手元のスピーカーについて、ウーファーユニットの公称径を小さいものから順に列挙してみると、11(cm台、以下同), 13, 16, 22, 25, 27, 31となる。
これを眺めると、全体的にはいい感じ(?)の間隔で並んでいる中、16と22の間に跳躍の見られることが以前から少々気になっていた。
もちろん、音楽を聴くにおいて支障や問題はなく、また、ウーファー径はスピーカーの音質を決める多くの要素の一つに過ぎず、その値が漸次増加するにつれて音の方も一次的に変化するものでないことは重々承知してはいるものの、ここまで整列していると唯一のギャップを埋めたくなるのが一般的人情――とは言わずとも、個人的にはその気持ちがあった。
まったく、凡人の気持ちとは困ったものである。
こうして、またしても安価に入手できるスピーカーを物色する羽目となったが、今般の動機は上述の通りなので、ターゲットはウーファー径が18から20cm程度のモデルだ。
そして、あくまで気持ちの疼きを鎮めることが目的なので、もし適当なものがあれば――といった感じで良く、価格についても5千円以内というかなりきつい制限を付した。
一方、年代に関する拘りは特にないものの、製造からあまり年月の経っていない製品は当然価格も下がり切っていないだろうことから、1990年くらいまで、また元々十万円を超えるようなものが上の制限内に落ちてくる可能性は低いので、発売当時五万円程度だった機種に自ずと絞られた。
これらの条件を満たす製品として浮かび上がったのは、ダイヤトーンのDS-15, DS-10、オンキョーのM-55、ビクターのSX-311, SX-300、パイオニアのS-101といったところである。
これらに網を張り、あとは予算に収まる品の現れるのを待っていたところ、そこに掛かったのが最後に挙げたS-101だった。
さて、その状態はというと、まずウレタン製のエッジが経年劣化で崩壊しており張り替えが必須。
さらに中古品には珍しくない「出音は未確認」、ジャンク品ということで値札は三千円強だった。
これなら交換用エッジを調達しても予算内に抑えられそうだし、肝心の出音機能についても、同モデルを中古で入手したというネット上の記事を眺めたところ、「音が出ない」という事例は見られなかったことから、思い切って購入したのである。
同機に対するその後の取り組みについては、これまで通り追ってご紹介するつもりだ。