蓼科高原日記

音楽・本・映画・釣り竿・オーディオ/デジタル機器、そしてもちろん自然に囲まれた、ささやかな山暮らしの日常

世界ノンフィクション全集10 バウンティ号の反乱、非情の山K2、他2編

筑摩書房の「世界ノンフィクション全集」もまた、何度か改版の重ねられたシリーズだ。

 

この全集の量、および質を考えれば、それも当然かもしれない。

 

先ず1960(昭和35)年に全50巻本として発行されたが、1966(昭和41)年には「現代世界ノンフィクション全集」とタイトルに若干変更が加えられた上で再び全24巻が日の目を見る。

 

さらに1968(昭和43)年、「現代」の省かれた元のタイトルで全30巻のものが現われ、今私の書棚に並んでいるのはこれである。

 

当初、この全集の始祖である50巻物を手に入れたいと考え、古書情報やオークションを注視していたのだけれど、それなりに市場には出て来るものの、年代的にかなり古くなるため状態の思わしくないものがほとんどであり、なかなか食指は動かなかった。

 

そうしているうち、自分の興味にマッチした作品はほとんどが1968年版に収録されていることに気付き、ちょうどその時、状態・価格ともこれならと思う出品があったので入手したのである。

 

その第10巻に収録されているのは次の四作。

 

・バウンティ号の反乱 W.ブライ
・アルプスの北壁 A.ヘックマイヤー
・非情の山K2 C.S.ハウストン、R.H.ベーツ
・船長日記 池田寛親

 

20210426-世界ノンフィクション全集10

 

本全集は基本的に抄訳だが、といっても各著作の中心となる部分は当然省かれてはおらず(所謂「いいとこ取り」)、タイトルから想像される通り、海と山において展開されたノンフィクション・ドラマを堪能させてくれる。

 

これらの内、初めの三作はよく知られたもので、他の全集や叢書でもよく見かけるが、「船長日記」には今回初めて出会い、特に面白く読んだ。

 

このような著作がしっかりと収録されている点に、編者の見識、および出版社の度量を感じる。

 

引き続き他の巻を読むのが愉しみだ。

 

 

 

 

 

昨日今日と日中も気温は上がらず、今早朝は氷点下5℃台まで落ち込んだ。

 

その上昨夜からまた強風、それも4日前のものとは違い身を切るような冷たい風が吹き荒れている。

 

 

 

「Thelonious Monk Plays Duke Ellington」
01. It Don't Mean a Thing (If It Ain't Got That Swing)
02. Sophisticated Lady
03. I Got It Bad (And That Ain't Good)
04. Black and Tan Fantasy
05. Mood Indigo
06. I Let a Song Go Out of My Heart
07. Solitude
08. Caravan

 

20210426-Plays Duke Ellington

 

Miles Davis「'Four' & More」
01. So What
02. Walkin'
03. Joshua
04. Go-Go (Theme and Announcement)
05. Four
06. Seven Steps to Heaven
07. There Is No Greater Love
08. Go-Go (Theme and Announcement)

 

20210426-Four And More

 

 

 

春を深める風

昨夜から立ち始めた強風は、今日も日中一杯吹き荒れ、日が沈んで漸く治まる兆しが見えてきた。

 

木々を見ると南側へ揺れていることが多いが、北には蓼科山が鎮座しており、そちらからこれほどの風の吹くことは多くないし、実際、外へ出ても冷たさは感じない。

 

どうやら開けた南西方向からの風が、北の衝立に乱され・返されたものらしい。

 


この時季、季節を深める最も大きな要素は、言うまでもなく太陽の南中高度の増大とこれに伴う日照時間の延長、さらにそれらに牽引される気温の上昇だろうが、暖かい強風もかなりの寄与をもたらすように思う。

 

特にその影響を感じるのは、残んの雪と、木々の枝の様子からで、実際今回も、家の周りに唯一残っていた雪が一日でほとんど消えてしまったし、辺りを歩けば多くの木が枝に緑を孕み始めているのが見られた。

 

20210422-残んの雪

 

事ここに限らず、強風は春先の風物詩とも言えるものだが、それには春を後押しし、さらに夏を引き寄せる働きがあるに違いない。

 


人工的な音のほとんど聞こえない所では、風と雨が賑わいの元。

 

ふと凪いだ時に耳を澄ますと、遠くから風が渡り来るのがはっきりと分かる。

 

雨の場合も、時に降っている範囲の識別や、その移動や拡大を認識できることもある。

 

後者を経験するのは夏、これからだ。

 

 

 

 


音楽を聴く際には木々の騒めきが少々気になるけれど、こんな不満は贅沢というものだろう。

 

Thelonious Monk「Brilliant Corners」
01. Brilliant Corners
02. Ba-Lue Bolivar Ba-Lues-Are
03. Pannonica
04. I Surrender, Dear
05. Bemsha Swing

 

20210422-Brilliant Corners

 

Lee Morgan「Introducing Lee Morgan」
01. Hank's Shout
02. Nostalgia
03. Bet
04. Softly, As in a Morning Sunrise
05. P.S. I Love You
06. Easy Living
07. That's All

 

20210422-Introducing Lee Morgan