霰ふる
早朝、屋根を打つ硬い音で目が覚めた。
昨日終日降った雨の名残が落ちて来たのかと思ったが、起床して先ず障子を開けたところ、辺りがまた白くなっていた。
もっとも、その色をもたらしたのは雪ではなく、先の音も示しているように霰で、これが昼頃まで断続的に降り続いた。
午後は次第に日が差し始めたものの、気温は2℃までしか上がらず。
それでもこの辺りの霰はすっかり姿を消してしまい、蓼科山の頂上付近にわずかに残るのみである。
ともあれ、明日晴れれば、これも見えなくなるだろう。
G.K.チェスタトンの「木曜の男」を読んだ。
この邦題については特に疑問に思わなかったけれど、「The man who was Thursday」という原題を見て、一体これはどういうことだろう?との違和感が発生。
しかし、物語の設定を目にして、なるほどそういうことかと納得した。
さて、この作品についての個人的な感想を述べると、初めからストーリーに引き込まれ、読み進むにつれてさらに興味は高まるものの、半分ほどまで来ると引き続く展開はほぼ予想され、実際その通りとなる。
しかし結末だけは見通せず、一体どうまとめるのだろう――という興味に促されて読み進んだが、読了して胸に浮かんだのは、ただ「なんだかなあ」といった思いである。
我が国における代表的ミステリ全集、「世界推理小説大系」「世界名作推理小説大系」「世界推理小説全集」のいずれにも収録されている作品だが、個人的には少々期待外れだったと言わざるを得ない。
老婆心ながら、これを繙く際は、「推理小説」としてではなく、一種の「ファンタジー」としてお読みになるのがよいかと思う。
そこに、筆者の社会的な見解を仮託して表明した感の強い作品だ。
John Coltrane「Soultrane」
01. Good Bait
02. I Want To Talk About You
03. You Say You Care
04. Theme For Ernie
05. Russian Lullaby
Gerry Mulligan & Thelonious Monk「Mulligan Meets Monk」
01. 'Round Midnight
02. Rhythm-a-Ning
03. Sweet and Lovely
04. Decidedly
05. Straight, No Chaser
06. I Mean You
壁掛けスピーカーの音質改善(壁板共鳴の解消)
従来、メイン・オーディオとしての位置を保っていたのに、真空管パワーアンプの到来により次席に格下げとなった感のある「TEAC TD-X300i」。
それに機嫌を損ねたわけではないと思うが、近頃、壁に掛けて使用しているスピーカーが壁板の共鳴を引き起こし、楽曲によってはかなり耳に障る状況となっている。
面白い――と同時に当然とも言える――のは、共鳴の生じるのは特定の高さの音のみで、その周波数に当たるものでも、音色により顕著に出る場合とそうでない場合の見られる点だ。
具体的には、ベース・ギター・ピアノ、すなわち弦から発する、恐らく200-250Hzあたりの音で、無論、音量も関係しており、こちらも当然、音が大きくなるほど共鳴も酷くなる。
次席に落ちたサブオーディオとは言え、このTEACも少なからず登場願うシステムなので、このままでは少なからずストレスを覚えることから、この状況を何とか改善すべく、方策を検討の上、対処を実施した。
もっとも、例によって大上段に構える積もりはなく、まずは極力手元にある資材を利用し、いくらかでも改善しようというのが基本方針である。
このスピーカーは元々壁掛け式での使用も想定されており、そのための取り付け具としてブラケットも付属している。
従来、これをそのまま利用し、スピーカー上部にブラケットを取り付け、これを壁面に打ち込んだ木ネジに掛けるとともに、下部は床置き用を兼ねるスタンドを壁に着ける形で支えていた。
ほぼ間違いなく、これはメーカー想定通りの方式であろう。
さて、これで壁板の共鳴が生じるとなれば、疑うべきは、上部のブラケット―木ネジと、スタンド―壁面という直接の接点である。
もっとも、スタンドには硬質ゴムの足がついているので、これにより振動はかなり減衰されるだろうから、第一にブラケット―木ネジの部分に対処を施すべきだろうと考えた。
手持ちの品でこれに使えそうなものは――と思案すると、ある!輪ゴムだ。
そこで、まず通常サイズ(?)の直径5cm程のものを木ネジに巻きつけてみたが、太くなりすぎてブラケットに開いた穴に通らない。
そこで直径2cm程の小さな輪ゴムに替えたところ、これでもまだ若干太目だが、少し力を加えた結果、しっかりと嵌め込む感じで掛けることができた。
そして音の確認。
先にかなり顕著に共鳴の生じた、「Stan Getz And The Oscar Peterson Trio」を再生してみると、酷かった共鳴はほとんど完全に消失していた。
しかも、他の周波数帯――特に低域――の音について、かっちりと引き締まった中での躍動感とでも言うべきものが加味された感じがする。
今回の問題は、原因がはっきりしていたということもあるが、たったこれだけの対処で極めて大きな成果が得られた。
もし改善の度合いが小さかったら、さらにスタンド側に防振シートを挟むなどの処置を重ねてみようと考えていたけれど、こちらは全く必要なくなった。
オーディオの工夫を楽しんで、そのうえ音楽を聴く愉しみがまた少し増した。