予報通り到来し、昨日の日中、気温を10℃近くにまで上げた暖かさは、これも予報に違わず夕方には去り、未明にはまた氷点下10℃を割り込んだ。
当然、今朝は薪ストーブに登場願った。
この薪ストーブを使い始めて既に12年、今ではほぼ自在に機能させることができているけれど、初めのうちはなかなか思い通りにいかなかった。
最も悩まされたのは、着火の難しさである。
いきなり大薪をくべては、火は点かないだろう――ぐらいのことは理解していたので、先ず、着火剤の上に小割の薪をかざす形にして、それがある程度燃えだしたら少し大き目のものを足す――というスタイルをしばらく続けたものの、これですんなり炎が安定するのはごく稀で、着火剤を三つも四つも加えながらストーブの前に一時間以上縛り付けられるようなこともあった。
そこで、他の人たちは如何なる着火方法を採っているのだろう――と、つらつら調べてみたところ、実に多種多様な流儀のあることがわかり、中には、ガスバーナーで一気に――などという豪傑もいらしたが、このような力技はどうも性に合わず、試してみる気にはならなかった。
それと同時に、逆に「これ」という定石もないことに気付いたのである。
そこで、それら各種方法に共通する要素は何かと考え始め、結局、次の二つの要件に行きついた。
すなわち、
1. ある場所に生じた炎を別の場所(薪)に燃え移らせる
2. 酸素を十分に供給する
という、考えてみれば至極当たり前のことである。
私が最初採った方式では、この第一の要件が全く満たされていなかったわけで、改善策として、着火剤の上に細目の薪を数本組み合わせる形にしたところ、着火の成功率が大きく上がった。
さらに、酸素の供給のためには、炉内に取り入れた空気を、煙突内で上方へ昇らせて屋根から外へ排気する流れ、所謂「ドリフト」を生じさせることが必要であり、煙突の口を塞いでこれを阻害するような薪組みを避けるよう注意した結果、それまでの苦労が嘘のように速やかに着火できるようになった。
こう書いてしまうと、いとも簡単に困難が解消したように思われるかもしれないが、実際はここへ到達するまでに2, 3シーズンを要している。
たかが薪ストーブ、されど薪ストーブと言うところだろうか。
ところで、朝一番にストーブに火を入れる際、少しでも熱が残っていると、ドリフトが発生しやすいので、着火はかなり楽になるが、これも経験から得た一つだ。
就寝の前には、それを念頭に置いてストーブの状態を調整するようにしている。
今日は真冬日、0℃に達しなかったが、日中はかなり暖かく感じた。
深い青を湛えた空から燦々と降り注ぐ陽射しによる体感に加え、その心理的作用が極めて大きかったようだ。
晴れた時には、寒さの質が先月までと大きく変わったことを実感する。
「豊魚 9.2尺 口巻 籐・乾漆握り」を投稿。
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今日聴いた音楽――
「Kenny Burrell & John Coltrane」
01. Freight Trane
02. I Never Knew
03. Lyresto
04. Why Was I Born?
05. Big Paul
Bill Evans「Green Dolphin Street」
01. You and the Night and the Music
02. My Heart Stood Still
03. On Green Dolphin Street
04. How Am I to Know?
05. Woody'n' You (Take 1)
06. Woody'n' You (Take 2)
07. Loose Bloose