのである。

 


これを鑑みるに、ネジの溝部分にごく小さな異物、おそらく錆の類が付着し、これが悪さをしていたのではないかと思われるが、その正否は定かでない。

 

しかし、それを巻き、そして取り除く際、爪で扱くようにしたことで異物も一緒に除去された可能性は十分にあると思う。

 

今回の事例において、シールテープ自体は功を奏してはくれなかったわけだが、ともかく、あの悩ましい音をほとんど聞かずに済むようになったというのが何よりのことである。