先月購入したSONY製CDラジカセ「SONY CFD-700 DoDeCaHORN CD」は、以下の記事でご紹介したようにサブウーファーの劣化が顕著で、特にラバー系のエッジは完全に硬化し、軽く指で押しただけで割れ落ちてしまうありさま、当然音質も本来の実力を発揮できない状態だったため、張り替え用エッジを早々に注文した。
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それが漸く届いたので、張り替え作業を実施できる状況になったわけだが、その前に酷い色褪せを修繕しておいた方が良さそうだ。
これはカーボンコートでよかろう――といっても、何のことはない、実は墨汁を塗布するだけで、その用途のため予めダイソーで「墨液」なるものを購入しておいたのである。
その墨液を、これもダイソーで買った絵筆で塗ったところ、見違えるような姿になった。
これに気をよくしてエッジ張り替え作業に取り掛かった。
さて、そのエッジの選定は、サブウーファーユニットのサイズを実測した上で行ったのだが、ロール内径が若干小さいかもしれないという懸念があった。
そして、今回はこれが杞憂には終わらなかったのである。
というのは、適合性を確認すべく、届いた現物をユニットに嵌め込んでみたところ、やはりコーン外径に対してロール内径がわずかに足りず(もっとも、エッジの仕様上の数値は逆なのだけれど……)、接着部がしっかりとコーンに密着しないのだ。
先のSONY製スピーカーSS-G333ESで生じたのと同じ状況にまた陥ってしまったわけである。
しかし、どうにかなるだろうという気もしたし、交換不能な商品でもあるので、ともかく作業を進めることにした。
その手順は特に変わったものではなく、先ずはユニットの取り外しから。
ただ、このサブウーファーはリード線の接続がファストン端子ではなくハンダ付けで行われているため鏝を使わねばならず、少しばかり面倒ではあった。
次いでガスケットを外したが、これがユニット面に対して垂直に立つ形の珍しい物なので、ユニット面との境界にマイナスドライバーを差し入れて接着を剥がした上、さらに外周に沿っても同じことを実施する必要があった。
続いて古いエッジの除去。
はじめにできるだけ指で割りとった後、ユニットに残った細かなギザは、ここもマイナスドライバーを使ってコーンを傷付けないよう注意しながら刮ぐ感じで除いた。
コーン裏にはぐるりと一周、古いエッジの接着部が残り、本来ならこれもしっかりと除去すべきところだろうけれど、ウレタンとは異なり非常に硬化しており接着も強く、しかもコーンが小さく作業しにくいため、うまく取り除くことは困難と判断してそのまま残すことにした。
しかし、これもまた、上の懸念の現実化を促進する触媒となってしまったのである。
彫刻刀があればうまく処理できたかもしれないが、後の祭りである。
あとはエッジの装着と組み上げを残すのみ。
エッジの最内周に接着剤(今般調達したのはウレタンエッジなので、「アルテコ パワーエース 速乾アクリア」を使用――というより、これを使えるようウレタンエッジを選んだ)を塗布してユニットへ嵌め込んだ――のはいいが、サイズの小さいことが災いしてやはり接着面が浮いてしまう。
洗濯ばさみを何本か当てた上、指で押さえながら乾燥を待ったけれども、結局加圧を止めると浮いてしまった。
エッジの径方向に何ヵ所か切り込みを入れ、密着しやすくして再試行しても駄目で、より強力な接着剤を試そうかとも考えたが、それで失敗すると作業自体の破綻となることから思い止まり、ではどうしようかと眺めているうち、確かに接着面に浮きは生じているものの、その隙間はごく薄いことに気付いた。
そこで、あまり採りたくない力技ながら、その隙間を接着剤で埋めてしまうことにした。
幸い、この接着剤は乾燥後もある程度の柔軟性を具えているものゆえ、大丈夫だろうと踏んだのである。
実際、乾燥を待って確認した結果、その箇所は決して綺麗ではないものの、機能的には問題ない感じである。
そこで作業を継続することにし、フレーム側への接着を行った上、ガスケットの底面と側面に接着剤を塗ってこれもフレームへ取り付けた。
最後に念のため、コーンとエッジの境界部にも、一周ぐるりと接着剤を細いノズルで盛って張り替えは完了、リード線をハンダ付け(後ろ向きのため逆相接続になる)した上で組み上げた。
この手の作業においては、接着剤は少な過ぎるより多過ぎる方が良いだろう――と、いつも若干食み出るくらいの塩梅としているが、それでもほとんど目立つことはない。
しかし、今般のユニットは何分サイズが小さい故、それがかなり目に付き、遺憾ながら納得のいく仕上がりとはならなかった。
もっとも、これは背面に位置し、しかもグリルで隠してしまうものなので、しっかりと鳴ってくれれば良い。
その点については、いつものように暫く鳴らし込んだ上でご紹介しよう。
付記:コーンへの接着を表張りとすれば、接着面の浮きを来たさずに済んだかもしれない――と、これもまた後の祭りながら思い浮かんだ。