四月の雪
今朝、夢から現へ半分戻ってしばらく床の中でぼんやりしていると、トン・トン・トン……と規則的な音。
はじめは気のせいかと思ったが、少し意識を集中して耳を澄ましても、やはり聞こえる。
啄木鳥が家の外壁を叩くこともあるけれど、それほど強くはない。
では雨垂れか――といっても、外は日が差してるようだし、俄雨によるものにしては長く続きすぎる。
そんなことをあれこれ考えているうちにすっかり目が覚めてしまったので起床した。
そして一番手近な障子を開けると、確かに廂から水滴が落ちてはいるが、雨の降った直後という様子はない。
ト少し視線を移すと、辺りがうっすらと白くなっていることに気付いた。
未明(?)に降って屋根に少し積もった雪が陽の光を受けて融け、それが雫して立てた音だったのである。
季節外れの雪――と言ってもよいかもしれないが、実際のところ、四月にまとまった雪の降ることは珍しくない。
降雪の少ない冬の後、四月の中旬に一晩で20cmほど降り積もったのも、これまで幾度か目にしている。
それでもさすがに四月下旬以降に降ったことはないので、夏タイヤへの交換は毎年この時季を待つのが通例だ。
もっとも、既にあらゆるものが熱を蓄えてきているため、まとまった雪も日の下ではあっという間に融ける。
今朝の雪も、昼までにはほとんど姿を消してしまった。
この春は一昨日あたりから気温が低迷しており、今週末にかけてはさらにもう少し寒くなるようだ。
ネットワークのどうしようもなかった状況は大分改善された。
とは言え、まだまだストレスを感じることが多い。
「A列車で行こう(Take the 'A' Train)」をジャズ・ブログへ上げた。
John Coltrane「Stardust」
01. Stardust
02. Time After Time
03. Love Thy Neighbor
04. Then I'll Be Tired of You
Art Blakey & The Jazz Messengers「The Big Beat」
01. The Chess Players
02. Sakeena's Vision
03. Politely
04. Dat Dere
05. Lester Left Town
06. It's Only a Paper Moon
07. It's Only a Paper Moon [Alternate Take]
中古スピーカー(ビクター SP-UXWD70-H)
デジタルアンプを入手したことにより、出力デバイスは4つになった一方、スピーカーは2セットのままゆえ、聴き比べをする(実際のところあまりすることはないのだが……)際は繋ぎ替える必要がある。
lifeintateshina.hatenablog.com
これも少々面倒なので、手頃な中古スピーカーを一つ購入するのも悪くないだろう――とオークションを覗いてみたところ、思ったより遥かに多い品が出ていた。
それを絞り込むための条件として、さて何があるかと考え、まず、これまで使って来たスピーカーはすべてフルレンジ・シングルコーンか2wayだったことに思い至り、3wayの音を聴いてみようとこれに当たる機種を選ぶことに。
もう一つ、これは気分的な要素が大きいのだけれど、ケーブルがユニットに直付けされてエンクロージャーから出ているもの、すなわちケーブル接続端子のない製品は除外。
さらに、力学的な動きの課されるコンポーネントだけに、下手な品を掴むと使い物にならないので、画像や説明でエッジに劣化の生じているものは絶対に回避することにした。
そして最後に、価格の上限は2千円(笑)。
すると30品ほどが残り、しかも丁度、終了間際にもかかわらず入札のないオークションが目に留まって、神経質に選ぶ必要もないため入札したところ、そのまま落札することができた。
「ビクター SP-UXWD70-H」なるスピーカーである。
ネット上に残っていた情報によると、これは元々、同社の「UXWD70-H」なるマイクロコンポーネントに付属するスピーカーで、11cmウーファー、4cmスコーカー、1.5cmトゥイーターで構成される3wayシステムのバスレフ型である。
これから明らかなように、3wayとはいっても本格的なものではなく、少々皮肉な見方をすれば、競合他製品との差別化を図るため無理やり3wayにした感を否めない。
でもまあ、ともかくも理想(?)のスピーカーを破格で入手できた。
届いた荷物を開梱して、中古だけに一番気がかりな製品の状態をまず確認したところ、白色のウーファー・コーンに若干変色が見らたものの、これは地の色からして致し方ないとも言え、エッジにひびや割れは見られないのでまず合格。
ただ、状態ではなく仕様の点で、ウーファーの径が11cmあるとはとても思えないのである。
実際、上の画像における右側のスピーカーのウーファー径が13cmであることを鑑みても、これは間違いない。
そこで物差しを当ててみたら、ユニットの取り付け先である金属フレームの外径が11cmで、ユニットのエッジ両端の差し渡しは9cmである。
今回の買い物はそれほどシビアに製品を評価する気はないのだが、サバを読んだと言わざるを得ないようだ。
ケーブル接続端子については、若干くすみが感じられる程度で、錆などはなく概ね良好だった。
しかし念のため、接点復活剤でクリーニングを実施。
この一缶、実に役に立ってくれている。
これらの確認が済み、いざ設置しようと持ち上げると、からからと小さな音。
どうやら後ろに開いたバスレフ・ダクトからゴミか虫といったものが入り込んでしまったようだが、覗いてみると単純な筒ではなく、ちょっとしたバックロード構造を具えているらしく、逆さにして振ったりしても外へ出せそうもなかったので、そのままとした。
さて、このコンパクトな本格派バスレフ3wayスピーカーの音だが、先のデジタルアンプに繋いで音楽を再生すると、何とも華やかな世界が眼前に展開した。
と、こう言えば聞こえはいいのだが、先に書いたこのアンプの特徴、悪くない音ではあるものの耳に障る――がより一層強調される感じなのである。
極小トゥイーターの効能か、高音の粒立ち、煌めきといったものは申し分ない一方、やはりこれだけ口径の小さなウーファー、および小容量のエンクロージャーでは、バスレフを工夫しても低域の弱さをカヴァーすることは難しいようだ。
それもあってか、全体的に潤いの乏しい乾燥した音場といった印象が強く、音の出た瞬間は、はッとさせられ、気分が盛り上がるけれど、時間の経過とともに身体がそわそわとし出し、三十分ほどでもう十分――となってしまう。
これはあくまで、本来アコースティックな音ばかり聴いている人間の感想で、電子楽器の音に慣れ親しんだリスナー(現代ではこちらが圧倒的多数に違いない)が、サブウーファーを加えるなどした上で、細かな音符の多用された音楽を聴くには決して悪くはないかもしれない。
しかしやはり、当家ではデジタルアンプとセットにし、気分転換用オーディオとして働いてもらうことになるだろう。