この冬、車のルーフが白っぽくなってしまった。
家の屋根同様、ここも何度となく雪に覆われたため、はじめは水垢のようなものが付着したのだろうと考えていたが、先日、まだ路肩に残っている雪で軽く擦ってみても落ちず、よくよく見たところ塗装の剥げであることが判明した。
常日頃、高地の強烈な紫外線に晒されている上、冬には寒さと雪に傷めつけられて来たので無理もない。
視線を垂直に近く注ぐ部分ではないので、さほど目立たないと言えばそうなのだけれど、一旦気付いてしまうと結構気になるし、それより、状態がさらに悪化して万一雨漏りなどを来たすことになっては流石に困るため、何とかしようと思い立った。
もっとも、既に10年以上乗っている車ということもあり、費用をかけてまでするつもりはなく、例によってDIYである。
それに必要不可欠な資材はもちろん塗料で、色番号も調べた。
価格も300mlで千円強で調達できるようだが、一般的な塗料に比べると割高なのは間違いなく、また、色が一致しているといっても、それはまっさらな状態でのことであり、先にも書いた通り既に長期間に亘って自然の蝕みを受けてきたところへ初なものを塗って、果たして齟齬がでないものかという懸念も否めないことから、すぐ手を出すのは少々躊躇われた。
高価な物を購入してそうなってしまっては悔しい。
そこで、まずは安い一般塗料を試してみることにした。
もし色合いの違いが顕著に出たなら、改めて指定された色番号を塗ればよいだろう。
こう考えて、ダイソーさんのラッカースプレー(税込み110円)を購入し、今日それを使っての塗装を実施した。
綺麗に仕上げるなら、ペーパー掛け等の下準備が必須となろうが、さほど見た目に拘るつもりはないし、そもそも今回は試行の意味合いが強いことから、汚れを拭き取っただけで済ませた。
とは言え、要らぬところを塗ってしまうのは避けたいので、新聞紙と、手元にあった養生テープを代用してマスキングである。
そして塗りに入ったのだが、あッという間に終わってしまった。
と言っても、作業が簡単に済んだのではなく、塗料が切れてしまったのだ。
ラッカースプレーの缶に、「塗装可能面積は二度塗りで0.3sq.m」と記載されていることは認識していたものの、素地の色を変えるわけではなく、剥がれて薄くなった部分の復旧だから足りるだろう――と考えたのだが、これは甘かった。
この目的自体は一応達成でき、懸念した色合いの齟齬も小さかったのだけれど、新たな塗装は艶に欠け、その違いが少なからず目についてしまう。
無論、塗料としては「ツヤあり」を選んだものの、その特性を発揮させるにはやはりコンパウンドをかけるといった仕上げが必要らしい。
しかし塗装した面積の大きさを考えると、正直それを行う気にはなれない。
それよりも、今一度、屋根全体を満遍なく塗ってしまう方が良さそうである。
というわけで、追加で塗料を調達して作業を行った上、その結果は追ってご紹介したいと思う。
なお、改めて注記するまでもないだろうが、車に道具としてより高い・大きな価値や愛着をお認め・お持ちの方におかれては、くれぐれも本記事など参考になさらないようお願いしたい。
(追記)
その後、塗装面に皺のようなものが現われ、次第に広がってしまった。
初めは直射日光・紫外線の影響かと思ったのだが、いずれ必要となるだろう再塗装の下調べをしている際、これはラッカースプレーに含まれる有機溶剤の強い溶解力により、下の塗料が侵されて生じる「リフティング(チヂミ)」という現象と知った。
この辺りをしっかりと把握理解した上、研磨を含めた再塗装を行い、それについても追ってご紹介できればと思う。