蓼科高原日記

音楽・本・映画・釣り竿・オーディオ/デジタル機器、そしてもちろん自然に囲まれた、ささやかな山暮らしの日常

2023-01-01から1年間の記事一覧

蓼科湖畔の細流(せせらぎ)

所用のため茅野市街地へ下りたついでに蓼科湖へ立ち寄り、ぐるりと一周した後、木陰に数多置かれたガーデンチェアーで暫し湖面を眺めながら時を過ごした。シルバーウィーク終了後の平日、しかも紅葉にはまだ時季が早いにもかかわらず、駐車場には八分方埋っ…

蓼科大滝

久しぶりに蓼科大滝を訪れてみた。多くの人にとっては、茅野市街の外れからビーナスラインの一部を成す長野県道192号へ入って高度を上げ、蓼科湖を右に見ながらここを通過して1kmほど進むと、「東京物語」「秋刀魚の味」「生まれてはみたけれど」などを撮っ…

ONKYO M55の修理(エッジ張り替え)

ONKYO(オンキョー)M55に元々装着されていたエッジは、ウレタン製のオーソドックスなものであるが、今回その交換用としてAmazonで調達したのはクロス(布)製で、しかもダブル(ツイン)ロールという少々珍しい形状をしている。これを選んだ理由の一つは、後者は…

ONKYO(オンキョー) M55―機能確認とクリーニング

今般入手したONKYO(オンキョー)の往年のスピーカーM55は(も)、「出音未確認」という状態、オーディオ機器にとって重大な問題を抱えている可能性のあるものゆえ、安価な値付けとなっていた。そこで、この懸念が払拭されるか、それとも顕在化するかを初めに確…

スピーカー ONKYO(オンキョー) M55―機種選定から入手まで

ONKYO(オンキョー)については、予てよりプリメインアンプのIntegra(インテグラ)シリーズやスピーカーに対して少なからぬ関心を持っていた。特に、1980年代後半に発表され、いわゆる598戦争の嚆矢となったD-77は、12インチ(30cm)クラスのウーファーを具えたモ…

Special Relativity and Classical Field Theory(特殊相対論と場の古典論) Leonard Susskind(レオナルド・サスキンド)、他著

「Special Relativity and Classical Field Theory(特殊相対論と場の古典論)」は、スタンフォード大学教授レオナルド・サスキンドが同大学で行った社会人向け講座(The Theoretical Minimum)から誕生した三冊目の書籍である。古典力学および量子力学を主題と…

FMレコパル 1978年10月23日増刊号[小学館]

私がオーディオに興味を覚えたのは、中学2年の終わり頃だった。きっかけは、よくある通り、これの好きな友人に影響さたことである。ちょうどオーディオが華やかな様相を呈していた時期で、さまざまなメーカーが積極的に製品をリリースしており、またこのジャ…

中性子星 ラリイ・ニーヴン(著)

アメリカのSF作家ラリイ・ニーヴン(Larry Niven)の中短編集「中性子星(Neutron Star)」には、次の8編が収録されている。・中性子星・帝国の遺物・銀河の<核>へ・ソフト・ウェポン・フラットランダー・狂気の倫理・恵まれざる者・グレンデルこれらの内はじ…

DENON(デノン) PMA-7.5の塗装と研磨

リレーのクリーニング(およびその際に犯した失敗のリカバリ)の結果、正常に出音するようになったDENON(デノン)のプリメインアンプPMA-7.5には、その後も特に問題は生じていない。これはもちろん歓迎すべきことながら、こうなると見てくれが気になるのが人情…

DENON(デノン) PMA-7.5の修理(リレーの清掃+α)

先に書いた通り、DENON(デノン)製プリメインアンプPMA-7.5に見られる出音不良は、症状をこれまでの経験に照らすとその原因はリレーの接触不良と思われることから、これに対処することにした。手っ取り早いのはリレーの交換だろうが、少し調べたところ同じ製…

DENON(デノン) PMA-7.5―機能確認とクリーニング

正直なところ、今般入手したDENON(デノン)のプリメインアンプPMA-7.5については、その質感の安っぽさに落胆を禁じ得ないのだが、これも一つの縁、ともかく一通りの通過儀礼は済ませておこう―と、はじめに機能確認から実施した。先の記事に書いたように、同機…

プリメインアンプ DENON(デノン) PMA-7.5―機種選定から入手まで

2021年のはじめに真空管プリアンプを入手したことで昔のオーディオ熱が再燃し、続いてやはり中華製の真空管パワーアンプ、デジタルアンプと購入、ここで気持ちが落ち着くかと思いきや、それどころかかつて憧れたブランドや往年の名機に対する興味が噴出し、…

集英社 中国の詩人―その詩と生涯 第4巻 庾信(ゆしん)―望郷詩人

集英社版「中国の詩人―その詩と生涯」 第四巻は、「庾信(ゆしん)」に当てられ、サブタイトルとして「望郷詩人」が冠されている。庾信は南北朝時代の天監12(西暦513)年、この時代にしては珍しく比較的安定した梁に生まれ、15歳で早くも後に文選を編む昭明太子…

パイオニアS-101の仕様と音質

パイオニア製スピーカーS-101のウーファーエッジを交換して鳴らし始めてから一月余りが経過した。その作業において、ガスケットとフレームの接着にも水性接着剤を使用したことに加え、同スピーカーは他の多くのモデルのようにユニットを前面バッフルにねじ留…

ローカルバスの終点へ 宮脇俊三(著)

宮脇俊三の作品は、今から七年ほど前だったか、「鉄道紀行全集 全6巻」の合冊版電子書籍に、各社このサービスを本格的に展開した時期に当たったのか、破格ともいえるキャンペーン価格が付されているのに遭遇した際に購入して一通り読んだが、今般さらにそこ…

おろしや国酔夢譚 井上靖(著)

西暦1783年1月(天明2年12月)、伊勢白子(現在の三重県鈴鹿市)の船頭、大黒屋光太夫は、紀州藩の囲米を江戸へ運ぶべく十六名の乗組員とともに神昌丸で白子の浦から出航したが、駿河沖で暴風に遭い航路を外れ、舵を折られたため操船できないまま約八ヵ月間の漂…

地球の歩き方

時刻表をはじめ、旅や旅行に関連した書籍を渉猟してそれらが次々と手元へ届いて来る内、以前購入してその後どこかへ仕舞い込んだ本もあったはず――と物置を引っ掻き回した結果、十冊以上を見出すことができた。その中に交じっていたのが、二冊の「地球の歩き…

カセットデッキ(ラジカセ)磁気ヘッドの消磁

三洋電機の往年のラジカセ、U4-W26(K)でカセットテープを再生すると、何となく音に籠りがあるように感じられ始めた。これを使い出してから半年余り、カセットテープ再生の頻度はそれほど高くはないのだけれど、今までに一度も消磁を行っていないので、どうも…

世界山岳全集7(朋文堂)―K2登頂、ブロード・ピーク八〇四七メートル

1950年、フランス隊のアンナプルナ登頂により人類が初めて8000m峰の頂きに立ったのに続き、その三年後にはイギリス隊が世界最高峰たるエベレストへの登頂を果たしたことで、地球上でもっとも高いこの領域への門戸が大きく開かれたことはご存じの通りである。…

地図と地球儀

地図を何冊か購入した。これまでいくつかの記事に述べてきた通り、空想旅行や追想旅行の強力な資料としてさまざまな時代や地域における鉄道の時刻表を現在収集した結果、鉄道の路線が地球上にどの程度張り巡らされている(いた)か、また色々な地点間の移動に…

トリオ(TRIO) KA-5300の仕様と音質

右チャンネルからの出音不良が再発したため水洗いを今一度施したトリオ(TRIO)のプリメインアンプKA-5300は、幸いその後調子よく鳴ってくれている。これを聴き始めてから、気が付くといつの間にか一月近くが経過しており、エージングも一通り済んだであろうか…

時刻表いろいろ―交通案内社版

私が初めて時刻表を買ったのは、大学二年の夏、学友たちと本州西部一周旅行を企てた際のことだった。もっとも、その旅行の音頭取りは他の奴で、私はどちらかと言えばお客さん的位置付けではあったけれども、大まかな経路くらいは把握しておこうと考えたよう…

現代中国文学 第一巻 魯迅

五年ほど前、色々な文学全集を渉猟した時期に入手しながら長らく書棚に並べたまま開く機会のなかった、河出書房新社版「現代中国文学」を今般漸く繙いた。先ず手にしたのはもちろんその第一巻、魯迅の作品を集めたものである。叢書のタイトルからしても、こ…

Pioneer(パイオニア) S-101の修理(エッジ張り替え)

Pioneer(パイオニア)の往年のスピーカー、S-101のウーファーエッジを張り替えるに当たり、はじめに行うべきことは、他の機種同様ユニットの取り外しである。ただ、S-101は他の多くの機種のようにウーファーユニットが前面バッフルに留められているのではなく…

Pioneer(パイオニア) S-101―機能確認とクリーニング

今般また新たに入手したスピーカー、Pioneer(パイオニア) S-101は、外観上目立つ汚れや傷は見当たらない一方、肝心の機能については「音が出るか否か不明」という状態だったので、先ずはその確認である。そこで既存システム内の一つのアンプと接続して小音量…

時刻表いろいろ―JR(交通新聞社)版

その名称、およびみどりの窓口に常備されているという事実から、いわゆる「JR時刻表」が公式時刻表だとこれまで思っていた。現在は実際その通りなのだが、この状況になったのは1987(昭和62)年に実施された国鉄の分割民営化以後のことで、それまでは先に取り…

スピーカー Pioneer(パイオニア) S-101―機種選定から入手まで

手元のスピーカーについて、ウーファーユニットの公称径を小さいものから順に列挙してみると、11(cm台、以下同), 13, 16, 22, 25, 27, 31となる。これを眺めると、全体的にはいい感じ(?)の間隔で並んでいる中、16と22の間に跳躍の見られることが以前から少々…

アメリカ鉄道3万マイル テリー・ピンデル(著)

「アメリカ鉄道3万マイル(原題:Making Tracks)」のプロローグには次の言葉が記されている。旅に出た当初は、自分でも何を探しているのかわかっていなかった ただ…(中略)…鉄道の路線をたどることで私の中の過去と現代が、歴史の項目と新聞の見出しが、精神と…

時刻表いろいろ―JTB(日本交通公社)版

鉄道の黎明期から近年に至るまで、ある程度の連続性をもってその栄枯盛衰を辿れるよう、時代ごとの時刻表を手元に置きたい―と考えて手頃な価格で中古市場に出てきたものをぽつぽつと購入し始めたことは既述した通りである。その鉄道時刻表については、JTB(日…

東洋史通論 (創元社)

先に取り上げた「日本史通論」「西洋史通論」に続き、創元社は「東洋史通論」を出版した。各タイトルから、これらをもって全世界通史を世に送ろうとの意図を顕示したかったのだろうことがわかる。ここで「意図があったのだろう」ではなく、上のように捻くれ…