蓼科高原日記

音楽・本・映画・釣り竿・オーディオ/デジタル機器、そしてもちろん自然に囲まれた、ささやかな山暮らしの日常

トリオ(TRIO) KA-5300―水洗いの結果

トリオ(TRIO)のプリメインアンプKA-5300を水洗いして三日後、もう乾燥は十分だろうと考えて再度出音確認を実施した。

 

そうは言っても、やはり少なからず緊張しながらの電源投入、しかし幸い今回も特に問題なくリレーが繋がってくれた。

 


さて、音楽を再生した結果はというと、音質およびバランス調整時の不快な断続や跳躍といった不具合は解消しており、機能もしっかりと効くようになっていた。

 

ただ、バランスつまみの操作において若干ガリの出る点が気掛かりではある。

 


そして、もう一つの大きな問題、右からの出力がない事象については、遺憾ながら解消は勿論、改善すら見られなかった。

 

こうなると他にはリレーのクリーニングくらいしか思いつかないので、手間暇を要することは予想されたものの、この実施に踏み切った。

 


先に書いた通り、リレーのカバーが容易には外れないためハンダを除去して基板から取り外すことになるが、ハンダ面へは基板をひっくり返す形でアクセスする必要がある。

 

しかも、完全に反転させるにはリード線などが縛りとなっており、これらをすべて外すのは気が進まずそのままにして行ったことから、ハンダ除去はかなり窮屈な作業となってしまった。

 

しかしともかく目的は果たしてリレーを分離。

 

続いてカッターで爪を切除してカバーを開け、接点復活剤を付した綿棒で接点を磨いた上、乾拭きにより余分な剤を除いて再び窮屈な作業によりリレーを基板へ戻し、音出しをしてみたが、相変わらず右チャネルからの音はまったく聞こえてこなかった。

 

実のところ、リレーであれ他の部分であれ、接触不良が原因での無音なら、音量操作などで一時的に鳴ることをこれまでの経験は教えてくれているのに、今般はそれが全く起こらなかったため、あまり期待はしていなかったのである。

 

従って、苦労してのリレー清掃が奏功しなかったのは半分覚悟しており、実際、リレーの接点磨きに使用した綿棒を見たところ、ほとんど汚れは付着していなかった。

 

これに取られた手間暇を悔やむつもりはないものの、行き詰まってしまったという落胆は否めない。

 

 

 

 


そんな気持ちを抱きながら、他に手はないだろうか――とぼんやり基板を眺めていた時、電源部右側のコンデンサ近くに二つ直列的に並んだヒューズがやけにくすんでいることに気付き、もしかして――と外して明かりに透かして見ると、内部が断線していた。

 

もう一つも同様、一方、左側のヒューズは二つとも繋がっていたことから、これが右チャンネル無音の元凶に違いないと踏み、左側のヒューズを右側に装着して出音確認したところ、今度は右からしっかりと音が聞こえてきた。

 

20230427-トリオ(TRIO) KA-5300―水洗いの結果

 


そこで交換用ヒューズを調達することにしたのだが、オリジナルと同じ2.5A-250Vという仕様の製品で適当なものがない。

 

辛うじて、代替できそうなヒューズとして若干アンペア数の小さい2A-250Vのものが見つかり、これなら万一用途に耐えなかったとしても断線するだけ、大怪我にはならないはずと考えて購入した。

 

これを右側に装填し、念のため音量を抑えて音楽を再生した結果、先程と同じく正常に音が出たので、続いて徐々に音量を上げていったところ、普段は聴くことのない大きさでしばらく鳴らしてもヒューズは無事だった。

 

イヤフォンでここまで確認した後、次にはいよいよスピーカーを接続して同じテストを行ったが、ここでも安定したサウンドを聴くことができた。

 


左チャネルのヒューズには機能的問題はなかったけれど、左右に別の物を使うのは気持ちが悪いし、予め4本入りを調達しておいたこともあって、こちらも交換して作業を終えた。

 


どうやら、今般のアンプ入手も外れ籤とはならずに済んだようだ。