蓼科高原日記

音楽・本・映画・釣り竿・オーディオ/デジタル機器、そしてもちろん自然に囲まれた、ささやかな山暮らしの日常

業務用パワーアンプ SONY MU-A301―機種選定から入手まで

元々Panasonicの業務用パワーアンプRAMSA WP-1100Aに繋いでいたALR JordanのEntry Sを、かつて一世を風靡したSONYのプリメインアンプTA-F555ESXへ移し、その空いた端子へBOSE 121WBを、さらにまたJBL Control 1Xtremeも適宜交互に接続する形で鳴らしながらしばらく経ったが、実は当初から繋ぎ替えに少なからぬ面倒を感じていた。

 

というのも、繋ぎ替え自体煩わしいのに、業務用ということもあってか、RAMSAの端子はドライバーを要するネジ留め式なのである。

 


そこで、手頃なスピーカーセレクターの類はないものかと色々探してみたところ、本格的な製品は中古でも結構な値が付されており、廉価品もあるにはあるものの、その作りをみるとなかなか食指が動かない。

 

それならいっそのこと、もう一台、JBL Control 1Xtreme用のアンプを購入してしまうのも悪くないと思うに至り、またしても物色の過程を辿ることになった。

 

無論、例によってその対象は中古品である。

 


では、その要求仕様(というほど確固としたものではないのだが)は――となると、Control 1Xtremeは曲がりなりにも"Professional Series"の一員らしいので、これをドライブするアンプもRAMSA同様の業務用モデルにしよう、そしてどうせなら、オーディオ黄金期ともいえる1980年代から90年代初めに製造されたもので、トロイダルトランスを搭載して200W+200Wを超える大出力を具えた、超弩級とは言わないまでも弩級とは呼べる程度の製品が良さそうだ……と、取り敢えずは好き勝手な条件を並べてみた。

 

この観点でまずざっくりと探索した結果、YAMAHA PC2002(M)、SONYのMU-A301およびMU-A400、そして満たさない条件は若干あるものの、WP-1100Aの兄貴分に当たるRAMSA WP-9600、WP-9440といったモデルが浮かび上がった。

 

 

 

 


が、当方の機種選定においては、今一つ、最重要な条件として「価格」が存在する。

 

その数値として「送料等を含め、総額一万円程度だろうか、」を仮設定すると同時に、現実的に入手できそうなのはSONYのMU-A301と、時折市場に姿を見せるRAMSAに絞られてしまった。

 

正直なところ、できればYAMAHAのPC2002を手にしたいと狙っていたのだが、これはよく出てくるもののやはり人気が高く(特にパワーメーターを装備したPC2002Mは)、上の価格条件の満たされることはまず期待できそうもなく、次点候補と考えていたSONY MU-A301の破格品に今般遭遇したことから、これも一つの縁と購入に踏み切った。

 


もっとも、1985年の発売時に定価23万円だった製品がその二十分の一の価格で売りに出されたのだから、当然懸念材料は散見されるわけで、最も気になるのは、よくある「確認は通電のみ、機能については未確認」という点だった。

 

さらに、業務用ということもあるのだろう、かなりハードに使われたらしく、天板に大きな引っ掻き傷が見られる他、前面パネルにも染みのような汚れが目立ち、ヒートシンクを覆う形のサイドパネルも大きく歪んでいる上、脚も一部が欠品している(次の画像は、側板を取り外したもの)。

 

20220626-SONY MU-A301(1)

 


この現状から、気分よく音楽を聴ける状態まで持っていくには、恐らくかなりの手間暇を要するに違いない。

 

しかし、これもまたB級オーディオの愉しみの一つと自分に言い聞かせながら(実際、その通りの面もある)、焦らず気長に取り組んでいこうと思う。