蓼科高原日記

音楽・本・映画・釣り竿・オーディオ/デジタル機器、そしてもちろん自然に囲まれた、ささやかな山暮らしの日常

閉ざしたままだった窓を開けると…

ここ三日、暖かい陽気が続いている。

 

夜間には相変わらず氷点下へ落ちるものの、一年の半分はそうなる土地なのでどうということもなく、この時季は日中の最高気温の方が大きな意味を持つ。

 

それが昨日は7℃台まで上がり、今日は9℃を超えた。

 


これだけ暖かくなれば、屋根から雪崩れ落ちて窓を塞いでいた雪も緩んだろう――と、先月二十日以来閉ざしたままだった雨戸を開けてみた。

 

昨日はまだ動かなかったが、今日の昼前に再試行したところ、何度か前後に揺すぶっているうちに凍結により接着されていた雪が外れ、無事開けることができた。

 

二十日ぶりの窓開きだが、急激に暖かくなったおかげで、予想より早かった。

 


やはりこの窓から光が入ると明るい――と思いながら、陽射しを追って右の空を見上げる時、視界の左端に何か動くものが入った。

 

そちらへ視線を向けると、羚羊である。

 

20220312-羚羊

 

窓を開ける際に少なからず音を立てたので、当然向こうは気付いたはずだが、こちらのことなど全く気にせず、盛んに木の枝を食っている。

 

写真に収めようと思い、その場を離れてスマートフォンを手に戻り、それを構えても無頓着だ。

 

それほど目にする動物ではないので人に慣れているとも思えず、いくら空腹だからと言って人目を憚らずに食い続けるのも些か妙である。

 

追い払うべきかとも考えたが、鹿は幹の皮を剥いで枯らしてしまうけれど、こいつは細い枝だけを齧っているようだったし、時折雪に足を落ち込ませながらもぞもぞやっているのが見ていて面白かったので、そのままにしておいた。

 

何より、よほど空腹であることは間違いないだろうから。

 

その後何度か外を覗いて依然としてその姿を見た後、三十分ほどして立ち去った。

 


今日は人の常住していない建物の屋根からも、あちこちで落雪が見られた。

 

とにかく大量の雪が一気に落ちる状況なので、色々破損も出そうである。

 

実際、下のベランダの手すりを破壊されている建物が既に一つあった。