蓼科高原日記

音楽・本・映画・釣り竿・オーディオ/デジタル機器、そしてもちろん自然に囲まれた、ささやかな山暮らしの日常

ダイソー300円スピーカーの改造(実行編2)

ダイソー300円スピーカーの改造、その二点目は、低音増強のためのホーン実装である。

 

このホーンは、「計画編」に述べたようにペットボトルで作成した。

 

初めにその画像をお目にかけてしまおう。

 

20210723-ホーン


ご覧の通り、500ml丸ボトルの底部をぐるりと切り取っただけの、至極シンプルなものだ。

 

そのカットにはカッターを使用したが、主に紙を切る用途の細身のものだったため、一度刃を引いただけでは切れず、何度も同じところをなぞることとなり、効率が悪かった上、刃を滑らせて怪我をするのではないかという不安を抱きながらの作業になってしまった。

 

ここは、できればアクリルカッターなどを使いたい(その際も十分な注意を要することは言うまでもないが)。

 

切り口には荒れが見られたので、ハサミで軽くトリミングを実施。

 

この時生じた小さな屑は、今問題となっている環境汚染物質「マイクロプラスチック」の一種だろうと思い、ガムテープにしっかり吸着させて燃えるゴミとして出した。

 

なお、バランスを考えれば、もっと寸を短く詰めるべきだろうけれど、視覚的インパクトを重視して長さを保持したのである(笑)。

 


スピーカーへの装着は、飲み口の先端にボンドを塗って直接エンクロージャーに接着してもよかったのだが、強度の面と、後の拡張性、すなわちホーンの交換などを考え、元々付属していたキャップをエンクロージャーに付け、そこへホーンを嵌め込む形とした。

 

キャップには、バスレフポートからの音を通すための穴をハンドドリルで穿ち、バリは棒ヤスリ(丸)で落とした。

 

20210723-キャップ

 

この屑ももちろん、水系へ入り込まないようしっかりと処理した。

 

ここで、その穴が縁に寄っているのは、バスレフポートの近くにケーブル、さらに左スピーカーには音量調節ダイヤルが位置しており、それを避けるための苦肉の策である。

 

しかしながら、装着時にホーンが中心線からずれてしまうのは物理的に如何ともしようがなく、これには目を瞑らざるを得なかった。

 


接着剤の乾くのを待ち、いよいよ装着。

 

その雄姿が次の画像である。

 

20210723-ホーンスピーカー


実は、前もって気付いていたことだが、バスレフポートがエンクロージャー下部にあるため、今回のホーンを装着するとスピーカーが立たない(泣笑)。

 

この300円スピーカーには明確な上下の区別はなさそうなので、ひっくり返せば解決するのだが、私の場合、先に質量増加策として粘土をエンクロージャー内部の「床」へ置いてしまったことから、この処置は採れなかった。

 

粘土を入れ直すにはあのネジを外さねばならず、それはもう嫌だから。

 

 

 

 


そこで急遽、このスピーカーの専用スタンドを用意することにし、何か適当な資材はないか――と家の中を見回して見つけたのが、羊羹の詰められていた容器である。

 

そのままでも台としての用はなしてくれるだろうけれど、スピーカーにどっしりした質感が具わったことから、スタンドもこれに倣うべし――と、やはり粘土を充填した。

 


これで役者は揃ったので、設置してPCへ繋ぎ、音楽を再生。

 

20210723-接続と設置

 

するとどうだろう、自分で工夫し、工作したという親心、その欲目(耳)はあるにせよ、響いてきた音は、初め素のままで聴いたのとは雲泥の差である。

 

もともとシャラシャラと耳に障った高音は滑らかに実を帯び、中音近くが軽くポンポンと跳ねるだけだった低域は重さと粘りが加わって弾むようになり、再生帯域もわずかながら下方へ伸びている。

 

試しにホーンを外し、高音対策だけを施した状態で聴いてみると、上に挙げた変化の内、真ん中のものだけが欠ける印象である。

 

エンクロージャーに封入した粘土とわたが余計な振動を抑制し、高音に対して効をなしたのみならず、従来打ち消されてしまっていた低音も活きるようになったらしい。

 


そもそも口径5cmのフルレンジ・ユニットゆえ、中音中心の響きとなるのは否めず、人によっては高音が寂しくなったと感じるかもしれない。

 

これについては、エンクロージャーに封入した粘土やわたの分量を調節することで改善できそうだ。

 

一方の低音に関して言えば、バスレフポートが径5mmほどと極めて小さいことを鑑みれば、今回のホーンのように大きな開口部を設けるより、小さく開けるのが正解のようにも思う。

 

この辺りを理論・実践両面で詰めていくと、さらに面白いに違いない。