ダイソーの湯たんぽ
二年前の冬から、炬燵を積極的に利用する一方、薪ストーブの使用は漸次減らしている。
室温はもちろん従来より低くなるけれども、その反面、湿度がある程度保たれるので、総合的な暮らしの快適さ(厳しさ?)はほぼ同じといったところである。
ただ、夜間については、従来室温低下を防いでくれていた薪ストーブの熱がなくなるとさすがに寒さを覚えること度々で、去年の冬などは寝付きを妨げられるとともに一旦寝入っても深更目の覚めてしまう例が少なくなかった。
無論、寝具を重ねるなどの対応はしたのだが、事態はなかなか改善しなかった。
そこで、何か良い対策はないものかと、この秋の到来した頃より漫然とながら考えていたところ、先日ダイソーへ入店した際、「ポリ湯たんぽ」なる商品が目に入り、これはよさそうだと購入することにした。
同商品は二種類置かれており、違いはサイズ、延いての容量だ。
個人的に、容量1.7Lの大きい方が湯たんぽのイメージにマッチしておりよさそうだったが、まずは小さい方を110円で試してみよう――と手に取ると、何と440円(税込み、以下同)の高額商品である(笑)。
大きい方はさらに高い660円で、こうなるともう自動的にスモールサイズ一択だ。
さて、実際にこの湯たんぽを使用してみた感想だが、なかなかいい。
現在、この春購入した石油ストーブを焚きながらその上に薬缶をかけておくことが多いので、夜、適当な時にその湯を湯たんぽへ注いで寝具に忍ばせておくと、床に就いた際ほんのりと暖かく、速やかに眠りに入ることができる。
因みに、入手した湯たんぽは、ちょうど手持ちの薬缶八分目の湯で満たせる容量である。
容量が小さいこともあり、一晩中その暖かさが保持されるわけではないが、夢の世界から引き戻されることは今のところない。
考えてみれば、これまでも就寝時の冷たさにより眠気が飛んでしまった部分が大きいようだ。
これから寒さが本番を迎えても、もう一枚上掛けを重ねれば大丈夫だろう。
なお、後で知ったことだが、以前はさらに小容量の製品が販売されていたものの、欠陥が明らかとなり回収となったらしい。
しかし、今般入手したものについては、現状、特に不具合などは感じない。
OTTO DCA-A15その後(2)―修理の試み
これまでの経緯から、OTTO DCA-A15の酷い異音はトグル式ラウドネススイッチの内部が腐食などによりショートしているためではないかと類推している。
今般、基板を(四)反転させることに成功したので、ハンダを吸い取り、基板の金属ボードに留められているねじを外せば当該スイッチは容易に分離できるはずだ。
そうした上で分解整備を――と先ず考え、ねじ外しに着手したのだが、ここでまた足止めを食うこととなってしまった。
普通の十字(プラス)穴のねじに見えるのだけれど、その形状に癖があるのか、手持ちの何種類かのドライバーのいずれでも回すことができず、そうこうするうちに少なからず頭をなめてしまい、これ以上続けたら完全に潰すことになる、と断念。
その後、輪ゴムを噛ませてドライバーを当てる方法のあることを知り、試してみたが、やはり駄目だった。
こうまで後から後から障害に行く手を阻まれると半分自棄になり、以前から頭にはあったもののなかなか実行には踏み切れなかった対処が改めて目の前に浮かんできた。
それは、ラウドネス回路を切断し、バイパスを通してしまうという手である。
一年間このアンプで音楽を聴いてきて、当方の通常の聴取条件ならラウドネスはほぼ必要ないことがわかっているので、この機能のなくなるのは諦められる。
問題なのは、果たしてこれで問題が改善もしくは解決するかという点で、さらにそれより懸念されるのはより重篤な症状や事故に繋がるのではないかということだが、そもそも現状でも使用不能なわけで前者は自動的に消え、後者についても、万一の場合はヒューズが防波堤となってくれるに違いない。
こう考えて、当該部分のパターンをカッターと四角錐ポンチで切断し、バイパスの足とする部分のグリーンレジストを剥がした上でリード線をハンダ付けした。
いずれも熟練したスキルを有しているわけではないので、決して綺麗とは言えない――どころか酷く痛々しい仕上がりとなってしまったけれども、これで問題が解決してくれれば――と願いながら、恐る恐る電源スイッチをオン。
幸い発煙や発火、爆発などは起こらなかった一方、結果を言うと遺憾ながら上の期待は儚く散ってしまった……
従来通り左チャネルからは音が再生されており、ラウドネススイッチを切り替えても音質が変化しなくなったことから、企図した処置自体は上手くいったと考えられるものの、右チャネルからは相変わらずの爆異音が迸る。
つまり、原因は他にあるということだ。
これまで書いていなかったものの、ヘッドフォンでの確認でもやはり同じ問題の聴かれたことから、原因はイコライザーアンプ部またはトーンアンプ部に求めるべきことはほぼ明らかゆえ、今一度基板を四反転させたりしてその辺りの素子の様子を重点的に見てみたが、視覚的には異常異変はなさそうである。
一つ、イコライザーアンプ部に使われているICのハンダ足から茶色の滲みが出ていたものの、これはフラックスのようで、実際四角錐ポンチで擦ると消え、その処置後の様子からするとここも大丈夫と思われる。
こうなると素子一つ一つの状態をチェックして犯人捜しをするか、もしくは当たりを付けて疑わしいものをごっそり交換するかということになり、繰り返しになるが十分なスキルを具えていない身にはいずれにせよ荷が重く、正直、今は取り掛かる気が起こらない。
いま徒に執着するより、将来、スキルが上がるなり修理に対する意欲が燃え上がった時に、改めて挑戦する方がよいように思うし、ともあれこの一年間、懐かしい音を聴けたこともあるので、当面は個人的記念オブジェとして部屋を飾ってもらうことにした。